はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米FRB議長、公聴会で仮想通貨・デジタル通貨関連の質問に回答

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨銀行の中央銀行口座開設

米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は11日、2期目の中央銀行総裁就任に向けた承認手続きの一環として、上院銀行委員会で証言を行った。

現在進行中のインフレ危機に対するFRBの対応を問う議員が相次ぐ中で、ビットコイン(BTC)推進派のシンシア・ルミス議員と公正で明確な暗号資産(仮想通貨)規制を求めるパット・トゥーミー議員は、パウエル議長に仮想通貨関連の質問を投げかけた。

先進的な仮想通貨政策で知られるワイオミング州選出のルミス議員は、同州で特別目的預託機関(SPDI=Special Purpose Depository Institutions)として設立を承認された仮想通貨銀行に対し、FRBが未だにマスター口座と呼ばれる預金口座開設の許可を与えていない理由について尋ねた。

SPDI(特別目的預託機関)とは

SPDIとは「Special Purpose Depository Institutions」の略で、米ワイオミング州が2019年に新たに制定した金融機関の形式。従来の銀行業務を行いながら、仮想通貨の取引や保管、資産管理が可能となる。ただし顧客の法廷通貨預金での融資は禁じられている。

▶️仮想通貨用語集

SPDIが銀行としての業務を開始するためには、他の金融機関との決済を行うためのマスター口座をFRBに開設することが必要となる。

しかし、KrakenとAvantiはワイオミング州からSPDIの認可を受け、FRBにマスター口座開設の申請をしたが、1年以上経った今でも承認は得られていない状況にある。

ルミス議員は、これまでの様々な判例からもFRBにはSPDIに対しマスター口座の開設を拒否する権限はないと主張。「申請者が『餓死』するまで承認を遅延しているのではないか」と非難した。

パウエル議長は、SPDIを預託機関として認めることは「説得力のある議論だ」とした上で、新たな金融機関の形として制定されたSPDIに中央銀行口座の開設を許可することは、これまでにない重大な前例を作るケースであるため、慎重に審議していると返答した。そして、SPDIを一旦承認してしまえば、すぐに数百のSPDIがそれに続くことになるだろうと述べ、SPDIの口座許可が金融システムへ大きな影響をもたらすことへの懸念を表明した。

関連:仮想通貨支持派の米上院議員、パウエル議長の再任を不支持

民間発行のステーブルコインとCBDC

パット・トゥーミー議員は民間発行のステーブルコインに言及。「議会が中央銀行のデジタルドルを認可し、FRBが発行する場合、十分規制された民間発行のステーブルコインとデジタルドルの共存を妨げるような可能性はあるか」と質問した。

パウエル氏は即座に「それは全くない」と答えた。

パウエル議長は昨年7月の公聴会で、「デジタルの米国通貨があれば、ステーブルコインも仮想通貨も必要ない」と発言した経緯がある。なお、昨年9月末の公聴会で仮想通貨については「禁止するつもりはない」と発言を修正する一方、ステーブルコインに関しては、厳格な規制が必要だと強調していた。

関連:パウエル議長、「仮想通貨を禁止するつもりはない」

トゥーミー議員はまた、FRBが現在のように金融機関を対象とするのではなく、消費者へサービスを提供する小売銀行としての機能を果たすには、その「歴史と経験、専門知識、能力」を全く持ち合わせていないと指摘。この意見が公平かと尋ねられると、パウエル氏は「そうだというべきだろう」と答えた。

仮想通貨・CBDCの報告書

また、昨年9月に発表予定であった仮想通貨とCBDCに関するFRBの報告書の進捗について、マイク・クラポ議員から質問が行われた。

パウエル議長は「数週間以内に公表される予定」と返答したが、同氏は昨年11月にも同じ回答をしている。しかし今回は「発表する段階にまで準備が整っている」とのことだ。

ただし、議長は「国民に質問を投げかけ、答えを求めるような形になるだろう」と述べており、仮想通貨についてはコミュニティが求めているような明確な答えが示されることには繋がらない可能性も高いとした。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/17 月曜日
10:45
カードン・キャピタル、888BTC取得完了 不動産とビットコインの融合プロジェクト
不動産投資大手カードン・キャピタルが「101 Mizner Boca Bitcoinプロジェクト」向けに888BTCの取得を完了。年内で3,000BTC超を購入し、不動産収益でビットコインを継続購入する独自の融合モデルを展開。マイクロストラテジー戦略を不動産に応用した新たな投資手法として注目を集める。
09:49
アーサー・ヘイズ、保有していたアルトコイン大量売却か 実際の価値提供が必要との意見も
著名仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏がイーサリアムやエセナなどのアルトコインを大量売却している。専門家は4年サイクル論の終焉と実需の重要性を指摘している。
11/16 日曜日
16:22
金融庁、暗号資産105銘柄の「金融商品」扱いを検討 金商法適用へ=報道
金融庁は暗号資産に金融商品取引法を適用し、交換業者が取り扱う105銘柄に情報開示とインサイダー取引規制を導入する方針。税率は最大55%から株式と同じ20%への引き下げを検討。2026年の通常国会で改正案提出を目指す。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、XRP現物ETFの米上場や世界初のZcash保有企業の91億円調達など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナ、ジーキャッシュといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン、下値余地残すも反発は時間の問題か|bitbankアナリスト寄稿
今週のBTC相場は1530万円周辺で推移。米政府機関閉鎖解除後もハイテク株軟調で上値重い展開。12月FOMC前の経済指標不足が懸念材料に。一方、STH損失レシオが95%超となり売られ過ぎの水準。オプションOI分析では9.5万ドルがターゲットに。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米史上最長の政府閉鎖終了に高い関心
今週は『金持ち父さん貧乏父さん』著者ロバート・キヨサキ氏によるビットコイン・金・銀の価格予想、堀田丸正のBitcoin Japanへの社名変更、米政府の閉鎖終了に関する記事が関心を集めた。
11/15 土曜日
13:55
続落するイーサリアム、長期保有者が1日4.5万ETH超を売却=グラスノード
グラスノードによると、イーサリアムの3年から10年保有者が1日あたり平均4万5000ETH超を売却している。イーサリアム現物ETFも13日に2億6000万ドルの純流出を記録し売圧を高めている。
13:20
リミックスポイント決算発表、仮想通貨評価益で売上高が大幅増加
リミックスポイントが2025年4~9月期決算を発表した。仮想通貨評価益で売上高が大幅増加している。同社はビットコイン、イーサリアムなどの仮想通貨を財務資産として蓄積している。
13:00
Visaアジア太平洋地域デジタル通貨責任者、ステーブルコインの展望を語る|CoinPostインタビュー
Visaアジア太平洋地域デジタル通貨責任者ニシント・サンガヴィ氏がCoinPostの独占インタビューに応じ、ステーブルコイン決済戦略の拡大、CBDCとの共存、米国ジーニアス法の影響について詳しく語った。4つのステーブルコインと4つのブロックチェーンをサポートし、2億2,500万ドル超の決済を実現。今後5年間のアジア太平洋地域におけるデジタル通貨の展望と、Visaが果たす役割について解説。
11:15
テクノロジー大手アリババが預金トークン決済を開発 中国当局のステーブルコイン懸念に対処か
中国アリババが預金トークン決済システムを開発している。当局によるステーブルコイン規制を回避することも背景とみられる。AI活用サービスも発表した。
10:30
ビットコイン急落、45日ルール通過とFOMC利下げ見送り観測で売り圧力が最大化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは足元で強い売り圧力に晒されているが、ヘッジファンドの45日ルール通過により解約売りの終了が期待される。ビットコイン長期保有者が直近1カ月で12兆円相当のBTCを売却したことは心理を悪化させていた。
09:50
トランプ一族関連のアメリカン・ビットコイン、売上高99億円に増加 決算発表 
トランプ一族の仮想通貨マイニング企業「アメリカン・ビットコイン」が2025年7~9月期決算を発表した。前年同期比で黒字転換し、ビットコイン保有量は4,090BTCに到達している。
09:35
ジャック・ドーシーのCash App、ステーブルコイン決済機能を導入
決済アプリのキャッシュアップがステーブルコインの送受信機能を含む11の新機能を発表した。ライトニングネットワークを使用したビットコイン決済機能も拡充している。
08:50
ソニー銀行の米銀免許申請、通貨監督庁にICBAが否認を要求
ソニー銀行が米国で信託銀行の国家免許を申請したことについて、米組織ICBAが強く反対すると表明。通貨監督庁に書簡を送付して反対理由を説明し、ソニー銀行の申請を認可しないように要求した。
07:45
バイナンス、ブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」を取引担保として受け入れ
仮想通貨取引所バイナンスがブラックロックの「BUIDL」を取引所外担保として統合した。BUIDLはBNBチェーンで新シェアクラスも立ち上げる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧