より「効率化」されたDeFiに
大手DeFi(分散型金融)レンディングプラットフォームCompoundは26日、第3バージョン「Compound III(Comet)」のリリースが完了したことを公表した。DAO(分散型自立組織)内で投票によって承認された形だ。
Compoundは、イーサリアム(ETH)上に構築されており、2020年夏に起こった「DeFiブーム」を主導したと言われている。中央管理者が存在せず、誰でも暗号資産(仮想通貨)の貸し借りを行える。
同プラットフォームは2019年に第2バージョンに移行しており、今回約3年ぶりに新バージョンにアップグレードされた形だ。
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「Compound III」は、セキュリティ、資本効率、ユーザーエクスペリエンスに重点を置いた「効率化バージョン」とされている。最大の変化は、「流動性プールのリスクモデル」から脱却したことだ。
DeFiとは
「Decentralized Finance」の略。DeFiで行われる金融サービスには、ステーブルコインの発行や通貨の貸出、仮想通貨取引所などがある。イーサリアムのブロックチェーンを利用しているプラットフォームが多い。
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担保モデルを改変
これまでのCompoundでは、ユーザーが担保とした資産が借りたい他ユーザーに対して貸し出されていたが、このシステムは、一つの不良資産やオラクルの更新が、プロトコル全体から資産を流出するリスクを抱えていた。
「Compound III」では、単一の借り入れ可能な資産を備える形となり、担保が他の利用者によって引き出されることはない(清算時を除く)。
担保に利息をつけることはできなくなるが、より多くの借り入れが可能になり、また清算のリスクや清算時のペナルティー、ガス代金(手数料)も少なくなるとCompoundは説明している。
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今回のアップグレードでは、このほかにも、担保資産の最大量に制限が設けられ、またガバナンスが経済政策を完全にコントロールできるよう、金利モデルの分離なども実施された。
プロトコルの上に新しいUXパターンとアプリケーションの展開を可能とする、新しいアカウント管理ツールも導入されている。
なお、「Compound III」は現在、wETH(ラップドETH)、wBTC(ラップドビットコイン)、ユニスワップ(UNI)、チェーンリンク(LINK)、Compoundのネイティブトークン「COMP」の合計5銘柄に対応している。これらの通貨を担保資産とすることで、ステーブルコインUSDCを借り入れることが可能だ。