韓国中銀「ICO禁止を撤回すべき」との見解示す

「ICOは禁止するより規制すべき」

韓国銀行(韓国の中央銀行)は29日、国内でICO(イニシャルコインオファリング)禁止を撤回すべきとの見解を表明した。地元メディアが報じた。

韓国の規制当局である金融委員会は、2017年より投資家保護を理由として同国内でのICOを禁じている。これに対して韓国銀行は今回、ICOを禁止するよりも規制すべきであると主張する格好だ。

背景として韓国銀行は、禁止が効果的ではないことを挙げた。禁止を行っていても、国内企業がスイスやシンガポールなど海外で現地法人を設立してICOを行い、その後に当該トークンを韓国内の取引所に上場する方法により規制を迂回していたと指摘している。

このような方法が行われた一例としては、ディペッグを起こした無担保型ステーブルコインプロジェクト「テラ(LUNA)」などを挙げた。

ICOとは

「Initial Coin Offering/新規仮想通貨公開」のことで、企業やプロジェクトが、独自の仮想通貨トークンを発行・販売し、資金調達する行為を指す。ハイリスクハイリターンで投機的側面が強い反面、各国の法整備が追い付いていないことで、詐欺まがいのICOが横行するなど問題点も多く、国際的な規制強化が協調路線にある。

▶️仮想通貨用語集

韓国銀行は「今後デジタル資産基本法を制定する際に、国内仮想通貨ICOを制度的に許容する必要がある」と続けた。

海外で発行された仮想通貨の国内上場を承認する制度を構築することで、「関連産業の発展および投資家保護を可能とする効果も期待できる」とも説明している。

韓国では、仮想通貨についての包括的な法案「デジタル資産基本法」を作成するための準備が進められているところだ。順調に進めば、2023年前半には形になる見込みとされる。

基本法の設立を見越して、電子製品大手サムスン関連のサムスン証券を含む韓国証券企業7社が、2023年上半期に仮想通貨取引所を立ち上げるため法人設立を申請していることも報じられた。

関連サムスン証券など韓国金融7社、来年仮想通貨取引所立ち上げか

欧州の仮想通貨規制を参照

韓国銀行は、29日に欧州連合(EU)の包括的仮想通貨法案「MiCA」の韓国語訳を発表しており、韓国でも規制にあたってMiCAを参照することを提案した。

「欧州はブロックチェーンの育成やイノベーションが阻害されないようにすることに留意しながら、投資家保護のための規制を導入した」と評価する格好だ。

特にステーブルコインについて、欧州レベルの洗練された規制が必要であると主張している。韓国銀行は次のように述べた。

MiCAは、法定通貨と1対1の価値で発行され、保有者に償還権が付与されるトークンを「電子マネートークン」として定義し、既存の「電子マネー法」をそのまま適用するようにしている。

韓国の場合、最近のテラエコシステム崩壊で、仮想通貨ユーザーの被害が大きかったことを考慮すると、ステープルコインに対してMiCAレベルの規制を採用する必要がある。

EUは7月末に、MiCAについて暫定合意に達している。ステーブルコインについての要件も盛り込んでおり、現在の内容は「十分に流動性のある準備金を用意すること」「保有者がいつでも無料で償還できる権利を得られること」「発行者がEU域内に存在すること」などを課すものだ。

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