仮想通貨市場にも影響
米労働省の労働統計局は13日、8月の消費者物価指数(CPI)を発表した。
市場予測の8.1%を上回り、8月のCPIは前年同月比8.3%の上昇。インフレ抑制のために、20日〜21日に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)が大幅な利上げの継続を決断するとの見方がさらに強まり、今回のCPI発表は暗号資産(仮想通貨)や株式などの金融市場に影響を与えた。
CPIは6月の9.1%をピークに、7月は8.5%、8月は8.3%と下落傾向にあるが、目標インフレ率の2%を大幅に上回る高い水準が継続。インフレはピークアウトしたとの見方もあった中、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長らが、利下げに転じるには時期尚早との見方を示したことから、金融市場では警戒が続いている。
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昨日のCPI発表は日本時間の21時30分。この時点を境に、ビットコイン(BTC)の価格は1BTC=321万円台から下落した。本記事執筆時点で293万円台を推移しており、CoinGeckoのデータで前日比約8%の下落。「マージ」を控えるイーサリアム(ETH)は前日比約7%下がっている。
CoinPostの提携メディアThe Blockによると、仮想通貨企業21.coでリサーチに携わるAdrian Fritz氏は、インフレについて以下のようにコメントした。
インフレ率が高い状態が続くと、株や仮想通貨がさらに売却される可能性がある。
米中銀は物価の安定を重視して、金融引き締めの姿勢をより強めるようになり、来週のFOMCではさらに金利を上げてくるだろう。
利上げ幅の予測
現在、来週開催のFOMCでは0.75ポイント(0.75%)の利上げが行われるとの見方が多いが、今回のCPI発表を受け、100ポイント(1%)利上げする可能性があるとの見方が増えてきた。
以下は、CMEグループが提供する金利予測ツール「FedWatch」。現在の政策金利「2.25〜2.50%」に対し、次の利上げ幅の可能性を示している。本記事執筆時点で、0.75ポイント上げて3%〜3.25%になる可能性が66.0%。一方、1ポイント上げて3.25%〜3.5%となる可能性は34%となっており、記事執筆中にも増加していた。