Metamaskの新機能
世界有数の暗号資産(仮想通貨)ウォレットMetaMask(メタマスク)は28日、新機能「Portfolio Dapp(ベータ版)」の提供を開始した。複数のアカウントやネットワークを跨いだ保有資産(トークンやNFT)の状況を一目で把握できるようになった。
MetaMaskは、イーサリアム(ETH)系の仮想通貨やNFT(非代替性トークン)を一括で補完・管理でき、dApps(分散型アプリ)や、ブロックチェーンゲーム、DEX(分散型取引所)と連携する際に使用される。月間アクティブユーザー数は21年11月時点で2,000万人を突破していた。
新機能「portfolio.metamask.io」はMetaMaskのブラウザ拡張とモバイルアプリからも利用できる。拡張版の場合はホーム画面に表示された「Portfolio」をクリックする。
執筆時点に7つのネットワーク(Ethereum / Optimism / BNB Chain / Polygon / Fantom / Abritrum / Avalanche)に対応している。これらEVM(イーサリアム仮想マシン)と互換性のあるネットワークは、チェーンID等の仕様を切り替え、同じアドレスで利用可能だ。Metamaskの新機能はアドレスベースで資産の保有情報を集約している。
ユーザーがハードウェアウォレットなどで管理する別のアカウント等を複数管理したい場合、「watch any wallet」機能に追加すると合計値を集計できる。ここでは、他人のアドレスや可読化されたENSドメインも追加でき、任意のラベル付けが可能だ。
「watch any wallet」機能自体はMetaMaskユーザー以外でも利用でき、表示されたトークンを掘り下げていくと供給量や価格などの市場データを把握できる。
例えば、イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が管理するウォレットの一つ「vitalik.eth」を登録すると、同じウォレットアドレスで管理されているネットワーク7種とそのトークンポートフォリオが閲覧できる。なお、vitalik.ethの資産の9割強はEthereum上にあることが分かる。
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NFTの一覧表示
また、画面上のタブを切り替えることで、EthereumとPolygon上のNFTポートフォリオを表示可能。スパムNFTが邪魔であれば、個別画像の3つの点をクリックすれば良い。各NFTのプライスは今後表示される予定だ。
Metamaskによると、Portfolio Dappはコミュニティのリクエストにより実現したという。DeFi(分散型金融)、NFT(非代替性トークン)など、Web3(分散型ウェブ)のユーザー体験向上につながると期待を示している。
Metamaskの開発をサポートする開発企業ConsenSysは6月に、ZKロールアップの開発企業StarkWareとの提携、L2技術を導入する計画を発表。開発環境である「StarkNet snap」からMetamaskを利用可能にしていた。