CoinPostで今最も読まれています

デジタル庁、「Web3研究会」初会合を実施

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Web3研究会の初会合

日本のデジタル庁は5日、第1回目となる「Web3研究会」を開催した。

NFT(非代替性トークン)、DAO(分散型自律組織)に代表されるWeb3(ウェブスリー)時代の到来に備え、各省庁の環境整備を統括し、法改正を含む環境整備を検討する部会となる。

河野太郎デジタル相は冒頭の挨拶で、Web3研究会で「Web3によって実現を目指す経済や産業・社会がどのように変わる可能性があるか検討してほしい」と方向性を示した。Web3のユースケースの便益やリスクを評価し、「社会課題を解決するツールと捉え、経済成長につなげるために必要な環境整備を議論し、年末までにまとめる」と語った。

4日には金融庁が、Web3(ウェブ3)で使われる”デジタル資産”のガイドラインについて、ルール整備を促進する方針を示したばかり。NFTなどのデジタルアイテムが、暗号資産、及び金融取引に該当するか判断基準を明確化していく。

一方、Web3研究会はデジタル社会実現に向けた各省庁の取り組みを総合的に調整する「司令塔」と位置づけられる。各省庁の検討事項は計10回行われるWeb3研究会の中で適時報告され、様々な経歴の有識者を交えて議論を重ねていく。

Web3と将来の姿

出典:デジタル庁

Web3とは現状の中央集権体制のウェブに対して、ブロックチェーンを活用して非中央集権型のネットワーク上で実現するサービスやコンテンツ、エコシステム全体を指す。

事務局説明資料によると、Web3は主に金融、資産取引、組織の3分野に分類され、暗号資産やDeFi(分散型金融)、NFT、DAO(分散型自律組織)、メタバースといったユースケースが発展している。

これにより、新たなビジネスモデル、資金・人材調達やコーポレートガバナンスの在り方が発展。来るべきWeb3時代の到来に備え、既存の規制環境の枠を超えた新しいルールの在り方が問われている。

しかし、専門領域の異なる構成員の間で共通していたのは、目まぐるしく変容するWeb3の将来像(ゴール)を決めこむのではなく、足元の事例ベースで対応できるフレキシブルな制度作成体制を構築することだ。

株式会社デジタルガレージの共同創業者である伊藤穰一氏は、個別のソーシャルムーブメントを通して法律や制度を見直すそもそも論アプローチの重要性を強調。

ジョージタウン大学のCyber SMART研究センターのディレクターを務める松尾氏や、エンジニア出身のSFライター藤井太洋氏は、インターネット発展期にトップダウンで描いたビジョンは全て外れ「エンジニアだけが残った」として、人材育成や事業支援を重視。

研究会構成員の間でさえ、Web3のコンセプトは時間軸や前提条件の面で異なってくる。規制・制度改革を見越した報告書を年末までにまとめるには、まずは視座を揃える必要がある。

そうした観点から、東京大学大学院経済学研究科の柳川範之教授は3つのステップを指摘。参加者から一定のコンセンサスを得ている。

  1. 近い時間軸(2~3年+α)でWeb3の未来像を想定
  2. 現状と異なるポイントを整理
  3. 必要な制度改革を構想

DAOの可能性

出典:デジタル庁

Web3のユースケースや影響については、冒頭の金融庁だけでなく、経産省や文化庁もNFTと著作権関係、セキュリティトークンの法制度などで個別に検討を進めている。しかし、DAOについては管轄が定められていなかった。

そのため、Web3研究会ではDAOを中心に、法律上の課題や将来的なビジネスモデルの可能性を模索していく方向性で議論が展開していく。途中では研究会自体がDAOで進行していくアイデアも持ち上がった。

柳川教授は将来的にDAOで何ができるのかのコンセプトを複数想定し、テクノロジーの進化に現状の法制度が適合していない部分を具体的に示すことが重要と指摘。現状の規制との軋轢を洗い出し、アジャイル(機敏)にプロジェクトを発足できるだけではない、法改革のコストに見合うメリットをより具体的にする必要があると述べた。

第2回Web3研究会は10月12日水曜日に開催予定。現在DAOで活動する有識者を招き、議論を深めていく。

Web3研究会の取り組みは、米ホワイトハウスが9月16日に発表した暗号資産(仮想通貨)などデジタル資産についての包括的な開発枠組みに相当する。バイデン大統領が署名した大統領令を受けて、米国の各省庁が調査を行い、政策方針に反映した。

関連:米バイデン政権、仮想通貨やNFTについての包括的な開発枠組み示すへ

日本政府は、22年6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太方針2022)」において、ブロックチェーン技術を活用した次世代型インターネットとして注目される「Web3(分散型ウェブ)」の環境整備を本格化していく意向を示していた。

関連:金融庁、Web3のデジタル資産に関する「新たな市場整備」に本腰へ

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/26 金曜日
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。
06:50
米Stripe、ソラナやイーサリアムでUSDC決済を導入予定
Stripeは2014年に初めて仮想通貨ビットコインの決済を導入した経緯がある。しかしその4年後の2018年にビットコインのバブル崩壊を受け同社はその取り組みを中止した。
05:50
モルガン・スタンレー、ブローカーによるビットコインETF勧誘を検討
最近の仮想通貨ビットコインETF資金流入状況に関しては昨日、ブラックロックのIBITが1月11日ローンチ以来初めて資金流入がゼロとなり、71日連続の流入記録が終了したことが確認された。
04/25 木曜日
17:42
ワールドコイン、仮想通貨WLDのトークンセールを計画
Worldcoinが個人認証に基づくベーシックインカムプロジェクトの拡大へ、機関投資家限定で暗号資産(仮想通貨)WLDのプライベートセールを計画。市場価格に近い価格で提供し、転売禁止やロックアップ措置を導入する。
15:00
ビットコイン強気相場継続の根拠、アーサー・ヘイズ氏語る
仮想通貨取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、世界各国で法定通貨の供給量が拡大し続ける中、ビットコインをはじめとする仮想通貨の強気相場は今後も継続するとの考えを示した。
13:20
2028年の半減期に向けてビットコイン価格など5つの予測=Bitwise
Bitwiseの最高投資責任者は次の半減期までにビットコインに起こる5つのことを予想。ビットコイン価格は約3,880万円以上になるとする予測も含まれる。
10:25
ビットコインの供給インフレ率、金を下回る=レポート
Glassnodeは4回目の半減期についてレポートを発表。ビットコインの供給インフレ率がゴールドよりも低くなり、希少性が増したと述べた。
08:15
zkSync基盤のWeb3ゲーム企業Tevaera、野村などから7.7億円調達
TevaeraはzkSync上でレイヤー3のゲームチェーンを立ち上げる予定で、年内に200万人のプレイヤーと12人のゲーム開発企業をTevaeraエコシステムに参加させようとしている。
07:00
ジャック・ドーシー率いるBlock、店舗売上をビットコインに変換へ
新たに導入する予定の機能は「Bitcoin Conversions」というもので、Cash Appのアカウントを持つSquareのユーザーは、店舗収益の最大10%を仮想通貨ビットコインで受け取ることができるようになる。
06:10
米司法省、バイナンス創業者CZ氏に懲役36ヶ月求刑
仮想通貨取引所バイナンスの元CEOのCZ氏は自分の「不適切な決断」を謝罪し、自分の行動の全責任を受け入れる内容の手紙を2月に提出した判事へ提出したことが明らかになった。
04/24 水曜日
17:00
「BTCは上昇トレンドに入る可能性」SCB銀
仮想通貨ビットコインは再び上昇トレンドに入る可能性があるとスタンダードチャータード銀行が分析。今回もビットコインとイーサリアムの価格予想をしている。
16:23
Block社(Square)、ビットコイン採掘産業の分散化に向けて高性能チップを開発完了
デジタル決済企業ブロック(旧Square)が、3ナノメートル技術を採用した最新のビットコインマイニングチップ開発を完了。このプロジェクトはオープンソース化され、ビットコインマイニング業界の分散化を推進することを目指している。
15:09
WebX2024、最大73%割引の「開幕セール」終了まで残り1週間
株式会社CoinPostが主催する日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」にて、チケット販売を開始しております。2024年4月30日まで、最大73%割引のお得な開幕セールを実施中です。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧