はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

シンガポール政府とDBS銀行、デジタル通貨によるクーポン配布を実験

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタル・シンガポールドルでクーポン作成

東南アジア・シンガポール最大手の商業銀行であるDBS銀行は10月31日、トークン化されたシンガポールドルの発行テストを行うと発表した。シンガポール政府と提携して行うもので、消費者にデジタル化クーポンを配布するようなケースを念頭に置いている。

このテストは、特定の加盟店と現実世界でライブ取引を行うパイロットプログラムとなる。ブロックチェーン技術を活用して、DBSがデジタル・シンガポールドルを発行、スマートコントラクト機能を搭載して、目的の定められたマネーバウチャー(クーポン)を作成する予定だ。

クーポン発行者は、指定された受取人へのクーポン配布や利用設定を、自動で実行することができる。

このシステムのメリットとしては、小売店舗を持つ企業などが、クーポン決済を即座に行えることがある。現在、クーポン決済では加盟店が銀行口座への入金を確認するまでに1~2日の処理時間が必要だ。

デジタルクーポンにより、顧客がクーポンを使用して購入する際、銀行との間の決済、回収などのプロセスを即座に行うことができる。これにより、時間とリソースに余裕のない中小企業も、キャッシュフローを増加させ、管理業務にかかる時間を短縮することも可能となる見込みだ。

パイロットテスト(実証実験)は、2022年10月27日から4週間に渡って実施される。最大1,000人の消費者と、人気飲食店Nanyang Old Coffee、Sarnies、Pickleville、The Working Class、The Three Anchoviesを含む6社の加盟店が参加する予定だ。

テストは、DBSがシンガポール政府内の技術チーム「オープン・ガバメント・プロダクツ」と提携して実施するもの。デジタル・シンガポールドル実現を目指して、シンガポール通貨庁/中央銀行が進めているProject Orchidの一環として行われる。

期待される使用例

DBSによると、今回のパイロットテストは、インフレと生活費上昇などへの対策として、シンガポールの家庭にクーポンを配布する際のシナリオで役立つものだ。加盟店のバックエンド処理を減らし、効率性を向上させるとしている。

DBSは、シンガポールの飲食業を対象にパイロットテストを開始することで、将来的にはトークン化したシンガポールドルによりクーポンを発行し、シンガポールの2万8,000のコーヒーショップやレストランなどに恩恵をもたらすことができるとも述べた。

プログラム可能なマネーは、他に、寄付、持続可能な資金調達、不動産取引における譲渡代金など条件付き決済の分野にも活用可能性があると続けている。

オープンガバメントプロダクツのLi Hongyiディレクターは、次のように説明した。

もし今回のプロジェクトが役立つことが確認されれば、おそらくそうしたモデル(顧客がクーポンを利用するたびに、加盟店がデジタル化されたシンガポールドルを即座に受け取ることができるモデル)は、将来、他の政府が行うプログラムにも拡張可能なモデルとなり得るだろう。

私たちは、DBSのような業界パートナーと緊密に協力して実証実験を行い、技術文書を広く共有するつもりだ。

Project Ubinにも参加

DBSはProject Orchidの他にも、同じくシンガポール通貨庁/中央銀行(MAS)が主催するProject Ubinにも参加しているところだ。

Project Ubinは2016年に、MASとシンガポールの金融サービス業界が米大手証券取引所ナスダックなどとも協力して開始したプロジェクト。ブロックチェーン技術の証券決済や清算への応用方法を探求することを目的として発足したが、CBDCによる国際決済実験なども行っている。

CBDCとは

各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。「Central Bank Digital Currency」の略である。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。

▶️仮想通貨用語集

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/23 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ヴィタリック紹介のイーサリアム新ツールやXRPのステーキング導入案など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン売られ過ぎでも反転せず、12月FOMCの据え置きが現実味を増す|bitbankアナリスト寄稿
今週のBTC対円相場は1400万円割れまで下落。ヌビディア好決算後も1400万円割れが続き、米雇用統計の強弱まちまちな内容が見通し悪化を助長。12月FOMCでの金利据え置き観測が強まる。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|金融庁の暗号資産規制方針に高い関心
今週は、金融庁の仮想通貨規制方針、ビットコイン採掘割合の95%到達、ビットコインとイーサリアムの市況分析に関する記事が関心を集めた。
11/22 土曜日
13:45
ANAPホールディングス、企業向けビットコイン戦略支援「ビットコイン道場」を開始
ANAPホールディングスが企業のビットコイン活用を支援する継続型プログラム「ANAPビットコイン道場」の提供を開始した。会計や税務などの実務を専門家が包括的にサポートし、参加企業がコミュニティ形式で課題解決に取り組む仕組みを提供する。
13:02
コンヴァノがビットコイン戦略から本業回帰、AI・ヘルスケア事業に注力へ
コンヴァノが仮想通貨ビットコインを最大約2万BTC取得する計画を取り下げ、成長中の事業へ軸足を移す。業績予想を上方修正しており本業成長を重視する戦略転換となる。
10:55
米当局がビットメイン製品を国家安全保障リスクで調査、トランプ関連企業も1万6000台使用
米国土安全保障省が中国メーカーのビットメインを調査し、機器がスパイ活動や電力網破壊に使用される可能性を指摘。トランプ大統領の息子たちの会社アメリカン・ビットコインも1万6000台を購入した。
10:05
コインベース、ソラナのミームコイン取引所「ベクター」を買収
コインベースがソラナ基盤SocialFiプラットフォーム「ベクター・ファン」を買収すると発表した。年内に取引完了予定で、ソラナエコシステムへの参入を拡大し、すべてを取引できる取引所の構築を目指す。
09:35
ベセント米財務長官、ビットコインバーにサプライズ訪問 仮想通貨業界への影響は
スコット・ベセント米財務長官がビットコインバー「Pubkey DC」を訪問し、仮想通貨コミュニティで話題になっている。業界関係者の反応と今後の影響を解説する。
08:25
NYSEがグレースケールのXRPとドージコインETF承認、25日上場予定
NYSEがグレースケールのドージコインとXRP ETFの上場を承認し、11月25日に取引を開始する。今週はビットワイズのXRP ETFやフィデリティのソラナETFも上場し、アルトコインETF市場が急拡大している。
07:45
「仮想通貨財務企業などの上場後の事業の大幅変更について対応を考える必要」JPXのCEO
日本取引所グループの山道CEOは、ビットコインなどを保有する仮想通貨財務企業への規制強化は現時点では検討していないと説明。一方で、事業の大幅変更については対応を考える必要があるとも述べている。
07:05
個人マイナーがビットコイン採掘に成功、1億8000万分の1の確率を克服
極めて小規模な個人マイナーがわずか6TH/sのパワーでビットコインブロックの採掘に成功し、約26万5000ドル相当を獲得した。確率は1億8000万分の1で、近年最も幸運なソロ採掘となった。
06:25
トム・リー率いるビットマイン、初の配当実施もイーサリアム保有の含み損は6250億円超 
イーサリアム最大の企業保有者ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが11月21日、2025年8月期通期で純利益3億2816万ドルを計上し、大手仮想通貨企業として初めて配当を実施すると発表した。しかしイーサリアム価格下落で含み損は40億ドル超に達している。
06:02
金持ち父さん著者キヨサキ、3.5億円分ビットコインを売却し広告事業投資へ 以前の姿勢から一転
『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏が11月22日、約225万ドル相当のビットコインを売却し、外科センターと看板広告事業に投資すると発表した。以前の「売らずに買い続ける」発言から一転した。
05:45
マイケル・セイラー、指数除外懸念に反論「ストラテジーはファンドではない」
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長は主要株価指数からの除外懸念に対し「我々はファンドではなく上場事業会社だ」と反論した。
11/21 金曜日
17:25
米ビットコインETF、1週間で大規模な資金流出が2回
11月20日、米ビットコイン現物ETFは9億300万ドル(約1,395億円)の純流出を記録し、史上2番目の規模となった。1週間前の記録を更新。ブラックロック、グレースケール、フィデリティの主要3ファンドで流出の大部分を占め、全ETFで純流入ゼロという異例の事態に。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧