CoinPostで今最も読まれています

9月にETHマージに乗じた詐欺で1.7億円の被害=チェイナリシス

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マージ詐欺の増加

暗号資産(仮想通貨)市場全体に影響力を及ぼすような大型イベントは詐欺師にとっても魅力的なようだ。

ブロックチェーン分析企業チェイナリシスが2日に公開したレポートによると、イーサリアム(ETH)が9月15日に迎えた「The Merge(マージ)」に乗じて、複数の詐欺サイトが合計で約1.76億円(120万ドル)を稼いだという。

言わば「マージ詐欺」の主なものは、以下の図のように特定のアドレスに1ETHを送ると、見返りとして2ETHを受け取れるとしてユーザーを勧誘したり、イーサリアムのアップグレードに対応するために特定のアドレスに資金を送金する必要があるとして騙した。

出典:チェイナリシス

マージ詐欺に使用されたウォレットアドレスの集計値によると、9月15日のマージ当日だけで1.33億円(905,000ドル)相当のETHを集めた。同日、イーサリアム上の詐欺サイトの受託総額TOP10のうち8つがマージ詐欺で、トップ5を独占した。

出典:チェイナリシス

複雑なDeFi脆弱性攻撃やブリッジへのハッキングなど新たな手口が連日報じられているが、このデータは古典的な投資信託詐欺が未だに横行していることを示している。

関連:チェイナリシス、仮想通貨分野のハッキング「10月は過去最大規模」

ユーザーの理解不足に漬け込む

チェイナリシスによれば、マージのような業界の変革期は詐欺師にとって混乱や知識不足につけ込む絶好の機会となる。以下のデータは1日に100ドル以上を稼いだ詐欺サイトをまとめており、マージ詐欺が非マージ詐欺よりも成功率が高いことを示している。

出典:チェイナリシス

マージ当日の9月15日に83%の成功率を記録し、マージ前後の数日間では100%となった。チェイナリシスは以下のように述べている。

全体として、このデータは詐欺師がマージに関する理解の不足を利用し、疑うことを知らないユーザーを騙し、搾取したことを示唆している。

さらに、トランザクションの発生地域の分析により、マージ詐欺はよりGDPが比較的高い国々にターゲットを絞ってアレンジされたことが分かっている。

被害が大きい主な国々には、フィンランド、ポーランド、チリ、パナマ、ベトナムがあるが、特に3つのマージ詐欺サイトがフィンランドのみをターゲットとした。

チェイナリシスは、「裕福な国の方がより投資しやすいという前提でターゲットにしていた可能性が高い」と指摘した。

The Mergeとは

イーサリアム・ブロックチェーンのコンセンサス(合意形成)アルゴリズムを「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」から「PoS」へ移行する大型アップグレード。現在のメインネットとコンセンサス形成を担う新しいチェーンを統合(マージ)することで、役割の異なる二つのレイヤーがそれぞれ形を残して連携しながら、一つのイーサリアムを構成する。

▶️仮想通貨用語集

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/10 日曜日
22:56
米国の現物ビットコインETFは過去最高の純流入、相場の先高観は維持を想定|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストが、米大統領選挙後に高騰したビットコイン(BTC)相場を分析。ビットコインETFの過去最高の流入増などから今後の展望を解説した。
13:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ ビットコインATH更新やミームコイン考察レポートなど
暗号資産(仮想通貨)の材料まとめ 前週比の騰落率(11/3〜11/9) ビットコイン(BTC):76,614ドル +10.8% イーサリアム(ETH):2,934ドル +16….
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米大統領選後のBTC相場分析に高い関心
今週は、米大統領選に関連した仮想通貨ビットコインの相場分析、ドナルド・トランプ氏の大統領選勝利、同氏勝利後のビットコイン価格予想に関するニュースが最も関心を集めた。
11/09 土曜日
12:35
米ブロック社、ビットコインマイニング部門の資金強化 7~9月期決算報告
米ブロック社が7~9月期決算を発表。仮想通貨マイニング部門への投資を強化し、音楽配信TIDALなどの投資縮小を表明した。
11:05
米大統領選で人気を博した予測市場ポリマーケット、今後エアドロップの可能性
今回の米大統領選で注目を集めた分散型予測市場「ポリマーケット(Polymarket)」は今後ユーザーへトークンのエアドロップを実施する可能性が浮上した。トランプ新政権の規制緩和が期待されるか。
10:05
テザー社の新事業、70億円規模の中東原油取引に資金提供 
ステーブルコインUSDT提供のテザー社が中東での原油取引に約70億円の資金提供。貿易金融事業への参入で新たな収益源を開拓している。
08:20
バイナンス、GRASSやDRIFTの永久先物取引提供 価格高騰
大手仮想通貨取引所バイナンスは8日23時ごろ、3銘柄の新規永久先物取引を提供開始した。対象となったのは、GRASS、DRIFT、SWELL。
07:30
仮想通貨取引所ビットバンク、投資子会社を設立
仮想通貨取引所ビットバンクは、投資活動を行う完全子会社Bitbank Venturesを設立。マネーのインターネット化を促進して、日本と世界の架け橋になるとしている。
07:00
イーサリアム財団が財務開示、資産の8割をETHで保有
イーサリアム財団は8日、2024年10月31日時点の財務状況を公表した。財団の資産総額は約9億7000万ドルで、そのうち7億8870万ドルが仮想通貨、1億8150万ドルが非仮想通貨(現金など)だった。
06:30
FOMC利下げが追い風、ビットコインが初めて77000ドル超え
仮想通貨ビットコインは日本時間9日4時30分ごろに史上最高値を更新し、77,312ドル(約1,180万円)に到達した。
11/08 金曜日
18:00
仮想通貨取引所を利用できる年齢は?
2022年の法改正で18歳から利用できる暗号資産(仮想通貨)取引所が増加。未成年が安全に仮想通貨投資を始めるための基礎知識と注意点を解説します。
15:45
ソラナのリキッドステーキング大手Jito、10月のDeFi収益ランキングでトップに
ソラナの大手リキッドステーキングJitoは、10月に手数料として過去最高となる7,892万ドルの収益を上げ、LidoやUniswapなど分散型金融大手の収益を上回った。
13:30
イタリア、仮想通貨キャピタルゲインへの42%課税案を見直しか
イタリアの経済財務大臣がビットコインなど仮想通貨への増税案見直しを示唆。党内からも、戦略的な資産クラスになり得ると反対意見が上がっていた。
13:20
トランプ新政権、SEC委員長候補を物色 ロビンフッドCLOが有力に
アメリカの次期SEC委員長候補として、ロビンフッドのダン・ギャラガー氏や元SEC委員のポール・アトキンス氏が浮上し、トランプ政権下での規制緩和が期待されている。
10:35
イーサリアム、新テストネット「Mekong」をローンチ
仮想通貨イーサリアムは、次期大型アップグレードPectraのためのテストネットMekongをローンチ。イーサリアム財団がローンチの目的を説明している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧