- 仮想通貨市場
- 仮想通貨市場は、市場全体の時価総額を4.75兆円相当失うほどの8日以降の急下落が一服。ビットコイン価格は若干落ち着きを取り戻し、底を確認しつつテザーのファンダ要因などを契機に上昇に転じている。またカナダの仮想通貨ファンドは、ビットコインの6000ドルを重要サポートラインと見ており、ポートフォリオの大半を現金にして保有、待機している模様だ。
仮想通貨市場
仮想通貨市場は、市場全体の時価総額を4.75兆円相当失うほどの8日以降の急下落が一服。ビットコイン価格は若干落ち着きを取り戻し、底を確認しつつテザーのファンダ要因などを契機に上昇に転じています。
一時68万を割り込んでいたビットコイン価格は、本日72万円までリバウンドするなど、値を戻しつつあります。
アルトコイン市場は、BTCの値動きに影響されることはなく、依然地合いの悪い展開は継続しており、その状況がドミナンスの推移に現れています。
8月8日に、全体の時価総額は2018年最低水準(年初来安値)を更新したのを機に、暴落に歯止めが掛からなくなる懸念があったため、一時的でも相場の下落が止まったことは、市場参入者にとって歓迎すべき状況であると言えるでしょう。
ファンダ要因として、下落の発端となったビットコインETFの延期後、大きな下落材料が見られないことから、テクニカルやチャートによる側面が強く影響していた相場であったことが言えますが、予想以上の急落となったことで、投資家心理に悪影響が出ていることは否めません。
また、本日複数の海外報道メディアによって明らかになったテザー社が5000万ドル(55億円)相当のUSDTを発行したことが、価格上昇を支えるファンダメンタルズ要因の一つになったと考えられ、3月以来の大量発行のニュースが市場に注目されました。
テザー社は、6月に第三者の、USDTの米ドル裏付けに関する報告書の発表により、以前より疑問視されていた発行数に対する裏付け金の疑念は、多少解消されたことも、よりUSDT発行による上昇期待の側面を後押ししたと考えられます。
このUSDTは、裏付け資金がある設計から価格が安定するステーブルコインの一種ですが、ボーダーレスで取引される仮想通貨市場の中で、自国通貨が安定しない新興国から需要が拡大している側面があります。
昨日、米ドルに対し大きく下落したトルコの通貨リラ、トルコ国内でもこの自国通貨の変動に影響して、トルコ国内取引所からの取引量が100%上昇したことが報告されています。
カナダの仮想通貨ファンドは、BTC価格は6000ドル水準が要と見る
カナダに本社を置く仮想通貨ファンド会社Rivemont Crypto Fundは、公式Facebook上で、BTCには6000ドル水準が要となると、語りました。
なぜ6000ドルなのか
Rivemont Crypto Fundが6000ドルを重要視する理由は、以下の通りです。
2018年の第2四半期において、BTCの相場は大半6000ドル~7000ドルの水準で上下しており、6000ドルを下値サポートラインとする状況が多々見られました。
先週、VanEck版ETFが延期されたことにより、売りに相場が偏り、数週間前の一時的な上昇トレンドを覆して推移、市場は、ビットコインETFの可否(VanEck版は一時判決予定日が9月30日)、もしくは他に何かの大きな発表を慎重に待機している模様です。(しかし、ICEが発表したBakktという「今年最大のニュース」はファンドとして不発でした)
Rivemont社も、同じように慎重に状況を見極めているグループのうちの一人です。
現状での、同社のポートフォリオでは、BTCへ19.4%、ETHへ8.4%という投資配分となっていることが分かり、その多くはフィアットで保有、待機していることがわかります。
過去2週間の下落を経ても、6000ドルがトレンド転換にとって強いサポートラインとなるか否かは未知数ではありますが、上昇や下落もこれらの水準で決まると考えられます。
なお、低迷する仮想通貨相場に逆行するように、2017年を上回るペースで増加していることが、Crypto Fund Researchのレポートで明らかになっており、今後このようなファンドの動きがより活発になる可能性が指摘されています。
仮想通貨(ブロックチェーン)関連株
株式市場は、トルコショックで、日経平均株価が一時440円安の全面安に。
トルコとの関係性悪化を理由にアメリカが追加関税の引き上げなど報復制裁を表明したことで、トルコの通貨「リラ」が暴落。貸出債券などを有する欧州金融機関の財務への悪影響が懸念されており、クレディ・スイス等が主導し、日経先物を大幅に売り越している模様です。
仮想通貨(ブロックチェーン)関連株も全面安。マネックスグループ(8698)が、コインチェック買収及び好決算で噴き上げた4月以来となる終値400円台まで続落したほか、仮想通貨取引所を運営するSBIホールディングス(8473)やGMO(9449)も3〜4%ほど続落。
その一方、19年3月期第1四半期の経常利益34.9%増益など、市場コンセンサスを大幅に上回る決算を発表したULSグループ(3798)は、7.68%高と逆行高を見せています。
リスクオフに備えた立ち回りを
このような不安定な相場では、損切りが重要で、信用維持率が低いままだと危険です。
現金比率を高めるなどポジションの見直しと再構築を行いつつ、下げ相場で利益を取れる「空売り」や、「インバース型ETF」の購入などで、リスクヘッジを徹底していきましょう。
有望視されている仮想通貨(ブロックチェーン)関連株の最新情報は、以下の記事でまとめているので参考にどうぞ。