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米サークル社、SPAC上場計画を解消へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

上場目標は変わらず

米ドル連動型ステーブルコイン「USDコイン(USDC)」を提供する米サークル社(Circle)は5日、特別目的買収会社(SPAC)のConcord Acquisition Corpと合併してニューヨーク証券取引所に上場する計画の解消を発表した。

この計画についての合併案は、2021年7月に発表され、2022年2月に修正されていた。修正条項は、もし米証券取引委員会(SEC)が合併に関する登録届出書を有効とした場合、合併期日を2022年12月10日から2023年1月31日まで延長する株主投票を求めることができるとしていた。

しかし、SECは現時点でこの登録届出書を有効と認めておらず、両社は取引契約の期限内に合併を完了しなかった。両社は契約の解消が相互的だったと説明している。

一方で、サークル社は上場自体を諦めたわけではなく、サークル社のJeremy Allaire CEOは、次のようにコメントした。

提案された取引が時間切れになったことは残念だが、信頼性と透明性を高めることは、これまで以上に重要となっており、そのため上場企業になることは当社の基本戦略の一部であり続ける。

また、「Concord社のチームによるアドバイスとサポートは、今後も当社に恩恵をもたらすだろう」とも述べた。これに関しては、Concord社のBob Diamond会長も「サークル社が成長を続ける中で、引き続き支援していく」と話しており、引き続き協力関係を保つことを示唆している。

米サークル社は、業績について「2022年第3四半期(7~9月)に収益と準備金金利収入の合計が約374億円(2億7,400万ドル)、純利益が約59億円(4,300万ドル)となり、黒字化した」と述べた。また、同期には約546億円(4億ドル)近い、使途を特定されていない現金残高を残しているとも説明している。

SPAC(特別買収目的会社)とは

SPAC(特別買収目的会社)は、「Special Purpose Acquisition Company」の略で、その企業自体は事業をもたず、未上場企業の買収を行うことを目的とする。

先にSPACが上場し、その後にターゲットとなる企業を買収し、結果的に買収先の企業が上場を果たす仕組みである。正式な審査を経ずに企業が上場できたが、最近では規制当局の監視が強化されている傾向がある。

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サークル社CEOのコメント

また、AllaireCEOは、SECの姿勢について次のように述べている。

私の見方では、SECはサークル社のビジネスと、この業界の多くの新たな側面を理解しようとするにあたって、厳格かつ徹底的であったと思う。こうした審査は、最終的に仮想通貨業界の主要な企業に信頼性、透明性、説明責任を提供するために必要だ。

また、「仮想通貨とブロックチェーンの業界には多くの課題がある」が、今後、「投機的価値の段階を離れて、実用的価値の段階に入る」ことを強く信じていると述べ、その際には、「USDCのようなステーブルコインが大きな役割を果たすだろう」とも続けた。

透明性を強調

サークル社は11月17日、FTX破綻を受けてブログ記事を投稿したばかり。市場の混乱が生じた後、11月16日時点でUSDCの流通量は一週間で約4%増加しており、USDCの透明性が市場で評価されていることを示すと述べていた。

USDCは常に1対1で米ドルと交換可能で、USDCの準備金は、約80%がニューヨークメロン銀行で保管されている短期米国債、約20%が現金で構成されていると説明。現金は信頼できる8つの提携銀行で、サークル社の事業とは完全に分別して保管されているなど、安全性を強調した。

関連:仮想通貨市場に激震、アラメダショックとFTX騒動の動向まとめ

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