はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米議員ら、新たに提出した仮想通貨規制法案でKYC要件を拡大 業界は猛反発

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨のマネロン利用防止

 

暗号資産(仮想通貨)懐疑派として知られるエリザベス・ウォーレン米上院議員(民主党)は14日、ロジャー・マーシャル議員(共和党)と連名で、「デジタル資産マネロン防止法案」を議会に提出した。

無法国家、オリガルヒ、麻薬密売組織の大物は、仮想通貨を利用して数十億ドルを洗浄し、制裁を回避し、テロに資金を供給している。この超党派の法案は、仮想通貨によるマネーロンダリングの抜け穴を塞ぎ、我々の国家の安全を保護するために、良識のある規則を整備するものである。

法案提出が発表されたのは、破綻したFTXに関する米上院銀行委員会の公聴会。「クリプト崩壊:FTXバブル崩壊の理由と消費者への被害 」というテーマで開催された公聴会は、仮想通貨批判と規制整備を求める声が溢れたようだ。

そのような機運高まる中で提出された同法案は、現在、銀行秘密法の下、銀行やブローカー、送金業者などに課されている顧客確認(KYC)ルールを仮想通貨業界全体に適用することを意図している。KYC要件の対象は、分散型ネットワークのソフトウェア開発者をはじめ、ネットワークをサポートするマイナーやバリデータ、取引を検証するノード、ウォレットプロバイダにまで拡大される。

法案は、米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)に、これらのネットワーク参加者を「マネーサービス業」として扱うことを求めており、実現すると、KYC及びマネロン防止要件を課すことが可能になる。セルフカストディ型のウォレットも例外ではなく、銀行に仮想通貨取引の記録保持を義務付けることになる。仮想通貨ATMの所有者にも報告義務が生じる。

さらに、法案では金融機関による仮想通貨ミキサーの利用や、プライバシーコインなど匿名性を高める技術の使用が禁止される。

仮想通貨ミキサー

仮想通貨ミキサーは、様々な取引を混ぜ合わせることで、仮想通貨の出所、送金先、カウンターパーティを難読化するサービス。プライバシー保護が目的だが、不正行為に利用されたケースも数多く報告されている。/p>

▶️仮想通貨用語集

高まる批判の声

仮想通貨の自由を極度に制限するこの法案に対して、すぐさま業界から批判の声が上がっている。

仮想通貨政策推進団体Coin CenterのNeeraj Agrawalコミュニケーションディレクターは以下のようなツイートを投稿。

デジタル資産マネロン防止法は、仮想通貨のセルフカストディ、開発者、ノード運営者に対する機会に便乗した違憲攻撃だ。 この法案では、次なるFTXを防ぐものは何もない。それどころか、ユーザーをより危険にさらすことになる。

また同団体のPeter Van Valkenburghリサーチディレクターも厳しい口調で法案を批判した。

ウォーレン上院議員とマーシャル上院議員の提案したソフトウェア開発者とノードをAMLの対象とする法案は、「自由主義の価値観を否定するものであり、ウラジミール・プーチン、習近平、金正恩などの権威主義者が称賛するタイプの監視とコントロールに向かうものだ」

Valkenburgh氏は、ブログでウォーレン議員らの提出した法案が「技術の進歩に対する直接的な攻撃であり、また個人のプライバシーと自律性に対する直接的な攻撃でもある。」と強く非難している。

仮想通貨擁護派の議員も例外ではない。FTXの崩壊を仮想通貨の制限に結びつけようとする動きを牽制している。

FTXの崩壊は仮想通貨を告訴するものではない。顧客資産を悪用した者たちに対する告訴である。
私が何ヶ月も前から言っているように、議会は、慎重で賢明で、うまく規制された米国の仮想通貨取引所にビジネスが流入するように、規制を明確にする必要があるのだ。

パット・トゥミー上院議員

超党派で仮想通貨規制案を提出したシンシア・ルミス議員も14日の公聴会で、「仮想通貨が裁判にかけられているのではなく、詐欺行為とその組織が裁判にかけられているのだ」と指摘。FTX崩壊に関する公聴会が議題を混同していると批判し、仮想通貨と「昔ながらの詐欺行為」を働いたFTXという組織とは、分けて考えるべきだと強調した。

CoinPost App DL
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
03/23 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、トランプ演説の失望売りでBTC50万円下落やXRP現物ETFのローンチ予測など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|リップル社CEOの対SEC裁判終結宣言に高い関心
今週は、スタンダードチャータードによる仮想通貨イーサリアムの価格予測の下方修正、リップル社CEOによる対SEC裁判終結宣言、トランプ大統領のカンファレンスでの発言に関するニュースが最も関心を集めた。
03/22 土曜日
13:40
豪政府、仮想通貨のイノベーション促進政策へ 4つの計画を発表
オーストラリア財務省が仮想通貨を含むデジタル資産のイノベーション促進策を発表した。取引所規制やステーブルコイン枠組みなど4つの戦略で世界的リーダーを目指す。
13:05
トランプ大統領のサックス特命官、UAE高官と仮想通貨・AI投資協力を協議
米ホワイトハウスのサックス特命官がUAEタヌーン氏と会談。AI、仮想通貨、技術投資について協議し、「スターゲート」プロジェクトへの70億ドル投資準備が報じられた。両国の技術・経済分野での協力強化へ。
11:25
日本の物価3%高騰、仮想通貨市場に与える影響も
2月の日本インフレ率が3%に達し、日銀追加利上げ観測が強まる中、仮想通貨市場への影響が懸念される。米国の2022年インフレ時のFRB利上げがもたらした仮想通貨ベア相場の教訓から、投資家の警戒感が高まっている。
10:40
「関税と決算発表が仮想通貨市場の鍵」米コインベース週次レポート
米コインベースの最新レポートが仮想通貨市場の現状と見通しを示す。世界貿易政策の不確実性と決算発表の影響、さらに増加する機関投資家の仮想通貨投資意欲を解説している。
09:45
MegaETH、毎秒2万取引を処理可能なパブリックテストネット開始
イーサリアムスケーリングの新アプローチ「MegaETH」がパブリックテストネットを開始。10ミリ秒ブロックタイムと2万TPSを実現し、最終的には10万TPSを目指す。
08:40
バイナンス、22銘柄の上場廃止投票を開始
仮想通貨取引所バイナンスは、コミュニティ共同ガバナンスメカニズムによる上場廃止投票の第1回を開始。ジャスミー、ジーキャッシュ、FTXトークンなど22のデジタル資産が対象となっている。
07:55
コインベース、デリビット買収交渉が最終段階に
Deribitを買収へ 米仮想通貨取引所大手コインベースが、ビットコインとイーサリウムのオプション取引で世界最大のデリビット(Deribit)の買収交渉を進めていると、ブルーム…
07:25
「3600万超のアルトコインがビットコインの地位を強化」アナリスト考察
仮想通貨ビットコインアナリストJesse Myers氏が「アルトシーズンが永久にキャンセルされた」と主張。3600万超のアルトコインの出現がビットコインのドミナンスを強化する3つの理由と「キャッチ22」パラドックスを解説。
06:25
ストラテジー社、ビットコイン追加購入のため調達額を1000億円に引き上げ
仮想通貨ビットコイン追加購入のために、ストラテジー社は優先株発行規模を当初計画から45%増の7億2250万ドルに引き上げた。
06:02
米SECの仮想通貨タスクフォース始動、規制アプローチの転換点に
米SECが初の仮想通貨タスクフォース円卓会議を開催した。ゲンスラー時代の「執行による規制」からの脱却を図り、パース委員主導で新たな規制枠組みを模索していく。
03/21 金曜日
17:11
GMOコイン、ステーキングの報酬率向上とソラナなど手数料半額キャンペーン発表
GMOコインがポルカドット、コスモス、ソラナのステーキング報酬率を大幅に向上。最大で前年比2倍超の報酬率を実現し、2025年4月には手数料半額キャンペーンを実施。暗号資産保有だけで効率的に報酬を得る。
16:18
SBI北尾会長が語る仮想通貨市場の未来と戦略|FIN/SUM2025
SBIホールディングス会長がFIN/SUMで野心的成長目標を発表した。「今世紀最大の革新的技術はブロックチェーン」と断言し、急成長する仮想通貨市場を背景にデジタルスペース戦略を展開する。リップル(XRP)と提携する中、今後の展望を示した。
13:50
ストラテジーのセイラー会長が語る「ビットコインの21の真実」とは
ストラテジー社会長マイケル・セイラーがデジタル資産サミットで語った『ビットコインの21の真実』を詳説した。イデオロギー、デジタル商品、エネルギーネットワークに始まり、「新たな太陽系」としての見解など、セイラー氏のビットコイン観は果てしなく大きい。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧