オープンなインターネットの構築へ
L1ブロックチェーン「The Open Network(TON)」をサポートする「TON Foundation」は4日、ファイル共有やデータ保存のためのソリューション「TON Storage」をローンチしたことを発表した。
TON StorageはTONのブロックチェーンを活用し、分散型のネットワーク上でデータを暗号化してやりとりが行われる。事実上、永久にデータが保存されるような仕組みにするために、スマートコントラクトを活用して、ノードの運営にインセンティブを導入した。
スマートコントラクトとは
あらかじめプログラムされた条件に応じて、自動的に契約を執行する仕組みや技術を指す。イーサリアム(ETH)などのブロックチェーンに機能が実装されており、各種契約等の効率性向上やコスト削減につながると期待されている技術。
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TONはメッセージアプリ「テレグラム」が最初に設計したブロックチェーン。
2020年5月には、未登録有価証券の販売にあたるとして米SEC(証券取引委員会)に提訴され開発中止を余儀なくされたが、その後TON Foundationに引き継がれ、現在は開発者のオープンコミュニティがプロジェクトを主導している。
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これまでも分散型のストレージサービスはあったが、データを保存したりしてネットワークに貢献するノードにインセンティブがないものが存在している。TON Storageはこの課題を解決するために、ノードが報酬を得られる仕組みを導入した。
TON Storageの仕組みは、まずユーザーがファイルを保存。この時にユーザーは事前に決められて保存期間に応じて、暗号資産(仮想通貨)「Toncoin(TON)」で固定の金額を支払う。この支払いからノード運営者が報酬を受け取ることが可能で、ノードは誰でも運営できるようにした。
TON Foundationの創設メンバーであるAnatoly Makosov氏は、今回の発表で以下のようにコメントしている。
信頼性の高い分散型のストレージソリューションを提供することは、「分散型のオープンなインターネットを構築する」という我々のビジョンを達成するための1つのステップだ。
これからコミュニティが、この技術を使ってどのようなプロダクトを作るのか楽しみしている。
他の技術と連携
上述したようにTON Foundationは、オープンなインターネットを構築することを目指している。この目的を達成するためのソリューションの1つがTON Storage。TON Storageは、以下の2つのサービスと合わせて活用することができる。
- TON Sites:TONブロックチェーン上のウェブサイト
- TON DNS:分散型のドメインネームシステム
これらの技術を組み合わせて使用することで、ユーザーは固定のIPアドレスや中央集権的なサーバーがなくても、ウェブサイトを構築できるという。