日本の仮想通貨事業
米拠点の大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは、日本事業の大半を終了する計画であることがわかった。
本内容は、同社の事業開発・国際部門の幹部ナナ・ムルゲサン氏にインタビューを行ったブルームバーグが11日に報道。事業終了の理由は、デジタル資産領域の不況に伴い、国際的な投資を見直すためだという。
ムルゲサン氏は、日本事業の合併や買収についてはコメントは控えると説明。事業の見直しがどのくらいの日本の従業員に影響するかも明言せず、顧客資産の安全確保のため少数の従業員は残るだけと話している。
今後については、現在日本の金融庁と話し合いを行なっており、次の段階を考えているとした。
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コインベース全体で人員削減
コインベースのブライアン・アームストロングCEOは10日、従業員に伝達した情報を一般公開した。その冒頭で2022年は、マクロ経済の状況が広範囲に影響したことで、仮想通貨市場が低迷したと説明している。
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また2022年は、不誠実な企業や人物が業界から消えた年でもあると指摘。そして、この影響はこれからも残る可能性があるとの見方を示した。
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一方で、コインベースは資金が十分にあり、仮想通貨自体がなくなってしまうわけではないと説明。大手の競合企業が減ったり、規制が整備されたりするという最近の動向は、長期的にはコインベースにとっては追い風になると述べた。
ただし、その追い風の恩恵を受けるには時間がかかるとの見方を示した。そのため、リストラ費用など一部を除く運営コストを22年4Q(10月から12月)比で25%削減すると説明。その一環として、コインベース全体の20%に相当する約950人を、新たに人員削減する方針を明かしている。
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人員削減についてアームストロング氏は「成功の可能性が相対的に低いプロジェクトは終了することになるだろう」と説明していた。
なお、ムルゲサン氏は、グローバルに事業を展開するという同社の方針に変更はないとしている。
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