CoinPostで今最も読まれています

「相場回復はV字型ではなくU字型」Bitwiseが2023年の仮想通貨業界を予測 

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

市場の回復を予測

米暗号資産(仮想通貨)投資企業Bitwiseは11日、投資家向けの書簡で2023年の仮想通貨市場に関する10大予測を発表した。

過去最大級の弱気相場を経て市場の回復は容易ではないが、最終的にコロナ・ショックの時のような「V字型」ではなく「U字型」の回復を見せ、次の強気相場は過去最大のものになるだろうと述べた。

仮想通貨市場は歴史的に、3年の上昇期と1年の調整期という4年周期で動いており、2022年はそのパターンに合致しているとBitwiseは指摘。2023年は市場が回復基調に向かうと考えているという。ビットコインの半減期もちょうど4年に1度である。

同社は、イーサリアムのマージやスケーリング技術の向上など、技術面での着実な進歩を市場回復の根拠として挙げる一方で、マウントゴックス(Mt.Gox)の弁済の一環で大量のビットコイン(127,000BTC)の行方やマイニング業界の苦境など、さらなるリスクに言及。市場の回復は次の強気局面までは一定期間、横ばいで推移する「U字型」のパターンとなると予測した。

マウントゴックスとは

2010年から2014年にかけて運営された、東京を拠点とする仮想通貨取引所。ハッキング被害によって閉鎖しており、これをきっかけにして、取引所がハッキングされたり、誤送信などで仮想通貨を失ったりすることを「GOXする(ゴックスする)」と呼ぶ慣習が生まれた。

▶️仮想通貨用語集

関連:マウントゴックス、債権者の弁済期限日などを延長

高速かつ安価な取引実現へ

Bitwiseは、当初から仮想通貨に期待されていた「高速化つ安価な取引」が、2023年には現実となると予測。計画されているイーサリアムのアップグレード(EIP4844)と、レイヤー2ソリューションの進歩により、イーサリアムの低金取引コストが1,000%以上削減されることになるとみている。

レイヤー2(L2) (セカンドレイヤー)

レイヤー2とは、「2層目」のブロックチェーンのこと。取引履歴の一部をオフチェーンやサイドチェーンに記載するようにすることでメインチェーンへの負荷軽減や処理速度向上を期待することができる。

▶️仮想通貨用語集

取引コストが、0.1円以下のレベルに達する意味はとても大きいとBitwiseは指摘。仮想通貨ネットワークがVisaなどの決済より優位になるだけでなく、ゲームやソーシャルネットワークなど金融取引以外の用途が広がるという。例えば、投稿費用がほぼ無料になった場合、安全で公平、公正な「分散型のツイッター」が実現する可能性もある。

Bitwiseは、すでにこのコンセプトに取り組んでいるプラットフォームもあるが、市場はまだ、その重要性を認識していないと指摘。2023年には仮想通貨市場を刷新し、今後数年間で、世界を再形成することになると主張した。

イーサリアム関連の予測

Bitwiseはイーサリアムに関して以下の2つを予測した。

  • 「上海アップグレード」後、ステーキングされるETHの量が50%以上増加する
  • ETHの流通総量が1%減少し、デフレとなる

今年3月頃の実施が見込まれている、イーサリアムの時期アップグレード「Shanghai」(上海)ではステーキングされたETHの引き出しが可能になる。Bitwiseは、ステーキングの解除が可能になることで、これまで無期限のロックアップ期間に躊躇して傍観していた投資家が、一気に利回りを稼ぐためにステーキングを始めるだろうと予測。その割合が「爆発的に増える」と主張している。

関連:3月予定の上海アップグレード、イーサリアム市場に与える影響は?

また、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)以降後、ETHの流通供給量は年率0.011%の増加とほぼ横ばいだったが、今年はイーサリアムネットワークへのアクセスが大幅に増えるとBitwiseは予想。バーン(焼却)されるETHが増加するため、ETHの流通総量が1%以上減少することになると主張した。

バーン(焼却)

バーンとは、仮想通貨の供給量を減らす仕組みで、株式の「自社株買い」に類似している。

▶️仮想通貨用語集

その他の予測

Bitwiseはその他、以下のような予測を発表している。

  • 暴落している米仮想通貨取引所コインベースの時価総額(株価)が、2022年末水準から2倍以上反発する
  • 仮想通貨と株式の正の相関は急低下し、+0.5を下回る(マクロ要因の影響が弱まる)
  • 米国で少なくとも1つの仮想通貨法案が可決成立する
  • USDCの市場シェアがUSDTを超える:投資家が透明性と健全な規制を重視
  • 第4四半期に分散型取引所Uniswapの取引量がコインベースを上回る(中央集権型取引所からの脱却)
  • 仮想通貨ユニコーン企業の経営破綻も起こり得る

さらにBitwiseは、2023年にブロックチェーンが果たす新たな役割として、「ビッグテック関連問題の解決策」となることを付け加えた。

現在、メタやアップル、ツイッターなどのビッグテックは「独占的な支配力」を持ち、ユーザーの利益が優先されていないと同社は指摘。一方、ブロックチェーン技術によって、企業ではなくユーザーに恩恵を与えるネットワーク作りが可能になると主張している。

例えば、誰でもアクセス可能だが、個人や企業、国家でさえもその動作方法を変更できないイーサリアムネットワークは「最初の公共コンピュータ」とも考えられる。その仕組みはフェイスブックなどとは対照的で、インターネットに近いと説明した。

このようなポジティブな側面を押し進めることで、仮想通貨に懐疑的な人々が応援したくなるような、新たなストーリー作りが重要だとBitwiseは強調した。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/18 木曜日
17:05
Flare Network、PFP NFT生成AIサービスの一部機能を公開
Flare Network(フレアネットワーク)はデータに特化したブロックチェーンとしてAIを強化。Atrivと提携してコードなしでNFTを生成するプラットフォームを提供。このプラットフォームは、デジタルアートの取引と集大成を容易にし、安全なクロスチェーン取引をサポートする予定。
17:00
ビットコインの新トークン標準「Runes」が注目される理由
仮想通貨 ビットコイン新たな代替トークン基準「Runes」にコミュニティの注目と期待が集まっている。ビットコイン版NFTの発行を可能にしたOrdinalsの開発者が、設計した新たなプロトコルで、ビットコインの半減期に合わせてローンチされる。
16:25
ソラナのDEX「Drift」、18万ユーザーに1億トークンのエアドロップ実施へ
ソラナのDEXプロトコル、Driftが1億トークンのエアドロップを実施予定。取引量200億ドル超のプラットフォームで、ユーザー活動に基づくトークン配布が行われる。新たな暗号資産(仮想通貨)DRIFTの詳細を解説。
15:00
コンサル大手EY、イーサリアム基盤の契約管理サービスを立ち上げ
世界四大会計事務所の一つ、アーンスト・アンド・ヤングは、ブロックチェーン技術を活用した企業契約管理ソリューション「EY OpsChain Contract Manager」の立ち上げを発表した。
14:00
「ビットコイン半減期は年単位で見れば価格に大きなインパクト」Bitwise分析
Bitwiseは今後の価格についてビットコイン半減期の長期的な影響は過小評価されていると述べた。一方、ゴールドマン・サックスはマクロ経済情況も重要と分析している。
12:00
RWA分散型金融Centrifuge、23億円調達
Centrifugeは新たな資金を利用し、Baseチェーン上に構築され、Coinbase Verificationと統合されたRWA向けの機関投資家グレードの融資市場の構築に取り組んでいく。
10:50
分散型決済Slash Payment、エアドロップ第一弾の詳細発表
仮想通貨決済サービス「Slash Payments」は、独自トークンSVLエアドロップ第一弾の詳細を発表した.。SlashのNFT保有者などが対象となる。
08:15
Roninチェーンが初のWeb2ゲームIP導入、韓国の「Ragnarok」
「Ragnarok: Monster World」は、Ragnarokが出すWeb3戦略ゲームで、タワーディフェンスとモンスター収集の要素を組み合わせたこのゲームだ。プレイヤーは「Ragmons」を集めたり、PvPモードで戦ったり、ギルドを作ったりできる。
07:15
「4月末までにブラックロックのビットコインETFがGBTCを追い抜く可能性」アナリスト予想
仮想通貨ビットコインのETFについて、4月末までにはブラックロックのIBITがGBTCを追い抜くとブルームバーグのアナリストが予想。両ETFの差は確実に狭まってきている。
06:30
ワールドコイン、独自のレイヤー2「World Chain」発表
ワールドIDを持ち人間であることが確認されたユーザーは、ボットよりも優先的に仮想通貨のブロックスペースを利用でき、無料のガスも利用できる。
06:00
TikTok関連企業BytePlus、Suiブロックチェーンを採用
BytePlusとの提携のほか、Sui財団がリアル・ワールド・アート・トークン化(RWArt)の先駆である「Artfi」に投資を行ったことも発表された。
04/17 水曜日
17:30
Polyhedra Networkがグーグル・クラウドと提携 ゼロ知識インフラ「Proof Cloud」を発表
Polyhedra NetworkがGoogle Cloudと提携し、ZK-as-a-service「Proof Cloud」を発表。ゼロ知識証明の生成を簡略化し、個別要件に最適なインフラストラクチャを提供する。Google Cloudは、AIの品質管理に関する機械学習機能を強化するため、ゼロ知識技術を活用するためにPolyhedraと協力する方針だ。
17:29
HashPalette『THE LAND エルフの森』と『EXPO 2025 デジタルウォレット』のコラボ企画発表
メタバース型ファーミングブロックチェーンゲーム『THE LAND エルフの森』と『EXPO 2025 デジタルウォレット』のコラボ企画が2024年4月24日に開始。特別な釣りイベントで万博チケットを獲得するチャンス!NFT関連事業を手掛けるHashPaletteが開催。
16:16
コインチェックTVCMを5月に放映開始、稲垣吾郎と鈴木もぐら出演
コインチェックが新CM「コインチェッくん篇」を、半減期後となる2024年5月から放映開始。稲垣吾郎と鈴木もぐらが出演。暗号資産(仮想通貨)「ビットコイン買うならコインチェック」と訴求する。過去のCMからの一貫性にも注目だ。
12:18
ビットコイン推移は正念場、足元のETF需要は伸び悩む
イランとイスラエルを巡る中東情勢不安が株やビットコイン市場に重くのし掛かる中、6万ドルのサポートライン上で際どく推移するBTC価格。ビットコインETFへの資金流入は、過去4週間にわたって減少傾向にある。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧