はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

昨年8月高値到達のビットコイン、市場心理悪化には来週も要警戒|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週 2/1(土)〜2/17(金)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

2/1(土)〜2/17(金)の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は反発し、300万円を回復。ドル建てでは一時、昨年8月高値(25,200ドル≒338万円)にワンタッチした。

先週の米証券取引委員会(SEC)とクラーケンの和解に続き、ステーブルコインを発行するパクソスに対してSECが訴訟準備をしているとの報道を受け、290万円周辺で上値を重くしたBTCだったが、週明けのドージコイン(DOGE)相場の上昇を受けて290万円回復をうかがった。

一方、同日にはNY金融サービス局がパクソスにバイナンスUSD(BUSD)の発行停止命令を出したことで、BNBを筆頭にアルトコインが売られ、BTCも上値を圧迫された。

14日には、インフレ減速ペース鈍化が懸念される中、1月の米消費者物価指数(CPI)が発表され、前年比で市場の予想を上回ったことで、BTC相場は一時下値を試す展開となったが、米株の上昇や、ジョージ・ソロスのファンドが仮想通貨関連企業へのエクスポージャーを増やしていたことがSECへの提出書類で明らかとなり、BTC相場は反転上昇。

さらに、SECがあるとコインへの規制を強める中で、同委員会から唯一「商品」として認定されているBTCへ資金を逃避させる動きや、ビットコインNFTプロジェクト、Ordinals(オーディナルズ)の影響で少額のBTCを保有するアドレスが増加していることが好感され、相場は300万円を回復。

15日米時間にはショートの清算を伴って上値を追う展開となり、330万円にタッチした。

16日米時間には、1月の米生産者物価指数(PPI)が市場予想を上回ったことで、一時はやや上値を重くする場面もあったが、安寄りした米株が下げ幅を縮小するのを追い風に338万円にワンタッチ。

しかし、これによりドル建てで昨年8月高値にタッチすると、目標達成感から上昇一服となり、その後は米長期金利の上昇が相場の重石となり反落。さらに、2021年にバイナンスUSから537億円もの資金が、CZの経営するトレーディングファームに送金されていたことをロイターが報じ、相場は下げ足を速めた。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成

想定通り米CPIは減速ペースが鈍化したが、BTC相場は想定外の値動きを演じた。

ただ、2ヶ月ぶりの高水準に戻ってきた米長期金利に上値を圧迫され、水曜日の上昇はブルトラップとなった格好だ。SECが業界への取り締まりを加速させる中、ビットコインは俄かにドミナンスを回復させたが、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを6月まで継続させるとの観測が台頭する中で、BTCの上値余地は限定されよう。

一方、今週でFF金利先物市場の金利見通しにはかなりの修正が入った。昨年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の見通しよりも楽観的な観測を維持していた市場だが、16日時点での大勢の見通しは、昨年12月のFOMCよりもタカ派的なものとなっている。

こうした中で来週は1月FOMCの議事要旨が公開される訳だが、インフレ指標の高止まりや、ウィリアムズNY地区連銀総裁が5.5%までの利上げ余地を示したことで、ある程度のサプライズには耐えられると見ている。

元より、1月のFOMC声明やパウエル議長の記者会見はこれまでと比較するとハト派的な内容だったことから、来週の議事要旨は無難に通過できるだろう。

【第2図:米政策金利誘導目標レンジ上限、FOMCと先物市場の見通し】
出所:FRED、fedwatchより作成

他方、SECの規制をめぐっては、本日もTerra・Lunaのドゥ・クォン氏の追訴が報じられるなど、来週も引き続き警戒が必要だ。

アルトコインへの規制はビットコインとは確かに直接的な関係がないとも言えるが、ステーブルコインは市場の流動性を支える重要な役割を果たしており、著名な発行体への規制が続けば市場心理も悪化しよう。

BTC対ドル相場は昨年8月高値のトライに失敗したが、足元では日足一目均衡表の基準線に支えられており、その下には心理的節目の2.3万ドルが待ち構えている。

再び上値をトライするには材料不足と指摘される一方、水曜日の相場急伸を受けて押し目を狙っている市場参加者も少なくないと指摘され、テクニカル的にも2.3万ドル付近で一旦は下げ止まるか。同水準の維持に失敗すれば、水曜日の上昇から半値押しとなり、全値押しも視野に入る。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:アルト主導でビットコイン下落、大崩れは避けられるか

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/25 木曜日
18:01
Komlock labと東証上場TDSE、AIエージェントによる自律決済の実証実験開始
TDSEとKomlock labがAIエージェントによる自律決済の実証実験を開始。日本円ステーブルコイン「JPYC」を活用し、AIが人間を介さず決済する「Agentic Commerce」の実現を目指す。
17:38
日銀総裁、利上げ継続示す 30年ぶり高水準更新へ
日銀の植田和男総裁が25日の講演で利上げ継続方針を表明。政策金利は既に30年ぶりの0.75%水準に達しており、今後の追加利上げによる円キャリートレード巻き戻しが仮想通貨市場に与える影響が注目されている。
16:21
SBI VCトレードとアプラス、USDCによる店舗決済の実証実験を来春開始
SBI VCトレードとアプラスが米ドル建てステーブルコインUSDCを活用した店舗決済の実証実験を2026年春に開始。大阪・関西万博のデジタルウォレット成果を発展させ、QRコード決済でインバウンド顧客向けに新たな決済モデルを創出する。国内唯一の電子決済手段等取引業者であるSBI VCトレードと、豊富な加盟店ネットワークを持つアプラスが協力し、ステーブルコイン決済の社会実装を加速。
14:55
量子コンピュータは仮想通貨の脅威か 専門家が語る「共存」の可能性
量子コンピューティングが仮想通貨業界に与える影響について、楽観論と懸念論が交錯する中、専門家は「共存」の可能性を指摘。ビットコインベテラン投資家やマイクロストラテジー会長は量子が仮想通貨を強化すると主張する一方、開発者は5~10年の移行期間が必要と警告。ソラナやイーサリアムなど主要ブロックチェーンは既に量子耐性技術の実装を開始している。
13:50
アステリア、JPYC企業利用支援の「JPYCゲートウェイ」発表
アステリアは企業向けJPYC入出金管理サービス「JPYCゲートウェイ」を発表。ウォレット管理やガス代負担など企業利用の課題を解消し、100以上の既存システムと連携可能。2026年1月よりβ版提供開始。
13:30
2025年世界仮想通貨浸透率ランキング、日本は47位
Bybitは2025年世界仮想通貨ランキングで、79カ国をユーザー浸透度、取引利用度、制度整備度、文化的浸透度の観点から相対的に評価。シンガポールと米国が上位にランクインし、日本は47位となった。また国別の一人当たりGDPから分析したところ、投資主導型と実用主導型の二つの採用パターンが明確となった。
12:13
ビットコイン価格予想が二極化 来年の37000ドル悲観論と最高値更新説の根拠は
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+%の1BTC=87,850ドルに。 ビットコインが一時的に88,000ドルを上回ったことは、米国上場…
11:44
仮想通貨投資大手が大規模取引か、ワールドコインに3000万ドル投入の可能性
マルチコイン・キャピタルと関連するウォレットが24日、ワールドコイン(WLD)6000万トークンを約46億円で購入した疑いが浮上。オンチェーンデータ分析サービスが報告。WLD価格は史上最高値から95%下落中。
10:30
個人投資家が計22億円の詐欺被害に、米SECが仮想通貨企業などを起訴
米SECは、複数の個人投資家から最低でも計約22億円をだまし取ったとして仮想通貨企業などを起訴。詐欺の手口を説明し、投資家に注意喚起を行っている。
10:22
Aave、所有権紛争でDeFiガバナンスの課題が表面化
大手DeFiプロトコルAaveで深刻なガバナンス対立が発生。年15億円超の収益配分とブランド資産の所有権をめぐり、DAOとAave Labsが対立。Snapshot投票では反対が過半数を占め、DeFi業界のガバナンス課題を浮き彫りに。
10:05
2026年の仮想通貨市場に期待できることは? Presto Researchがビットコイン16万ドル予想
Presto Researchが2026年の仮想通貨市場を展望。ビットコイン16万ドル到達の可能性、量子耐性議論、アルトコイン投機時代の終焉など様々なトレンドを予想している。
08:30
EUの仮想通貨税務透明性法「DAC8」、2026年1月1日に発効
EUの新たな税務透明性法DAC8が2026年1月1日に発効する。仮想通貨資産サービスプロバイダーは同日からEU居住ユーザーの取引データ収集を開始し、2027年9月までに最初の報告が必要となる。
07:35
ビットコイン現物ETF、4日連続で資金が純流出
仮想通貨ビットコインの米国の現物ETFは、23日の資金フローが約294億円の純流出で、これで4日連続の純流出となった。有識者が要因を分析している。
07:12
サークルを騙る偽の金・銀トークン化サイトが出現、同社が注意喚起
USDCステーブルコイン発行企業サークルを名乗る偽のプラットフォームが12月24日に登場し、トークン化された金と銀の取引を提供すると宣伝していた。サークルの広報担当者は偽物だと否定。
06:15
アーサー・ヘイズがイーサリアム売却継続、DeFiトークンに資金移動か
アーサー・ヘイズ氏が過去1週間で1800ETH以上のイーサリアムを売却し、仮想通貨ENA、PENDLE、ETHFIなどのDeFi銘柄に資金を振り向けている。ポートフォリオのリバランス計画の一環とみられる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧