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仮想通貨の市場心理改善で主要アルトに循環物色 SOL前週比22.8%高、ARB40%高

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マクロ経済と金融市場

前週末14日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比143ドル(0.4%)安、ナスダック指数は42ポイント(0.35%)安で取引を終えた。

昨今では雇用統計やCPI(米消費者物価指数)などインフレ鈍化を示す指標が相次ぎ、金融引き締めペースが緩まるとの根拠が強まりつつあったが、同日発表されたミシガン大学消費者景況感指数では、1年先の期待インフレ率が急上昇し、投資家心理を悪化させた。

米国の消費者マインドを表す経済指標には、ガソリン価格の上昇など根強いインフレが影響したものと考えられる。

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仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比0.91%安の30,000ドルに。

BTC/USD日足

2021年“仮想通貨バブル”における安値の上抜けには成功したものの、3万ドル前半のレジスタンスライン(上値抵抗線)は厚く、一撃でのブレイクは阻まれた。

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イーサリアム(ETH)の大型アップグレード「上海(Shapella)」を終えたイーサリアムでは断続的な売り圧力が続くも、先週末は買い優勢となり、1ETH=2000ドル水準を突破した。

17日昼時点で、ビーコンチェーンにはETHの総供給量の約15%にあたる1729万ETHがロックアップされており、次の11時間で推定47,000ETHが引き出される予定。急激なネットワークの不安定化を避けるため、1日あたりの解除可能なバリデーター数は1,800(57,600ETH)の制限が設けられている。

Wu Blockchainによれば、上海アップグレード後の30時間で約240,000ETHが引き出された。新たに約100,000ETHの入金があったため、純減は139,000ETHだった。

P2Pステーキングプールの0x4CAから、50,000ETHを超える新規デポジットがあったことが確認されている。

データ追跡サイトToken Unlocksによれば、89万ETH(2500億円相当)の引き出し申請が順番待ち(保留)状態にある。

Token Unlocks

エンティティ別に見ると暗号資産(仮想通貨)取引所が最も多く、55.1万ETHの引き出し申請を行うクラーケンが63%を占める。クラーケンは今年2月、米SEC(証券取引委員会)からステーキングサービスの提供が米証券法違反(無登録証券)だとして提訴され、米顧客向けサービスの提供中止を余儀なくされた。

この点について一部有識者からは、「クラーケンのサービスは情報開示が不十分だった。本質的に利回り提供の金融商品であり、コインベースや分散型プロトコルLidoのステーキング仲介サービスとは性質が異なる」との指摘も挙がっている。

関連:米SECのクラーケン起訴をどう見るか、イーサリアムステーキングへの影響を考察

そのほか、SECからウェルズ通知(警告書)を発行された米最大手取引所のコインベースがETH引き出し申請分の11%、Huobiが5.1%を占めるが、ステーキングを半強制的に解約された利用者の多くの資金は、他サービスを利用した再ステークに回るものと見られる。

アルトコイン相場

ビットコイン上昇や前週末のイーサリアム高騰に伴い、アルト市場で個別銘柄が物色されており、ソラナ(SOL)が前週比22.8%高と大きく値上がりした。

ソラナは昨年末のアラメダ・リサーチおよびFTX破綻の影響を色濃く受けて暴落していたが、売られすぎ水準にあったことから年初来157%高と大幅反発。時価総額11位まで再浮上した。

ソラナブロックチェーンを搭載したAndroid版のスマートフォン「Saga」が事前予約者向けに出荷され、エコシステム拡充に向けた思惑も材料視されたものとみられる。

「Saga」は、新興メーカーOSOM Productsが開発を手がける高性能な“Web3フラッグシップモデル”であり、5月8日に約1,000ドルで欧米など一部の国限定(日本は対象外)で一般販売される見込み。

関連:ソラナのWeb3スマホ「Saga」、製品出荷開始

OSOM Productsは、最も普及するスマートフォンのOSであるAndroidの生みの親とされるAndy Rubin氏が2015年11月に創設し、2020年に解散した米国のスマホメーカー「Essential Products」の後継企業であり、独自の秘密鍵保護プログラム「Solana Mobile Stack Seed Vault」など高度なセキュリティとプライバシー機能、スタイリッシュなデザインに定評がある。

秘密鍵はハードウェアレベルのサポートの暗号化で保護されており、Saga Android OSから秘密鍵にアクセスする権限を持たず、所有者のパスワード及び生体認証でのみ使用可能となる。

モバイルネイティブの分散型アプリケーションをDL可能な「Solana dApp Store」では、ソラナ基盤のNFTマーケット「Magic Eden」をはじめ、Web3音楽アプリの「Audius」、Web3 メッセージアプリ「Dialect」など16種類が登録されている。

EpicsではSolana dApp Store向けのBCG(ブロックチェーンゲーム)開発を行っているという。ELSOUL LABOのプレスリリースによれば、購入者には、「Saga ジェネシストークンNFT」など複数の特典が用意されている。

また、ここのところ好調なイーサリアム(ETH)関連銘柄では、アービトラム(ARB)が前週比41.9%高と高騰した。

オンチェーンデータ上では上場初日の大口投資家が1,700万ドル相当の994万ARBをバイナンスに送金したことが判明し、警戒する向きもある。

アービトラムは、Optimisticロールアップ技術を使ったイーサリアム最大のレイヤー2ブロックチェーン。先日、大規模なエアドロップを行い、総供給量100億枚の内12.75%が約300,000のウォレットに付与された。

エアドロップ後にはガバナンス投票を巡るコミュニティとの軋轢から、一時急落したものの、その後財団側が事態の終息を図り持ち直した。

関連:アービトラム財団が透明性向上を約束、DAOで再投票を実施へ

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