英国での事業登録を取り消し
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは、英国で事業を行うライセンスを取り消したことがわかった。
英国の仮想通貨領域を監督する金融行動監視機構(FCA)のウェブサイトによると、取り消し手続きが完了したのは先月30日。そして、バイナンスから申請があったことを今月7日に公表している。
具体的にライセンスの取り消し申請を行った企業は英国部門の「Binance Markets Limited」。FCAは過去に、バイナンスを厳しく監視していたことがある。
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7日にFCAがバイナンスのライセンス取り下げ申請を公表していたにもかかわらず、現在この内容が注目を集めている理由は、海外メディアが19日に一斉に報じたため。バイナンスの担当者は「The Block」らに対し、以下のようにコメントした。
当社の英国部門は、様々な事業に対する認可をFCAから取得していたが、英国でそれらのサービスを提供したことはない。
取得した認可は将来不要になる可能性が高いため、FCAの推奨に従って取り消すことを決断した。
担当者は、今回の決断はバイナンス本体に影響はないと説明。そして、投資家が主導する販売活動(リバース・ソリシテーション)以外で、バイナンス本体が英投資家に仮想通貨サービスを提供することはないとした。一方で将来的には、再度英国でライセンスを申請する可能性もあると述べている。
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欧州での事業
バイナンスが英国でライセンスを取得したことはFCAのウェブサイトにも記載がある。一方でFCAは2021年6月に、英国部門を含めたバイナンスのグループ企業は、英国で規制に準拠したサービスを提供する認可を得ていないと、消費者に注意喚起していた。
その後、同年8月にウェブサイトを更新し、バイナンスはライセンスの必要条件を満たしたと説明している。
最近バイナンスについては、欧州の新しい仮想通貨規制「MiCA」に準拠することに注力する様子が伝えられている。16日には、オランダの規制機関から事業認可を取得できなかったため、同国の市場から撤退することも発表していた。
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バイナンスとは
取扱銘柄や取引高、登録者数が非常に多い大手仮想通貨取引所を運営。他にもベンチャーキャピタル部門の活動や教育コンテンツの提供、慈善活動など幅広い事業を展開している。22年11月には、日本市場への進出を発表した。
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