はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

中国中央銀行、ビットコイン懐疑派の潘副総裁が総裁就任予定か 次期総裁の有力候補との見方も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

共産党の人事

中国共産党は1日、中国人民銀行(中銀)の党委員会書記に潘功勝副総裁を任命した。

現地メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)の報道によると、通常、共産党のポストは政府のポストより優先されるため、潘氏が次の人民銀総裁に就任する可能性が高いという。また、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルも同様の見方を示した。

2018年から現職にある易綱総裁は3月の全国人民代表大会(国会に相当)で留任が決まり、当面は総裁職にとどまるが、SCMPは共産党中央委員会の声明を引用し、同氏が退任予定であると報じた。

今回の人事では、人民銀行の党委員会書記の郭樹清氏と副書紀(易綱総裁が兼務)が退任するため、潘氏の起用は、中国の金融政策の継続性を維持するのに役立つとみられているという。また、これまで中銀総裁と党委員会書記でトップが分離される双頭体制だったが、潘氏が総裁に起用された場合、トップが単独となり指揮権が強化されることになる。

潘副総裁は国有大手銀行の勤務を経て、2012年に人民銀行副総裁に就任。16年からは、外貨の管理運用を行う国家外貨管理局(SAFE)の局長も兼任している。現在59歳の潘氏は、中国の金融分野で豊富な経験を持つとともに、英ケンブリッジ大学並びに米ハーバード大学で研究をおこなっていた経歴の持ち主だ。

国際通貨基金(IMF)の元中国部長で、現コーネル大学経済学教授のエスワール・プラサド氏は、「潘氏は経済成長への支援、金融セクターにおける市場志向の改革の推進、銀行システムにおけるリスク管理など、困難な局面で人民銀行の舵取りを行う技術的能力を持っている」と評価している。

ビットコイン批判

次期総裁との呼び声も高い潘氏だが、ビットコインに批判的な見解を示したことでも知られている。

2017年には、「川辺に座って見ていれば、いつかビットコインの死体が目の前に浮かんでくる」と発言したと現地メディアによって報道された。また、中国の暗号資産(仮想通貨)に対する規制措置を擁護し、仮想通貨に対する抑制がなされなかった場合を想定すると「少し怖い」との心境を吐露していた。

19年にはフィンテックは効率化をもたらすが、そのリスクは注意深く規制されなければならないと警告。同氏はインターネット金融リスク改善グループのトップを務めており、仮想通貨使用への取り締まりを始め、国内のフィンテック企業の規制などを担当している。

香港とは一線を画すのか

香港政府は昨年、仮想通貨業界を支援する方向に大きく舵を切った。今年6月1日から新たな仮想通貨取引所規制を施行。6月30日には、Web3開発推進タスクフォースの設立を発表している。

関連:香港、政府高官ら参加の「Web3開発推進タスクフォース」設置へ

一方、中国本土の動きとしては、中国の国営中央テレビ(CCTV)が5月に、香港の仮想通貨規制に関するニュースを報じ、バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOが、注目すべきことだとコメントした。

また、中国の国営企業Greenland(グリーンランド)が、香港で仮想通貨取引事業のライセンスを申請する計画であることが報じられた。

関連:中国の国営テレビ、香港の仮想通貨ニュースを報道 バイナンスCZ氏がコメント

さらに先月、中国銀行の投資部門が、中国の金融機関として初めて、香港で2億人民元(約40億円)のトークン化された証券として、デジタル仕組み債を発行した。

関連:中国銀行投資部門、香港で40億円相当のトークン化証券発行

このような一連の動きから、仮想通貨業界では、中国が仮想通貨規制を見直すことにつながるのではという期待感も散見された。

しかし、ブルームバーグの中国経済学者であるデビッド・クー氏は、中国本土は通常、香港を海外市場として見ているため、香港で何が起こるかは重要ではないとの考えを示した。また、「自分が知る限り中国人民銀行総裁が、ビットコインを支持することはないだろう」と付け加えた。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/02 火曜日
18:36
AIがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見 防御活用にも期待=レポート
Anthropicの研究で、AIエージェントがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見。2025年3月以降の34件で460万ドル相当の攻撃に成功し、新たに2件のゼロデイ脆弱性も発見。攻撃収益は1.3カ月ごとに倍増しており、防御活用が急務に。
17:42
FRBが3年半にわたる量的引き締め(QT)終了、仮想通貨市場に流動性改善の可能性
米FRBが12月1日、3年半にわたる量的引き締め(QT)を終了した。約2.4兆ドル規模の資産縮小後、仮想通貨市場への流動性改善が期待される。2019年QT終了時はビットコインが短期下落後に上昇した経緯があるが、専門家は政策効果の遅延やインフレ動向など不確実性に慎重な見方も示している。
16:04
走行映像でGARコインを還元 ドラレコアプリ「セトラス」が地方創生DXモデルを始動
セトラスが市民のドラレコ映像を行政業務に活用し、専用暗号通貨「GARコイン」で報酬を還元する地方創生モデルを発表。実証実験に参加する自治体を3枠限定で募集している。
13:55
コインベースへの情報開示請求が過去最多の1.2万件、欧米で協力要請急増 実態判明
コインベースが2025年透明性レポートを公開し、60カ国以上から12,716件の情報開示請求を受領し、前年比19%増加となったと報告した。米国の件数がトップだが、米国外からの請求は53%を占め前年比2%増加した。
13:15
米FDIC、ステーブルコイン規制「ジーニアス法」運用規則案を12月下旬に公表予定
米FDIC代行議長がステーブルコイン規制「ジーニアス法」の運用規則案を今月に公表する予定だと表明。トークン化預金や仮想通貨業界のデバンキング問題についても対処を説明した。
12:29
カルシ、ソラナ上で予測市場トークン化を開始 仮想通貨の流動性取り込みへ
米予測市場カルシがソラナ上で予測市場契約のトークン化を開始。オンチェーン取引により匿名性が向上し、開発者のサードパーティ構築も可能に。評価額110億ドル、約3500市場を運営する同社は仮想通貨ユーザーの流動性獲得を目指す。
11:00
米トランプ政権の仮想通貨特命官サックス氏、利益相反報道を否定
米トランプ政権のAI・仮想通貨特命官デビッド・サックス氏がNYタイムズの利益相反報道を否定した。名誉毀損専門の法律事務所に対応を依頼し、倫理規定遵守を主張している。
10:40
ゴールドマンがイノベーター買収、ビットコイン連動ETFも取得で仮想通貨事業拡大
ゴールドマン・サックスがETF大手イノベーターを20億ドルで買収すると発表した。買収にはビットコイン連動ファンドQBFも含まれ、ゴールドマンの仮想通貨関連商品ラインアップが拡大。
10:14
リップル、シンガポールでライセンス範囲拡大 XRPとRLUSDによる決済事業を強化
リップルがシンガポール金融管理局から主要決済機関ライセンスの拡大承認を取得。XRPとRLUSDを活用した決済サービスを強化。アジア太平洋地域のオンチェーン活動は前年比70%増で、同地域での事業拡大を加速。
10:02
ビットコイン100万円幅急落、yETH流出事故で大規模清算|仮想NISHI
ビットコインは軟調な推移が続いている。1日には一時8万5,000ドルを割り込み、日本円ベースでも24時間比で100万円超の下落となった。背景には、イーサリアムが「フサカ・アップデート」を目前に控えロングポジションが積み上がる一方、Yearn FinanceでyETHの流出事故が発生し、ロングポジションの清算が連鎖したことがある。
09:20
リミックスポイント、12億円規模のWeb3関連事業投資を中止へ
リミックスポイントは、事前に予定していた12億円規模のWeb3関連事業投資の中止を決定。仮想通貨ビットコイン購入以外の調達資金使途を変更した。
08:40
ハッキング被害から3.7億円相当回収、ヤーン・ファイナンス
ヤーン・ファイナンスがyETH関連のハッキングで盗まれた資産のうち約240万ドル相当を回収した。回収作業は継続中で被害者への返還を予定している。
07:35
mNAV1倍割れでも「最後の手段」に、ストラテジーがビットコイン清算条件を明示
ストラテジー社のフォンレCEOがビットコイン売却の具体的条件を初めて明言した。株価が保有資産を下回り資金調達が不可能になれば売却も選択肢の1つとなる。
07:05
ストラテジー、約2240億円の米ドル準備金を確保
ストラテジー社は、優先株の配当と負債の利子の支払いのために約2,240億円の米ドル準備金を確保したことを発表。目的を説明し、仮想通貨ビットコインの買い増しも報告した。
07:00
チェーンリンク初のETF、NY証券取引所に上場予定
仮想通貨チェーンリンク(LINK)に投資する上場投資信託(ETF)が12月3日にニューヨーク証券取引所で取引を開始予定。NYSEアーカがグレースケール・チェーンリンク・トラストETFの上場を認証した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧