はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

アジアの機関投資家、サードパーティの仮想通貨カストディサービスに注目=PwCレポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

カストディ・ソリューションへの需要高まる

世界4大会計・コンサルティング会社の一つ、プライス・ウォーターハウス・クーパース(PwC)とデジタル資産管理会社アスペン・デジタル(Aspen Digital)は11日、デジタル資産のカストディに関する共同レポートを発表。アジアで、機関投資家グレードのデジタル資産カストディ・ソリューションに対する需要が、ファミリーオフィス、富裕層、資産管理会社の間で高まっていることが示された。

ファミリーオフィス

ファミリーオフィスは、資産家一族の資産管理などを請け負う運営企業。アセットマネージャーや弁護士、会計士、税理士などで構成されるチームが組織され、資産運用だけでなく事業承継などの財務関わる管理から子どもの教育に至るまで、幅広いサービスを提供する。

▶️仮想通貨用語集

ビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨)やデジタル資産が、代替資産クラスとして機関投資家による採用が進む中、さまざまな課題にも直面しているとレポートは指摘する。例えば、運用の複雑さ、セキュリティや風評リスク、保険が適用できるかなど、デジタル資産の取引や保護の面で、解決しなければならない問題は多い。

そのため、より多くの機関投資家が、ポートフォリオの継続的な取引や運用のニーズに対して、自身で秘密鍵を管理するセルフカストディ・ソリューションには限界があることを実感しているという。アジアの機関投資家は、現在保有しているデジタル資産と新たな投資対象を保護するため、信頼性の高い機関グレードのカストディ・サービスを求めていると、多くの市場関係者が指摘している。

関連:大手金融企業CACEIS、仮想通貨のカストディサービスをフランスで提供へ

カストディ市場の現状

仮想通貨市場は、2021年11月に418兆円(3兆ドル)のピークに達した後、現在も167兆円(1.2兆ドル)の市場規模を誇る。仮想通貨市場の拡大とともに、カストディのニーズも高まってきた。

カストディ・ソリューションは、まずハードウェアウォレットなどのセルフカストディ・ソリューションから始まり、コールドストーレージを提供する機関投資家向けのサードパーティ・プロバイダーが登場。そして、Web3エコシステムを含むソリューションを提供するプロバイダーにまで進化してきた。

レポートでは、2023年4月時点で120社のカストディ・プロバイダーがあると報告。その中にはシティ・グループやドイツ銀行などの伝統的金融機関も参入している。2022年のカストディ市場の時価総額は、約62.5兆円(4,479億ドル)と評価されている。

レポートはカストディ市場をセルフカストディ・ソリューションとサードパーティのサービスプロバイダーの二つに大別。サードパーティには、仮想通貨取引所のウォレットとカストディ企業があり、両者ともユーザーの秘密鍵を管理するが、取引所でインターネットに接続されたホットウォレットで管理されていた場合には、ハッキングや盗難などのリスクがある。

カストディ企業間でも、規制に準拠しライセンスを取得済みの企業から、個別の技術開発サービスのみを提供する企業など、その形態はさまざまだ。

セルフカストディの例としては、ハードウェアウォレットやソフトウェアウォレットが挙げられるが、秘密鍵の管理は全てユーザーに委ねられる。

多様化するカストディのニーズ

レポートでは仮想通貨産業が発達するにつれ、カストディのニーズも多様化している現状を報告している。

一つには、イーサリアムのステーキングに対する機関投資家の関心の高まりが指摘された。イーサリアムは昨年9月、大型アップグレード「The Merge(マージ)」実装により、PoS(プルーフオブステーク)のコンセンサス(合意形成)アルゴリズムに移行。ネットワークへのETHの預け入れ総額は、当時の1,370万ETHから現在2,390万ETHと大幅に増加している。

また、機関投資家は、NFT(非代替性トークン)やメタバースへの投資への参入も検討する段階に入っているという。

そのため、デジタル資産カストディ企業は、仮想通貨の管理だけでなく、分散型金融(DeFi)やNFT、メタバースといった新たなビジネスチャンスや資産クラスに対して、顧客の理解を促し、参加を支援するサービス提供へと、その役割を拡大し、進化しているとレポートは説明した。

アジアの機関投資家にとって、あらゆる種類のデジタル資産の安全に保有し、アクセスする能力が、デジタル資産戦略の中核となる要素だという。

カストディの課題

レポートでは、デジタル資産の管理にあたり、課題となる点として以下の三つを挙げている。

  • セキュリティ:仮想通貨取引所ではなく、セルフカストディもしくは信頼性の高いカストディ企業を選択。セルフカストディの限界も指摘。
  • 規制環境:世界レベルで規制が統一されていないため、規制に準拠したカストディ企業を選ぶのが困難
  • 保険契約:契約内容がサービスプロバイダー選定の際の重要な要素
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/04 金曜日
11:00
アルトコイン取引の増加傾向続く 仮想通貨OTCレポートが公開
Finery Marketsは、仮想通貨のOTC取引に関する2025年上半期のレポートを公開。ビットコインやイーサリアム、ステーブルコインの他にアルトコインの取引が増加傾向を継続していると指摘した。
10:35
「1兆ドル予測は楽観的すぎた」、 JPモルガン ステーブルコイン時価総額の2028年予測を下方修正=報道
JPモルガンはステーブルコイン市場の2028年予測を5000億ドルとし、他社の1-4兆ドル予測を否定。決済利用は6%に留まり、主用途は仮想通貨取引と指摘。
10:00
ビットコイン、クジラによる売却と機関投資家の需要が拮抗=報道
仮想通貨ビットコインの大口保有者が過去1年で50万BTCを売却する一方、機関投資家の需要増加により価格が膠着している。今後のビットコイン価格については様々な見解がみられる。
09:30
ロビンフッドCEO OpenAI株式トークン化を「革命の種」と表現も、提携否定で波紋広がる
ロビンフッドがOpenAI株式トークン化サービスを欧州で開始したが、OpenAIは提携を否定。テネフCEOは「トークン化革命」と強調するも、未上場株式の権利問題が浮き彫りに。
09:16
仮想通貨SEI、国内取引所OKJに新規上場へ
国内暗号資産取引所OKJが2025年7月8日からセイ(SEI)の取扱いを開始。ゴールドマンサックス・Robinhood出身者が開発した高速ブロックチェーンで、米国でETF申請も話題。入出庫は7月8日、売買は7月11日17時開始予定。
09:00
ビットコイン今年4度目11万ドル超え、株価相関強まり最高値更新も視野に|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは3日に今年4度目となる一時11万ドル突破を記録した。7月3日から4日にかけて、トランプ政権の大きく美しい法案が可決されたことに加え、米雇用統計が底堅い推移を示したこと、さらにシンシア上院議員が暗号資産の減税法案を提出したことが追い風となった。
08:05
ETF購入減速でビットコイン価格上昇に陰りか、ETHは蓄積量が過去最高に=Cryptoquant分析
仮想通貨ビットコインETFとMSTR(ストラテジー)の購入は大幅減速、全体需要の縮小で価格上昇が鈍化。一方、イーサリアムは6月に蓄積アドレスが史上最高を記録、機関投資家による大量保有が続く。
07:45
米下院、7月14日の週を「仮想通貨週間」と指定 3つの主要法案を審議
米下院指導部が7月14日の週を「仮想通貨週間」に指定し、GENIUS法、CLARITY法、反CBDC監視国家法を審議すると発表。
07:25
IMF、パキスタンの仮想通貨採掘などへの補助金提供提案を却下
IMFは、パキスタン政府による仮想通貨マイニングなどのための電気代補助提案を却下。同国は、ビットコインのマイニングとAIのデータセンター向けに2,000MWの電力を割り当てる計画を発表している。
07:20
ビットコイン今後の価格、9.5万ドルまで下落の可能性も=アーサー・ヘイズ分析
仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏は、8月のジャクソンホール会議まで市場が横ばいか軟調な展開を予想。TGA補充の影響でビットコインが9万~9.5万ドルまで下落する可能性があるという。
06:30
米国初のソラナ現物ETF、取引開始初日で出来高約48億円の好スタート
「REXオスプレイ・ソラナ・ステーキングETF」が7月3日に取引開始。米国初のステーキング機能付き仮想通貨現物ETFとして約100万ドルの運用資産で滑り出し。
06:10
米上場ナノ・ラボ、72億円で仮想通貨BNB追加購入
ナスダック上場のナノ・ラボが74,315BNBを約5000万ドルで購入。総額5億ドルの転換社債プログラム第1弾として、BNB流通量の5-10%保有を目指す。
05:50
上場企業の仮想通貨トレジャリー戦略に警鐘、F・テンプルトンが「負の連鎖」リスク指摘
フランクリン・テンプルトンのアナリストが流行する企業の仮想通貨トレジャリー戦略について分析。プレミアム維持の困難さと市場下落時の負の連鎖リスクに警告。
05:35
ルミス議員、仮想通貨税制改正法案を再提出 300ドル未満取引の免税など盛り込む
ルミス上院議員が仮想通貨税制改正法案を再提出。300ドル未満の小額取引免税、マイニング・ステーキング報酬の二重課税解消など包括的な改正を提案。
07/03 木曜日
18:23
Aptos LabsがYellow Cardと提携、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金開始 
Aptos LabsとYellow Cardが提携し、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金サービスを開始した。USDT・USDC対応で即時決済を実現し、数百万人のユーザーがステーブルコインをより迅速かつ手頃な価格で利用できるようになった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧