はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

三菱UFJとNTTデータ、デジタル社債(STO)促進に向けて連携 標準インフラを導入へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタル社債向け“標準化インフラ”

三菱UFJ信託銀行とNTTデータは10日、デジタル社債の発行と管理を効率化するためのブロックチェーン技術を活用した新インフラの構築を発表した。さらに、この取り組みに三菱UFJ銀行も参加し、デジタル社債の発行を後押しする計画だ。

三菱UFJ信託銀行によれば、現在、日本のデジタル証券(セキュリティトークン、ST)市場の総額は956億円。三菱UFJ信託銀行が開発したデジタルアセット発行・管理プラットフォーム「Progmat」は、これまで13件の取引で807億円を扱い、市場シェア84%を獲得している。

しかし、デジタル社債の発行はまだ実験段階で、実績の多くは不動産などの資産裏付型デジタル証券だ。

NTTデータグループは伝統的な社債の受託金融機関向けシステムでシェア95%を有しており、三菱UFJ銀行も振替債の受託において多数の実績を持つ。この強力な連携により、金融機関や事業会社のデジタル社債市場への参入が促進され、さらなる活性化が期待される。

今後、NTTデータグループは「Progmat」と連携可能なデジタル社債管理用基盤「DBM(仮)」の商用版を実装し、振替債向けシステムを導入している受託金融機関20行(間接利用先を含めると180行)のうち利用希望先へ提供する方針。三菱UFJ銀行は2023年度中に新しいインフラを利用して顧客のデジタル社債を発行する計画だ。

新しいインフラの導入により、関係者間の情報共有と管理が一元化されるため、社債の発行や取引がより効率的になる見込みだ。これにより、発行や管理のコスト削減が期待され、従来の大口取引が主流だった社債の取引が、1万円からという小口取引にも対応可能となる。

関連:デジタルアセットの共創インフラを創出、 Progmatインタビュー記事|SBI R3 Japan寄稿

STO市場拡大へ

また、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJ銀行、NTTデータはデジタル社債市場の“業界標準”の確立に向けて努力しており、商品モデルや業務プロセスの策定を進めている。概念実証(PoC)を通じて、Progmatで既に実現しているユーティリティトークン(UT)連携や今後予定されているステーブルコイン(SC)連携の可能性についても模索された。

出典:MUFG

近年、デジタル特典付きの社債を利用したカスタマーエンゲージメントの取り組みが増加している。例として、カゴメは2023年1月に「カゴメ 日本の野菜で健康応援債」というデジタル特典付き社債を発行している。

この種のSTOは、発行体にとって現金としての利回りを抑制しながらも新たな魅力を生み出す利点がある。カゴメのようなSTOの事例が増えることで、個人投資家も社債や不動産証券を身近に感じるようになるだろう。

Progmatは私設取引システムを運営する大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)とも連携を進めており、ODXは2023年11月に証券化トークンのセカンダリー市場を開設する計画を明らかにしている。STOの発行市場(プライマリー取引)と車両の両輪関係にあるともいえる流通市場(セカンダリー取引)の整備により、STOの流通市場がさらに活性化することが期待される。

関連:『デジタル証券(STO)市場の発展はWeb3普及に欠かせない』|WebXレポート

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/09 火曜日
07:15
仮想通貨投資商品、先週は1110億円超の資金が純流入
仮想通貨投資企業CoinSharesは、デジタル資産投資商品全体の先週の資金フローは約1,116億円の純流入だったと報告。ビットコイン、XRP、チェーンリンクの投資商品の需要が高かった。
07:02
ビットコイン担保をデリバティブ市場で使用、米CFTCがトークン化パイロットプログラムを開始
米CFTCがビットコイン、イーサリアム、USDCなどのデジタル資産をデリバティブ市場で担保として使用するパイロットプログラムを開始した。トークン化担保に関する新たなガイダンスも発行している。
06:25
ストラテジーが約1500億円でビットコイン押し目買い、7月以来の規模に
マイケル・セイラー率いるストラテジーが先週約10億ドルで10624BTCを追加購入した。7月以来の大口購入となった。
06:02
リップルの780億円資金調達、異例の年10%リターン保証で株式売却 投資家ヘッジに応じて=報道
ブルームバーグによると、リップルが11月に実施した5億ドルの株式売却で、投資家に3〜4年後に最低10%の年間リターン保証で未上場株式を売却する権利を提供していた。企業価値は400億ドルと評価されている。
05:35
ブラックロックもステーキング商品提供へ、イーサリアム現物ETFで
世界最大の資産運用会社ブラックロックがステーキング機能を備えたイーサリアムETFの登録届出書をSECに提出した。グレースケールやフィデリティなど他の発行体も仮想通貨ETFにステーキング機能を追加している。
12/08 月曜日
16:57
マクロン仏大統領、米仮想通貨規制緩和に警鐘 「金融不安定化のリスク」と指摘
フランスのマクロン大統領が米国のステーブルコイン規制緩和について警告を発し、金融不安定化のリスクを指摘。欧州中央銀行に金融政策の見直しを求め、欧州の金融主権維持を主張。ステーブルコイン市場は3000億ドル超に急拡大。
16:42
決済データDePINのSyFu、Finverseと提携しアジア5カ国のオープンバンキング展開へ
決済データ活用プロジェクトSyFuが、オープンバンキングプラットフォームFinverseと提携。香港、シンガポールなどアジア5カ国の約40金融機関と接続し、日常の支払いデータをトークンやNFTに変換できる仕組みを構築。欧州とアジアで世界規模のネットワークを確立。
14:58
トランプ大統領支援者所有の米Monet Bank、仮想通貨サービス事業に参入
トランプ大統領支援者アンディ・ビール氏所有のモネ銀行が仮想通貨特化型金融サービスに参入する。トランプ政権下での規制緩和により、エレボール銀行やN3XTなど仮想通貨対応銀行が相次いで誕生する中、資産60億ドルの小規模地域銀行がデジタル資産の保管・融資を提供開始する。
14:23
トランプ政権の国家安全保障戦略、仮想通貨に言及せず AI・量子技術を優先
トランプ政権が発表した最新の国家安全保障戦略で仮想通貨への言及がゼロ。AI・量子技術を重視する一方、「仮想通貨大統領」を公言してきた経緯との整合性をめぐり議論が起きている。
11:44
FOMC控え不安定な展開続くビットコイン、前週末は大口の協調売りか
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが一時9万ドル割れで3.4億ドル規模の大量清算発生。クジラによる協調売りの可能性が浮上し、週末の薄い板で2000ドルの乱高下が見られた。一方でマイナー降伏を示すハッシュリボン反転で底打ちサインも。FOMC利下げ観測と円キャリー巻き戻しが市場を揺さぶる。
11:30
ソラナDEX「ジュピター」の再担保に関する議論 「伝染リスクゼロ」主張を疑問視
仮想通貨ソラナ基盤のジュピターが「伝染リスクゼロ」と主張したことについて、競合Kaminoなどが再担保の実施を指摘し批判した。ソラナ財団プレジデントは両者に協力を呼びかけている。
09:11
フランスの大手銀行BPCE、仮想通貨4銘柄の取引サービス開始
フランスの大手銀行BPCEが約200万人の顧客向けに仮想通貨取引サービスを開始する。ビットコインなど4銘柄が銀行アプリで売買可能になる。
08:54
韓国、取引所に無過失損害賠償責任を導入へ アップビットのハッキング事件を受け
韓国金融当局が仮想通貨取引所に無過失損害賠償責任を導入へ。アップビットの445億ウォン不正アクセス事件を受け、2段階立法で規制強化。課徴金も売上高3%まで引き上げの方針。
12/07 日曜日
20:40
「ビットコインを価値の橋渡し役に」Bitcoin Japan CEO、繊維業からの大転換とAI戦略を語る
東証上場の堀田丸正から「ビットコインジャパン」へ大胆に転換したフィリップ・ロード(Phillip Lord)CEOが、CoinPost独占インタビューでビットコイン準備金戦略とAIインフラ投資の詳細を明かした。「日本の品質×米国の規模」で2030年までに500MW規模のデータセンター投資を目指す。
17:00
ハイパーリキッドの将来性・HYPEの買い方|注意点まで徹底解説
HYPEトークンの買い方から注目理由まで完全解説。手数料収益による自動買い戻し、機関投資家参入、ステーキング機能など、急成長するDEX「Hyperliquid(ハイリキ)」の魅力を詳しく紹介します。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧