完全撤退もオプション
仮想通貨取引所大手バイナンスは経済制裁リスクなどを懸念しロシア市場から完全に撤退することも検討しているようだ。米WSJが報じた。
一部のロシアユーザーが米国による経済制裁を回避するためバイナンスを利用していたといった報道を受けて、バイナンスは先週P2P取引でロシア銀行5行との連携を打ち切ったが、最新の報道によると完全撤退を含めた選択肢を検討しているという。
また、米国では司法省やSEC、CFTCからの規制圧力が高まっている背景もある。SECは現在、コインベースとバイナンスに対して訴訟を起こしている。一方、8月2日米Semaforによると、司法省はバイナンスに対して詐欺罪などの起訴を検討しているという。
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WuBlockchainによると、バイナンスの世界シェアにおいてロシアからのサイトトラフィックは全体の約6%を占めている。
WSJ: Binance is re-evaluating its Russian operations, which includes the possibility of exiting the market entirely. Binance has stopped providing P2P services to sanctioned Russian banks. Russia ranks first in terms of traffic among all Binance regions, also ranks first in most… pic.twitter.com/JqVl48OTft
— Wu Blockchain (@WuBlockchain) August 28, 2023
仮にバイナンスが撤退すれば、ロシアの市場シェアに対する争奪戦は考えられるが、バイナンスのライバルである大手OKXとBybitは昨日、バイナンスと同様、ロシア銀行Tinkoff BankとSberbankでのP2P送金利用を廃止。米国による経済制裁の影響は世界レベルとして深刻なもので、グローバル取引所が経済制裁のルールを無視してまで参入することは考えにくいだろう。