はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「東京クジラ:Mt.Gox」直近3ヶ月でも259億円相当の仮想通貨を売却、合計は約700億円に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Mt.Goxの仮想通貨売却
9月25日に、Mt.Goxは公式サイトにて文書を公開し、2018年3月から6月にかけて合計259億円分の仮想通貨を売却していたことを明らかにした。そして、2017年12月から2018年2月までに売却したものと合わせて合計700億円の金銭を確保したと記述している。
売却における市場への影響
管財人の小林氏は、市場に影響を与えない形で売却を行なったと記述したものの、Mt.Goxが2月に大量の仮想通貨売却を行なった翌日にビットコインは下落したことから疑問視されている。しかし、6月時点で残りの保有仮想通貨の売却予定はないと語った。
Mt.Gox とは
ーク時には世界のビットコイン取引量の70%を占めていた仮想通貨取引所。 2014年の3月、管理していた計85万BTC(当時レート:約480億円)と顧客の預かり金28億円が消失したことで債務超過に陥り、事実上の経営破綻に追い込まれた。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

Mt.Goxの仮想通貨売却

9月25日に、Mt.Goxは公式ウェブサイトにて、同社管財人の小林信明氏(以下、小林氏)が2018年3月7日に行われた債権者会議から2018年6月22日に行われた民事再生手続の間に23,658BTCおよび25,331BCHを売却していたことを明らかにしました。

Mt.Goxは、2014年までBTC全取引量の70%を占めるなど、世界最大級の仮想通貨取引所として機能していましたが、同年2月にハッキングによって約85万BTCが盗難され、その補塡を行うことができなかったため、破産手続きを行なっていましたが、今年6月に、その破産手続きから一転、東京地方裁判所から民事再生手続きの決定がなされています。

結果的に、その3月から6月の売却によって破産管財人は、合計259億円の金銭を確保することに成功したことになります。

この民事再生前の仮想通貨の売却において管財人の小林氏は、民事再生手続を行う条件として、以下の記述があります

現時点までに 組成された財団の規模に照らして、同破産事件において債権届出をした全債権者(とくに金銭債権たる破産債権を有する債権者各自)が当該破産手続においてすでに得ていると見込まれる利益を確保する措置が、再生手続開始決定前(破 産手続中止前)になされていること

そして、小林氏は裁判所、調査委員、そして、破産管財人との間で議論を重ねた結果、既述の条件を満たすために既に得ている利益を確保する手段として、民事再生手続を開始する前に、仮想通貨の売却に踏み切ったと言及しています。

さらに、今回の合計約259億円相当の仮想通貨売却の前にもMt.Gox社は、2017年12月から2018年2月の間に、35,841BTCおよび34,008BCHという約429億円相当の仮想通貨を売却していることが明らかになっています。

結果的に、今回の売却、前回の売却を合わせて破産管財人口座残高は、約700億円に達したことが記述され、そのうちの約159億円を、金銭債権に関する債務を保証することなどを目的に信託財産として三井住友銀行との間で信託契約を結んだことも公表されました。

Mt.Goxのハッキング事件の際に被害を受けた人々は、同社から補償を受けるため、10月22日までに再生債権を提出することが求められており、破産手続きの際に既に債権届出を行った人々も、民事再生債権届出として再度提出を求められています。

そして、最終的な補償方法は裁判所によって決断されるものの、民事再生に変更されたことから、債権者はその補償を法定通貨ではなく、仮想通貨で受け取ることのできる可能性があると考えられています。

売却における市場への影響

Mt.Goxが今年6月に公開した文書によると、この大規模の仮想通貨売却について、「ビットコインおよび、ビットコイン・キャッシュは、仮想通貨取引の専門家の指導の元、取引のセキュリティを最大限確保し、市場価格に影響のない、一般的な取引所での取引ではない形で売却した。」と記述されました。

しかし、小林氏がビットコインおよび、ビットコイン・キャッシュを大量に売却した翌日の2月6日にビットコイン価格は急落し、5922ドル(約67万円)の安値を記録しています。

そして、ゴールドマンサックスのアナリストであるSheba Jafari氏も、2月、3月における価格の不安定さは小林氏の売却が発端となっていることを示唆するなど、相場への影響が指摘され、その影響の大きさから海外では「東京のクジラ=Tokyo Whale」と名をつけられています。

このように、Mt.Gox関連の仮想通貨売却が市場に少なからず影響を与えたと考えられていますが、民事再生が決定した6月時点で、小林氏は、残りの保有仮想通貨を売却する予定はないと言及したことから、今後短期的にMt.Goxが仮想通貨市場に影響を与える可能性は低いと考えられています。 ▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

仮想通貨市場の崩壊は起こってしまうのか?Mt.Gox社の債権者への払戻しで起こる影響とは
元Mt.goxトレーダーが民事再生に基づく払戻し後の市場の崩壊を懸念。払戻されたビットコインに対する需要が不足した場合、仮想通貨全体の価格が下落してしまう恐れがあるとの見解を述べた。
Mt.Gox民事再生手続開始決定でどう変わる?売り圧力が消える?
6月22日、Mt.Goxの民事再生手続開始決定が、再生管財人に選出された小林信明弁護士によって発表されました。今回の民事再生手続は破産手続とどう違うのか、仮想通貨投資家最大の関心事項である売り圧力はどうなるのかについてまとめました。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/31 水曜日
14:00
ブラックロックの2026年投資展望 AI投資が米株式市場を牽引、ステーブルコインは金融の架け橋に
ブラックロックの2026年投資展望レポートでは、AI関連投資が米国株式市場を牽引し、生産性向上で171兆円の経済効果が見込まれると分析した。また、38兆円規模に成長したステーブルコイン市場について決済システムへの統合が進み、トークン化された金融システムへの第一歩となると見ている。
12:00
2026年末のビットコイン価格はどうなる?有識者7人に予想を聞いた
ビットコイン2026年末価格予想を暗号資産(仮想通貨)業界の著名人7人が回答した。平均は12.3万ドルで約40%の上昇見込み。FRB政策、機関投資家参入、半減期アノマリー崩壊など注目ポイントを分析。強気派と慎重派の見解を比較し、相場の行方を占う。
11:00
仮想通貨TOP20と国内発トークン、25年の騰落率は
ドナルド・トランプ氏の米大統領就任やビットコインの最高値更新があった2025年。本記事では同年の時価総額上位銘柄と国内発プロジェクトのトークンの年間騰落率をまとめている。
10:00
激動の2025年 仮想通貨の時価総額トップ20、過去8年間における順位変動は
2025年はビットコインが12万ドルを突破した。仮想通貨に肯定的な米トランプ政権が始動した1年を終えるにあたり過去8年間において仮想通貨の時価総額の順位がどのように変動してきたかを振り返る。
12/30 火曜日
14:00
米カリフォルニア州の超富裕層への「5%資産税」に業界猛反発 仮想通貨起業家流出の懸念も
米カリフォルニア州で純資産10億ドル超の富裕層に5%課税する提案が行われ、Kraken創業者やBitwise CEOをはじめとする仮想通貨・テック業界リーダーが強く反発し、警告を発した。株式、不動産、仮想通貨などを対象とし、未実現の含み益にも課税される点が問題視されている。
14:00
コインベース・ベンチャーズが注目する2026年の仮想通貨4大トレンドとは
米最大手コインベースの投資部門コインベース・ベンチャーズが2026年に積極投資する4分野を発表した。RWA永久先物、専門取引所、次世代DeFi、AIとロボット技術など、次のブレイクアウトが期待される仮想通貨領域について紹介。
12:32
ビットマイン、イーサリアム買い増し 独自のステーキング・インフラも準備中 
ビットマインの仮想通貨イーサリアム保有量が411万枚に到達した。年末の価格下落を好機と捉え買い増しを行っている。2026年には独自ステーキング基盤も公開予定だ。
10:00
2025年の仮想通貨市場を重要ニュースから振り返る
2025年は仮想通貨を支持するドナルド・トランプ氏が米大統領に就任し、相場は米国の動向から大きな影響を受けた。本記事では、ビットコインの最高値更新など1年間の重要ニュースを振り返る。
09:50
仮想通貨投資商品、先週700億円超の純流出 XRP・ソラナは好調維持=CoinShares
仮想通貨投資商品から先週700億円超が流出した。CoinSharesは投資家心理がまだ完全に回復していないと分析した。一方で資産別ではXRPとソラナへの流入は好調だった。
12/29 月曜日
14:23
ビットコインは持続的上昇局面に?4年サイクル論争と機関投資家の影響力
Bitwise CIOマット・ホーガン氏が「ビットコインの4年サイクルは終焉し、持続的上昇局面に入った」と主張した。ハーバード大学など大手機関がBTCを保有し、個人投資家から機関への資産移転が進行。ボラティリティ低下の理由と、「階段を上りエレベーターで降りる」値動きパターンを専門家2人が詳しく解説。
13:35
AIや仮想通貨のショッピング活用進む Z世代が牽引か=Visaレポート
決済大手ビザの調査で、ショッピングにAIツールや仮想通貨を利用する消費者が増加していることが判明。特にZ世代が牽引していた。ステーブルコイン送金への関心も高まっている。
09:44
スベルバンク銀、ロシア初の仮想通貨担保ローン発行
ロシア最大の銀行スベルバンクが同国初の仮想通貨担保ローンを発行した。ビットコインマイニング企業に融資し、デジタル資産担保の仕組みを検証している。
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧