G20の合意受けて、政策方針を協議へ
インド財務省経済局のアジャイ・セス次官は10日、主要20ヵ国(G20)の暗号資産(仮想通貨)規制枠組みの支持を受けて、インドの方針について発言した。インドは今後数か月以内に仮想通貨に関する政策方針を協議する予定だとしている。
G20は首脳宣言で、仮想通貨を監督するための金融安定理事会(FSB)の勧告を支持したところだ。セス氏は、インドも、これを踏まえて仮想通貨についての立場を今後数か月で決定すると述べた。
背景として、G20の国際金融監督機関であるFSBは7月、仮想通貨規制に関わる推奨事項を発表し、規制・ガバナンス・リスク管理のフレームワーク構築、データの記録、情報開示などを提唱していた。ステーブルコインについての推奨事項も改訂している。
ステーブルコインとは
価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。
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また、7日には国際通貨基金(IMF)と共同で、各国が仮想通貨の政策枠組みを導入する上でのロードマップを掲載した文書を発表した。
G20は10月にモロッコで開催される会合で、このロードマップの推進について話し合う予定だ。
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セス氏はFSBらが提案した規制、監督に関する高レベルの原則などがG20の指導者らによって支持されたとして、次のように話した。
提案の中で、新興国においてはリスクがより高くなる可能性があることも明確に認識されている。
適切な一連の規制を構成するための要素は何か、誰がどのような期限を目安としてそれを実施する必要があるのか、こうしたことについて明確な理解に達している。
仮想通貨禁止の可能性は低下
また、The Indian Expressによると、ある当局関係者は次のように述べている。
他の国が仮想通貨を禁止していない場合、一国がそれを禁止することは非常に困難になる。
私たちは議論を行い、国際的に規制に関する合意形成に努めなければならない。その後で少しずつ各国のシステムを決めていくことになる。
インドでは仮想通貨に関する方針が定まっておらず、一時は仮想通貨を禁止する法案が提出される可能性も浮上していた。その後、国際的な規制動向をうかがうという姿勢に変化し、現在に至る。
The hinduも、次のような政府高官の意見を紹介している。
規制に関して深く考慮すると、一国だけではそれができないことが分かった。インターネット上のすべてのデバイスの監視と制御に着手しない限りは不可能であるし、そのような規制を私たちは望まない。
私たちが何をするとしても、世界的なコンセンサスの構築が必要だ。