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「スポーツブランドとファンエコシステムの変革へ」チリーズCEOが講演|WebX

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ファンとの関係を変革

2023年7月に開催されたWeb3国際カンファレンス「WebX」に、ファントークンの開発・提供などを行うChiliz(チリーズ)のアレクサンドル・ドレイファスCEOが登壇した。

ドレイファス氏は「チリーズが変革させるスポーツブランドとファンエコシステム」をテーマに講演を行った。同氏は、暗号資産(仮想通貨)「チリーズ(CHZ)」を活用するファン向けアプリ「Socios.com」のCEOでもある。

仮想通貨のCHZは日本でも複数の取引所に上場している銘柄。チリーズには日本の投資家も高い関心を持っている。

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企業の概要

ドレイファス氏は、最初に企業としてのチリーズについて説明。同社の創設は5年前(2018年設立)で、マルタを拠点にする企業であると話した。そして、従業員は合計で約300人いるとし、従業員の数でみれば、ブロックチェーン業界で最大規模であると述べている。従業員は30カ国に点在し、メインのオフィスは世界に8箇所あると語った。

講演のスライドによれば、マルタ以外にメインのオフィスがあるのは、スペイン、スイス、トルコ、ブラジル、英国、米国、フランス、韓国の8カ国。スペインにも本部機能があるようだ。

これまでの取り組みについては、著名サッカー選手のリオネル・メッシ氏をSocios.comのアンバサダーに任命したことを報告。また、現在まで80以上のファントークンを発行してきたとも話している。

公式ウェブサイトによれば、本記事執筆時点で発行したファントークンは82種類。スポーツのパートナーは世界に150以上おり、エコシステムには200万超のユーザーがいる。

ファントークン

ファントークンについては、各チームが発行するもので、NFT(非代替性トークン)とは違い代替可能であると説明。ロイヤルティプログラムのように機能するとし、各チームは自国以外にファンを作ることができると語った。これは、チームの地域以外で、収益化することができることも意味する。

一方で、トークン所有者にとっては、チームの運営に参加したり、特典を受けたりすることが可能になるメリットがあると説明。そして、ファントークンのエコシステムは自律分散型組織(DAO)に似ていると述べた。

ドレイファス氏によれば、ファントークンの取引高はNFTの10倍。同氏は、スポーツ業界の受動的なファンを、能動的なファンに変えたいと語っている。

能動的なファンとは、好きな選手らをX(旧ツイッター)で追いかけ、フォローするというような一方的な関係を構築するのではなく、自身も恩恵を受けたり、チームの運営に関わったりするような人のことだいう。

ファンのエコシステム

実際にファンがチームの運営に関与した事例としてドレイファス氏は、スイスのサッカーチームを紹介。「BSC YOUNG BOYS」というチームは2022年1月、ユニフォームのデザインを4つの中から、ファントークン所有者に投票で決めたもらった。

ほかにも、イタリアの著名なサッカーチーム「ユベントス」が、ゴールが決まった時の音楽をファントークン所有者に投票で選んでもらった事例を紹介。ユベントスは、過去にファンが音楽を決めたことはなかったという。

また、ファントークン所有者への報酬プログラムの事例もあると説明。サイン入りのユニフォームやグッズ、試合のチケットをもらうなどの報酬をトークン所有者に提供するという活用方法もあると話した。

日本について

ドレイファス氏は今回、日本やアジアについても語った。日本を含むアジアは、世界のブロックチェーン開発の中心になりつつあるとの見解を示している。

講演のスライドでは、アジア太平洋地域の国々は技術インフラに大きな投資を行い、ブロックチェーンの開発・普及のための強い基盤を構築していると指摘。そして、この地域には、政府がブロックチェーンの可能性を認め、肯定的な規制を作っている国があると述べた。

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ドレイファス氏は、チリーズには東京を拠点にする日本チームがあると説明。そして、CHZだけでなくファントークンもローンチできるように取り組んでいるとし、規制整備にも協力していくと話した。

また、日本にはサッカーファンが多く、好きなチームと関係を深めたいと思っている人が多いと指摘。この点からもチリーズにとって日本は重要であると語った。

同社は欧州でライセンスを取得しているとも述べ、日本にも投資していくと説明。そして、日本コミュニティのサポートに感謝しているとも話している。

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日本における取り組みの事例としては、仮想通貨取引所コインチェックが2021年、NFTマーケットプレイス事業においてチリーズと連携を開始したことを発表した。

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ドレイファス氏について

ドレイファス氏は、デジタル業界で27年以上の経歴を持つ連続起業家。1990年後半にWebcity、その後もMediarex Sports & Entertainmentなどの企業を創設している。

チリーズは、ブロックチェーン業界でスポーツとエンターテインメントの世界的なリーダーになることをミッションに創設。同年にプロジェクトの取り組みの1つとしてSocios.comをローンチした。

創設後は、有名スポーツ組織らと提携。パリ・サンジェルマンやユベントスらのサッカーチーム、バスケットボールチーム、アメフトチーム、またゲームのチームらともパートナーシップを締結してきた。

チリーズは、イーサリアム(ETH)の仮想マシン(EVM)と互換性のあるL1ブロックチェーン「Chiliz Chain」をローンチ済み。Chiliz Chainをスポーツやチーム、ファン、開発者のインフラにして、ファンとブランドをつなぐ体験やプロダクトを提供しようとしている。

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