JPモルガンのデジタル通貨活用
米金融大手JPモルガンは、デジタル通貨「JPMコイン」で1日に合計約1,500億円(10億ドル)相当の取引を処理していることがわかった。
現在JPMコインを活用しているのは企業の顧客である。今後JPモルガンは、JPMコインを消費者も利用できるようにしていく計画だという。
今回の情報は、JPモルガンで決済部門のグローバル責任者を務めるTakis Georgakopoulos氏が26日に「ブルームバーグ」のインタビューで明かした。様々な内容について話す中でブルームバーグのインタビュアーがJPMコインについて聞いた際に、Georgakopoulos氏が説明している。
同氏は今回のインタビューで、従来の決済システムが抱える主な課題を以下の通り3つ挙げた。
- 処理速度が遅い。特に国際決済でこの傾向が顕著
- お金と情報が別々に移動する
- お金は代替可能だが、JPモルガンの作業は代替不可能
こういった非効率な面があると、決済の情報を一致させたり、追跡したりすることが困難になるなどとGeorgakopoulos氏は指摘。これらの課題を解決するためにJPMコインを開発したと話している。
JPMコインは、許可型の分散型台帳を基盤にするソリューション。国際決済などの複雑な課題を目指す「Coin Systems」の最初のプロダクトである。公式ウェブサイトには「分散型台帳が基盤」と書かれているが、具体的にブロックチェーン技術を活用しているとも述べている。
需要が増加
JPモルガンは以前からブロックチェーン技術の活用に積極的で、その中の取り組みの1つがJPMコインの開発・運用である。
JPMコインがローンチされたのは2019年。最近では今年6月に、米ドルに加えてユーロ建て取引が開始されたことが明らかになった。
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6月の時点で、JPMコインがローンチ後に処理した取引は合計で約45兆円(3,000億ドル)相当。JPMコイン以外を含めれば1日に約1,500兆円(10兆ドル)の取引を処理するJPモルガンにとってJPMコインの取引金額は小規模だが、今回のGeorgakopoulos氏の発言で、JPMコインの需要が高まってきていることがわかる。
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