CoinPostで今最も読まれています

世界最大級の会計事務所PwCが価格安定仮想通貨に着手 「透明性と資金の裏付け」の提供へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

PwCがCredの価格安定通貨(ステーブルコイン)をサポート
10月8日に、世界最大級の会計事務所PwCが、仮想通貨関連スタートアップCredと提携したことを発表した。両社は、米ドルに裏付けられた新しいステーブルコインの開発を進めていくことが明らかになった。
ステーブルコインの高まる競争
ステーブルコインへの注目はここ数ヶ月で大幅に高まり、VC企業のAndreessen Horowitzや、IBMなどの有名企業もこの分野に参入し、競争性が高まってきていると言える。
ステーブルコインとは
フィアット(法定通貨)を担保にして発行することで、その通貨と同等の価値を維持する仕組みをもった仮想通貨のこと。基本的に対応したフィアットの価格に連動する。代表的な例はUSDTで、1USD=1USDTで価格が安定する仕様だ。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

PwCがCredの安定通貨をサポート

10月8日に、世界有数の会計事務所であるPwCが、米ドルに裏付けられた新規安定通貨の発行を計画している仮想通貨関連スタートアップCredと提携を行なったことを発表した。

Credは、分散型国際貸付プラットフォームを運営し、いつでもどこからでもクレジットを利用できる体制を整えている。また同社は、PayPalのフィンテック部門のベテラン達によって創業され、サンフランシスコ、上海、ミュンヘンを始め、世界各地にオフィスを有している。

今回公式プレスリリースにて、Credが開発している安定通貨に対し、PwCは会計的知見を始めとするリスク、管理、セキュリティ、運営も含む専門性で”100%の透明性と価値の裏付け”を提供すると記述し、台頭する安定通貨への関与に言及した。

Credの共同創業者で代表取締役を務めるDan Schatt氏は、今回のPwCの仮想通貨業界への参入に対し以下のようにコメントしている。

「PwCの仮想通貨コミュニティへの大々的な取り組みは、一般投資家、メインストリームの金融サービス提供業者、仮想通貨ファンに対し、世界が、信頼できる第三者機関の必要性を超えた、分散型、透明性、説明責任といった所に向かっているという非常に強いメッセージを示唆している。」

さらに、PwCは、公式サイトで、この取り組みによって仮想通貨業界に自信と信頼、安心をもたらすことで、次なる1億人の仮想資産ユーザーの指針になると力強いメッセージを記述し、その信頼できる米ドルが裏付けられた安定通貨の欠如こそが多くの潜在投資家を仮想通貨から遠ざけていることを示唆した。

安定通貨の高まる競争

法定通貨に裏付けられている安定通貨(Stable Coin)は、ここ数ヶ月で急激に注目されるようになってきており、PwC以外にも多くの企業が進出してきている。

過去にUberやAirBnBなど数多くのプロジェクトを成功させてきたアメリカのベンチャーキャピタルAndreessen Horowitz社は、米ドルに裏付けられた安定通貨DAIの価値や信頼性を保証する仮想通貨Maker(MKR) に約17億円の出資を行った。

そして、その発行元であるMaker Foundationとも提携を行い、プロジェクト成功に必要な専門知識などのサポートを受けると記述された。

さらに、仮想通貨スタートアップStrongholdが開発している安定通貨Stronghold USD に対しても、世界有数のテクノロジー企業IBMが支援することを発表している。

同様に米ドルに裏付けられた仮想通貨テザー(USDT)も仮想通貨取引で人気を誇っているが、実際その通貨が米ドルに裏付けられていないのではないかという疑惑もコミュニティ内から挙がっている背景からも、このような大手金融機関の参入は仮想通貨業界にとって喜ばしい状況であると言える。

仮想通貨取引所BinanceのCEOを務めるCZ氏も「仮想通貨市場へのさらなる資金流入には、法定通貨に裏付けられているStable Coin(安定通貨)も重要な役割を果たす」と言及するなど、安定通貨の重要性は今後も高まっていき、仮想通貨業界の今後を支えていく存在になるのではないだろうか。

参考記事:pwc公式プレスリリース

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

【速報】ウィンクルボス兄弟、世界初の規制に準拠するUSD裏付け仮想通貨をローンチ
ウィンクルボス兄弟によって設立された仮想通貨取引所Geminiは、様々な噂が立っているテザー(USDT)の代替手段となりえる、米ドルに裏付けされたERC20トークンであるGemini dollar(GUSD)の作成を発表。
急増するステーブルコインの現状調査:仮想通貨市場における位置づけとは
Blockchain社はステーブルコインを取り巻く現在のトレンドを調査し、ステーブルコインの流通量や種類、またステーブルコインが市場のボラティリティ低下の一助になるのかを考察したレポートを発表した。
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/27 水曜日
14:35
米議員ら、SECゲンスラー委員長に現物ビットコインETFの承認を要請
米国の超党派議員らは米証券取引委員会ゲンスラー委員長に書簡を提出。現物ビットコインETFの上場をただちに承認するよう要請している。
13:30
ブラックロックなど大手運用会社、ビットコイン・マイニング投資が増加
世界の巨大資産運用会社であるブラックロック、バンガード、ステート・ストリートが、ビットコインマイニング市場での影響力を強めつつある。特にBlackRockは2020年から米マラソン・デジタル・ホールディングスへの投資を増加し続けている。
12:57
米パンテラキャピタル、Web3業界の報酬水準について調査結果を発表
米仮想通貨ファンド大手Pantera Capitalは、Web3業界の報酬調査結果を公表した。透明性を高めることで、新たな才能をエコシステムに呼び込み、イノベーションの促進を図るというのが、その動機だという。
12:25
SECがビットコインETFの審査判断を来年1月まで延期、BTC取引量は6年ぶり低水準
長期金利上昇や米政府機関の閉鎖リスクなど不確実性が高まり米株指数が続落する中、暗号資産(仮想通貨)市場では、Ark Investと21 Sharesが申請中のビットコインETF審査判断が2024年1月まで延期された。
11:05
Celestia、58万アドレスへのエアドロップで初期参加促す
モジュラー型ブロックチェーンCelestiaは、独自トークンTIAを配布する計画を明らかにした。エアドロップを通じてイーサリアムとコスモスエコシステムのアクティブユーザーの関与を促進するねらい。対象アドレスは約58万件に及ぶ。
09/26 火曜日
17:16
L2「Base」、取引数急増の背景とその重要性とは?
コインベース支援のL2「Base」がトランザクション数で競合のArbitrumとOptimismを上回った。新興のソーシャルファイ「Friend.Tech」の影響と、各プラットフォーム及びイーサリアム保有者にもたらす利点を探る。
15:17
テザー社、シンガポールにおけるUSDTの規約変更に関する噂を否定
テザー社のパオロ・アルドイノ氏は、シンガポールにおけるUSDTサービス停止に関する噂を否定した。利用規約は数年前に変更されたものだとしている。
13:21
Arbitrum、83億円相当のARBをDAOの財源へ
仮想通貨イーサリアムのL2アービトラムは、ARBのエアドロップ未申請分83億円相当をArbitrum DAOの財源に割り当てたことを発表。数量は6,944万ARBで、初期発行量の0.69%相当である。
13:14
JCBAがIEO制度改革案を公開、企業の資金調達推進へ
一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は、IEO制度の健全化を目指す自主規制改革の初期案を公開した。価格の安定性向上と制度の運用方法の改善を目指し、関係者のロックアップ制度の確立、流動性の確保、公募価格の算定方法の多様化、及び安定操作の整備が挙げられている。
12:54
米SEC、破綻したセルシウスの資産分配についてコインベースの役割に異議
米証券取引委員会は、破綻した仮想通貨融資企業セルシウスの資産分配について、コインベースが果たす役割に反対する文書を提出した。
10:06
Friend.techコード活用のソラナ「Friendzy」急拡大
「Friendzy」は、ソーシャルファイ分野で注目を集める分散型アプリ「friend.tech」の類似技術を利用しており、ソラナエコシステム内で活況を呈している。週間取引量は1.36億円に達し、市場を牽引するfriend.techの半分近くに迫る勢いだ。
08:30
HTX(旧Huobi)、ETH12億円相当が不正流出
仮想通貨取引所HTX(旧Huobi)のアドバイザーであるジャスティン・サン氏は、HTXからイーサリアム12億円相当が不正流出したと発表。ユーザーの資産は安全であると説明している。
09/25 月曜日
21:35
5000BTC以上ビットコイン買い増し、米マイクロストラテジー
米マイクロストラテジーは新たに1.47億ドルのコストで5,445 BTCの仮想通貨ビットコインを取得した。
20:14
三菱UFJ信託銀行、バイナンスジャパンと協業で新たなステーブルコイン検討へ
三菱UFJ信託銀行は、バイナンスジャパンとステーブルコイン発行・管理基盤「Progmat」の協業により、円建てやドル建てを対象とした新たなステーブルコインの共同検討を開始することがわかった。
14:16
テラクラシックコミュニティ、 ステーブルコインUSTCの発行停止を決定
仮想通貨テラ・クラシック(LUNC)のコミュニティは、ステーブルコインUSTCの全ての新規発行及び再発行の停止を決定した。コミュニティ投票では、59%が賛成票を投じ、発行停止が可決された。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧