利下げがビットコイン需要を後押しか
暗号資産(仮想通貨)投資企業グレースケールは1日、3月の暗号資産(仮想通貨)市場レポートを発表した。
中央銀行が金利引き下げの構えを見せていることが、ビットコイン(BTC)や現物のゴールド(金)など代替となる価値保存手段への需要を促している可能性があるとしている。
リスク調整済みベースのパフォーマンス(各資産の年間ボラティリティでリターンを割った数値)では、ゴールドが最も高く、米国外の先進国株式・ビットコインと続いた。イーサリアム(ETH)もコモディティなどと並んで好成績を上げている。
グレースケールは、ブルームバーグのレポートを引いて日本銀行を除くG10の中央銀行は、来年にかけて政策金利を引き下げることが予想されていると述べた。また、FRB当局者らは3月19~20日の会合で、GDP成長率とインフレ率の上昇予想にもかかわらず、今年3回の利下げを計画していることを示唆したと指摘している。
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ビットコインは強気相場の「中盤」と分析
グレースケールは、現在はビットコイン強気市場の「中盤」にあり、価格は上昇し続ける可能性があるとの見解を述べた。
3月にはビットコインは史上最高値を更新したが、トレーダーがレバレッジを削減し、米国のビットコイン現物ETFへの流入も鈍化して、月半ばに約13%の下落があったとおさらいしている。
ビットコインETFとは
ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの資金としてまとめ、株式や債券などに投資して運用される金融商品。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっている。投資信託の中でもETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買ができる。
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一方で、ビットコイン現物ETFへの純流入額は引き続き、ビットコインの新規発行額を大幅に上回っていると続けた。
グレースケールは3月25日のレポートでもビットコインに言及し、取引所における準備金増加などステーブルコインの流動性が高まっており、これは強気市場の勢いとも相関している可能性があるとしている。
また、DeFi(分散型金融)プラットフォーム内の預け入れ総額(TVL)も2023年末から2倍以上に増加しており、仮想通貨エコシステムにおけるユーザー活動のレベルが高まっていることを示すと分析した。
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イーサリアムについて
イーサリアム(ETH)については、大型アップグレード「Dencun」が完了しArbitrumなどL2のトランザクションコストが大幅に引き下げられたが、イーサリアムのパフォーマンスはビットコインよりも低く、ETH/BTC価格比率は1月初旬以来の最低水準に低下したと指摘している。
今後二か月は、イーサリアム現物ETFの承認可能性が重要な要素になってくると述べた。
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