CoinPostで今最も読まれています

ビットコインの新トークン標準「Runes」が注目される理由

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

注目される新たなトークン標準

暗号資産(仮想通貨)ビットコインの新たな代替トークン基準「Runes」にコミュニティの注目と期待が集まっている。

Runesは、ビットコイン上でNFT(非代替性トークン)の発行を可能にした「Ordinals(オーディナル)」の開発者、Casey Rodarmor氏による新しいプロトコルで、現在の代替トークン標準(BRC-20)を改善するものだ。

BRC-20との主な違いは、BRC-20が既存のプロトコルを活用してNFTに似たようなトークンを発行するのに対し、Runesはビットコイン上で代替可能なトークン作成を行うために、より効率的になるようゼロから設計されている。

また、BRC-20がアドレス(ウォレット)残高の管理方式として、イーサリアムと同様、アカウントに直接記録するアカウント方式を使用しているのに対し、RunesはUTXO(Unspent Transaction Output=未使用トランザクションアウトプット)方式を使用する。UTXOはユーザーが受け取ったものの、使用していないビットコインの量を表している。

Rodarmor氏は、BRC-20などのトークン基準が、オフチェーンのデータに依存する傾向があるのに対し、Runesでは完全にオンチェーンになるため、UTXOモデルが優れていると主張する。

関連:BRC-20とは?ビットコインのトークン規格がもたらす可能性と課題

BRC-20の問題点とRunesの改良点

BRC-20では、代替可能なトークンのバーンと鋳造プロセスを通じて、余剰のジャンクUTXOが生成されるという問題が指摘されている。その結果、ブロックチェーンが肥大化し、手数料が高騰してしまう。

Runesプロトコルでは、以下のような点が改良されている。

  • ジャンクUTXOの作成を回避
  • オフチェーンデータに依存しない
  • 追加のネイティブトークンを必要としない
  • ライトニングネットワークに対応
  • UTXOにデータが隠されるため、プライバシーが向上する

Runesの利点は他にもあるそうだ。

オンチェーンデータの保存にUTXOを使用することで、ビットコインのより強力な安全機能を利用でき、脆弱性のリスクが低減される。UTXO基盤であるため、ブロックチェーンの再編成(巻き戻し、リオーグ)に対する耐性が高い。再編成は、2つのチェーンがその有効性についてノードからの承認を競う際に起こるもので、より長いチェーン(承認数が多いチェーン)が正当なチェーンとして継続することになる。

大手金融が期待

大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは15日、Runesに関するレポートを発表。Runesが代替可能な仮想通貨分野において、イーサリアムソラナとの差を埋めるのに役立つと主張した。

現在、ビットコインの代替可能なトークン市場は、ETHやSOLに比べて非常に小さい。しかし、より効率的なトークン標準(Runes)の立ち上げにより、ビットコインは、その代替可能な時価総額と他のブロックチェーンの時価総額との差を縮めるのに有利な立場となるだろう。

ビットコイン上の分散型金融(DeFi)が、「指数関数的な成長」を遂げるためには、広く採用される代替トークン標準が欠かせないと同社は指摘する。

Runesプロトコルは、4月20日に予定されているビットコインの半減期に合わせてローンチされる予定だ。

我々は、OrdinalsがビットコインのNFT市場に行ったのと同じことを、Runesがビットコインの代替トークンとDeFi市場で達成できるかどうか、楽しみにしている。

関連:ビットコイン半減期まであと4日、コインベースが動画で価値の変遷辿る

関連:ビットコインの買い方|初心者が知るべき投資メリット、リスク、最適な取引所選び

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア