再申請の可能性も
米証券取引所大手ナスダックは15日、ビットコインとイーサリアムETFのオプション取引の上場に関するSECへの提案を撤回した。
ナスダックはSECへの通知書類で「提案書は2024年8月12日に連邦官報に掲載された。SECは本提案に対するコメントを受領しなかった。2024年8月13日、取引所は提案を撤回した」としている。
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過去一週間、NYSEやMIAX、BOXといった他の米国証券取引所も同類のETFの上場に関する提案を取り下げていた。
一方、コモディティ取引大手のCboeも一度は提案を取り下げたもののその後再提案を行っている。Cboeが申請しているのは、グレースケールやヴァンエック、ブラックロックが提供するビットコインETFのオプション取引だ。
撤回の理由は明らかではないが、ブルームバーグのETF専門家ジェームズ・セイファート氏は、ナスダックとNYSEの両社が近いうちにCboeのように提案内容を更新し再提出するとの見通しを示した。
SECは3月にナスダックやCboeが当時提案したビットコインETFのオプション取引の判断を延期した経緯がある。現時点では、SECがビットコインとイーサリアムETFのオプション取引を承認した事例はまだない。
グレースケールの前CEOであるマイケル・ソネンシャイン氏はオプションを承認するようSECに強く求めており、仮想通貨ETFのオプションが投資家のポートフォリオの選択肢を豊富にすると主張している。
オプションは、将来の特定の時点であらかじめ決められた価格で資産を売買する権利を提供する金融商品で、主に価格変動リスクを軽減するために利用されることが多い。オプションの導入により、ETFに投資する大口投資家にとってリスク管理の手段が増え、投資戦略の幅が広がると期待される。