- ドイツ銀行の元トレーダーが仮想通貨ヘッジファンドを立ち上げ
- ドイツ銀の元トレーダーが共同で最大110億円以上(初期ファンドは3千万ドル)の規模の仮想通貨ファンドCircuit Capitalを立ち上げることを発表。弱気相場で減退する一般投資家とは異なる機関投資家の状況を説明した。
仮想通貨ヘッジファンドの傾向
仮想通貨市場は、2018年年始から弱気相場を続けているものの、仮想通貨ヘッジファンドは参入は相次いでおり、市場の低迷による一般投資家の関心とは逆行している傾向がある。
以前、仮想通貨調査会社が2018年に設立されたヘッジファンドの20%が仮想通貨専門を掲げており、そして、その大半の資金を仮想通貨に直接投じているとの統計結果をコインポストでも報道した。
20%というパーセンテージは小さいようにも思えるが、市場規模が既存の株式や為替、またデリバティブ市場と比較すると極端に小さい仮想通貨において、トレンドや注目度は増している傾向が見受けられる。
市場規模簡易比較
仮想通貨市場:約30兆円
東証(日本):約677兆円
NY証券取引所(米国):約2500兆円
米ドル(USD):約1787兆円
新たにドイツ銀行の元トレーダーも参戦
米有力誌ブルームバーグの報道によって、ドイツ銀行の元トレーダーが共同で30億円超えの仮想通貨ヘッジファンドCircuit Capitalを立ち上げたことが明らかになった。
今回のCircuit Capitalは、サンフランシスコとシンガポールに法人を置く仮想通貨ヘッジファンドであり、来年1月に業務開始を予定する様だ。
そして、世界的メガバンク=ドイツ銀行(Deutsche Bank AG)の元トレーダーのEugene Ng氏とTikehauキャピタルの元非公開株アナリストを務めたAaron Tay氏も共同創設者であり、仮想通貨をトラッキングするインデックスの開発も手がける予定だ。
同ヘッジファンドが開発したブロックチェーン基軸の仮想通貨を追跡するインデックスは、使用されるウォレット・取引高・ハッシュパワー・仮想通貨の記事の検索・業界の人材募集等10点のデータポイントに基づくベンチマークとなっており、新たな仮想通貨をみる指標として注目されている。
また、Circuit米国の業務を運営するベテラン投資家のBo Nam氏は、来年の第一四半期にローンチする時には、約3千万ドル(≒34億円)のファンドを調達すると予定しており、110億円以上の規模を目指していることを明らかにした。
この金額は、業界大手のCoinbaseカストディ が先日発表した5億ドルのファンドよりは規模が若干小さいと見られがちではあるものの、Nam氏は、新興の仮想通貨市場においては割と野心的金額だと言及している。
仮想通貨ヘッジファンドは強気の傾向
Ng氏は、この新しいヘッジファンドに関して、ブルームバーグの取材に対して以下の様に語った。
相場の動きは別として、仮想通貨の採用率が増えつつあり、仮想通貨の関連ビジネスに展開しようとしていることもよく見られるようになってきている。
人材も段々とこの業界に移りつつあり、しかも機関向けのインフラも開発されている。
業界としてはまだまだ市場規模も小さく、規制も国際的に議論されている状況ではあるものの、一般投資家以上に関心が高まっている企業や機関の動きは、長期的な目線での期待値を示唆していると言えるだろう。
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