- CoinbaseカストディとWilshire Phoenixが提携:仮想通貨ファンドを設立
- ニューヨーク州政府から適格カストディアンとして認定されたCoinbaseカストディは、Wilshire Phoenixと新たなパートナーシップを締結し、年末までに5億ドル(≒560億円)のファンドを立ち上げる予定。今後のさらなる機関投資マネーの流入に期待。
- ピックアップワード「Coinbaseカストディとは」
- ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)から認可を受けたCoinbase社のカストディ事業をてがける独立した別会社。
Coinbaseカストディが仮想通貨ファンドを共同設立
米有力メディアBusiness Wireに掲載されているプレスリリース によれば、Coinbaseカストディとニューヨークの投資会社Wilshire Phoenixは、新たな機関投資家向けの仮想通貨ファンドの立ち上げに向けてパートナーシップを締結した。
時期は今年末を予定しており、5億ドル(≒560億円)規模になることが想定されている。
Coinbaseが、仮想通貨業界における、機関資金を牽引していくことを目指している中、同社のCoinbaseカストディ部門は先月にはニューヨーク州金融サービス局から正式に適格カストデイァンの認可を受け、「預金信託会社」と同様なステータスへと昇格し、Coinbaseから独立した。
この銀行法に則ったカストディアンの信頼憲章こそが今回の提携に至った要となったという。
新たなパートナーシップは機関投資家をターゲットに
“A new partnership with Wilshire Phoenix is designed to take things to a whole new level. Bringing Coinbase Custody to a new $500m fund is a major step in the right direction.” @LiveBTCNews, we agree. #FridayFeeIing https://t.co/tk8lBQ6kcg
— Wilshire Phoenix (@WilshirePhoenix) 2018年11月2日
Wilshire Phoenixのツイッターによると、今回のパートナーシップは、仮想通貨業界に関わる物事全体を次のレベルへ押し上げることが期待される。
そして、Coinbaseカストディに5億ドルのファンドを組み入れることはそれにおいての大きなステップであると楽観的な姿勢を示している。
また、このファンドはビットコインのみが投資対象となり、アルトコインに関しては現在では対象外となっている模様だ。
この動きにより、ビットコインへのさらなる注目が高まると期待されるだろう。
適格投資家と金融機関の両者をターゲットとしたWilshire Phoenixのこの新たなファンドは、機関投資家によるビットコインへの資金流入をより容易なものへと近づけるとされる。
なお、先物取引のような信用取引は提供されず、現物ビットコインへの直接投資でもないこのファンドは、今回では具体的な商品の方式に関しては明かしていない模様だ。
しかし、「ビットコインの突然の価格変動によるリスクを回避しながら投資ができる商品を提供する」とだけ言及された。
このファンドに対する期待感とは
Wilshire Phoenix社設立者のBill Hermann氏は今回のパートナーシップについて以下の通りに述べている。
CoinbaseカストディはWilshire Phoenixに、デジタル資産の管理においてベストなプラットフォームを提供する。また、Coinbaseカストディのチームは、機関クライアントへのソリューションの実行や導入において、単に将来のプランを語るのみのところとは違い、確固たる努力がある。
我々はCoinbaseとの、数ヶ月、数年と継続していくであろうパートナーシップに期待を寄せている。」
また、このニュースが舞い込んだ時期は、ビットコインの論文(ホワイトペーパー)が公開10周年を迎えたタイミングでもあり、成熟後の新しい領域に踏み込もうとしているという見方もされている。
機関投資家による資金流入は未だ模索中のビットコイン、仮想通貨業界における重要事項の一つと言えるだろう。
Coinbaseにとっても、この新たなパートナーシップは、大きな戦略的な市場機会を得たことになりうると考えられる。
機関投資家を迎えようとする業界の動き
Coinbaseカストディの仮想通貨ファンドのみならず、本日報道した英国大手独立金融コンサルタント企業deVereが裁定取引を目的とした仮想通貨ファンドを設立したニュースや、先日、世界最大級の金融サービスプロバイダーFidelity Investmentsが新会社Fidelity Digital Asset Servicesを設立し、機関投資家向けの仮想通貨取引プラットフォームと仮想通貨カストディを2019年初頭から提供すると明らかにしたことなど、機関マネーを招く工夫が多く見られる。
そして、注目すべきところは、これらのサービス提供企業自体もまた、大規模機関投資家でもあることだ。
つまり、機関投資家関連の仮想通貨市場における動きは、幅広くシナジーをかけて、機関投資家を引き寄せ、全体仮想通貨市場を活性化する可能性が高いとされている。
今後も、この様な動向に注目したい。
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