TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨市場の不況が英規制機関をプレッシャーから解放か、年内に「グレーゾーンを明確にする」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

イギリス財務省の肩の荷が下りる
仮想通貨市場は2017年に大幅な成長を遂げたため、消費者保護などの早急な規制が求められていた。しかし、特にここ数日において同市場の成長が鈍化したため、イギリス財務省はそのプレッシャーが緩和されたと示唆した。
イギリス金融行動監督機構の対応
イギリス金融行動監視機構(以下、FCA)は、年内までに仮想通貨の”グレーゾーン”を明確にしたいと述べた。SECでも複数通貨が証券認定を受けたことから、FCAでも仮想通貨分類の詳細が明らかにされるのではないかと考えられている。

仮想通貨の価格下落がイギリスの規制機関に与える影響

振り返ると、2017年は仮想通貨が大きく躍進した年であり、その価格急騰だけでなく、それに伴う認識も広がりつつある。

特に主要仮想通貨の伸びが注目され、ビットコイン(BTC)はクリスマス前に過去最高値となる20,000ドル(約220万円)を記録していた。

しかし仮想通貨の人気が加速した一方で、規制や消費者保護がその速度に追いついておらず、多くの人々が詐欺に引っかかる、内容のないICOプロジェクトに自身の資産を投じてしまうなど、様々な副作用が生じていた。そのため、早急な法整備や世界で統一された規則などの必要性も急速に高まっていたと言える。

イギリスでも例外なく、一刻も早い仮想通貨関連の規制の整備を行うために注力してきていたが、昨今の仮想通貨市場全体の価格下落に起因する同市場の成長速度の鈍化により、そのプレッシャーから解放され、肩の荷が下りたことを、ロイターの報道 によって、イギリス財務省の金融サービス部の副ディレクターを務めるGillian Dorner氏は以下のように示唆した。

私たちは、もう少し深く掘り下げ、時間をかけて、適切なアプローチを取れるように注力して行きたい。

仮想通貨市場は、大きなニュースなどによって価格が大きく左右されてしまう傾向が高いため、国々が厳格な規制を発表することが仮想通貨価格の下落に直結してしまうことも多く見られた。

例えば、中国のような厳格な規制を施行してしまえば、その価格だけでなく、自国の仮想通貨関連ビジネスにも影響を与えるため、同業界において国家の規制ほど重要視されるものはないだろう。

Dorner氏は、イノベーションを促進するとともに、消費者保護、市場の安定、金融犯罪の防止を両立するために、取り組んで行くと、政府のカンファレンスで言及した。

イギリスFCAの対応

上述の英政府のカンファレンスでは、イギリスの金融行動監督機構(FCA=日本の金融庁に相当する)の戦略競争部門責任者を務めるChristopher Woolard氏(以下、Woolard氏)も、仮想通貨業界に存在する『グレーゾーン』を無くし、白黒の境界線を明確にすることが必要であると以下のように述べている。そして、その概要は今年末までに明らかになるとされた。

どの仮想通貨がFCAの規制範囲に入り、どの仮想通貨が規制範囲外に抜けるのか明確に決まるだろう。

FCAの責任者を務めているAndrew Bailey氏も以前、金融分野における仮想通貨関連のイノベーションを促進していく一方で、存在し得るリスクを最小限に抑えていく規制を施行していきたいと言及している。

英規制局『仮想通貨のリスクを最小限に、革新は最大限に』
英規制局の集う年次会議にて、金融イノベーションをもたらす可能性を持つと言及。英政府が技術的イノベーションと消費者保護をどのように両立していくかがキーポイントとなる。

そして、今年3月には、イギリス財務省、FCA、中央銀行が仮想通貨関連のリスクや可能性を特定するため、専門調査チームも発足させた他、先月では仮想通貨デリバティブ商品(差金決済取引)の一般販売を禁止する可能性も示唆した。

先日アメリカの証券取引委員会(SEC)も、二つの仮想通貨プロジェクトを証券であると判断し、分散型仮想通貨取引所EtherDeltaの運営者にも未登録証券の取引を提供したとして罰金を課している。

この複数ICOプロジェクトの有価証券認定、そして、有価証券か否かを判断する際に使用するHoweyテストをもとにICOプロジェクトを分類していくと、その95%以上が有価証券に値すると考えられている。つまり、ほとんどの仮想通貨プロジェクトが規制対象となり、証券登録により一部の取引所でしか取引できない流動性の低いものとなってしまう可能性があると懸念されている。

そして、アメリカSECの動きに続き、イギリスFCAのWoolard氏も「グレーゾーン」を明確にすると言及していることから、仮想通貨の分類方法の詳細が公開されることが期待されるだろう。

CoinPostのLINE@

早くも登録者4,000名突破。スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれるLINE@です。

▶️本日の速報をチェック

またSECの最近の法執行やその分析をまとめたので、以下をご参照ください。

CoinPostの関連記事

米有識弁護士『SECの法執行で仮想通貨の価値は揺らがない』:ビットコイン暴落との因果関係を否定
米弁護士Stephen Palley氏は、Bloombergのインタビューに対し、SECは従来法に則ってICO2件について法執行を行ったのみであり、仮想通貨の価値が否定された訳ではなく、今回の暴落に対する因果関係はないと語った。
米有識弁護士が解説:SECがICOに対する「法的執行」を総括、第二段階に突入
仮想通貨界隈の法律アナリストとしてSNS上で信頼される米国弁護士Jake Chervinsky氏は先日SECが2つのICOに対する法的和解を受け、「ガイダンス段階」が終わり、「業界の清掃」という第二段階を始めようとしているではないかと分析している。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/22 金曜日
13:50
米SEC敗訴、連邦地裁がディーラー規則は無効と判断 「仮想通貨業界全体にとっての勝利」
米連邦地裁がSECのディーラー規則を無効と判断し、SECの敗訴が確定した。原告の米ブロックチェーン協会CEOは、この判決は仮想通貨業界全体の勝利であると表現。ディーラー規則は分散型金融に重大な影響を与える可能性が危惧されていた。
13:10
トレードの機会損失を最小限に、メタマスクがイーサリアムガス代込みスワップを新たに導入
仮想通貨イーサリアムの主要ウォレットMetaMaskは新機能「Gas Station」の導入を発表した。ガス代不足によってスワップが中断されることを防ぐものである。
11:26
チャールズ・シュワブ次期CEO、規制緩和で仮想通貨現物取引への参入示唆
米大手ブローカー、チャールズ・シュワブの次期CEOが、規制環境の変化があれば仮想通貨現物取引へ参入すると述べた。トランプ新政権に期待する格好だ。
10:10
仮想通貨擬人化BCG「コインムスメ」、板野友美がアンバサダー就任
タレントの板野友美氏がWeb3ゲーム「コインムスメ」のアンバサダーに就任。板野氏プロデュースのアイドルグループとのコラボユニットも結成する。
09:55
Suiブロックチェーン、稼働停止の原因や対策を公表
約2.5時間稼働を停止していた仮想通貨SUIのブロックチェーンが復旧。その後、原因や今後の対策を公表している。
08:20
マイクロストラテジー、ビットコイン追加購入のための30億ドル調達を完了
米マイクロストラテジーは21日に仮想通貨ビットコイン追加購入のための、2029年満期の無利息転換社債の募集を完了したと報告した。
07:50
金融庁、仮想通貨仲介業の新設を検討
仮想通貨のイノベーションと利用者保護の両立に向けて、金融庁が仲介業の新設を検討。この会議ではステーブルコインも議題に上がった。
06:45
トランプ氏のメディア企業、「TruthFi」仮想通貨決済サービスの商標出願
トランプ次期大統領が保有するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループは今週、デジタル資産取引やその他決済処理サービスのプラットフォーム「Truthfi」の商標出願を行った。
06:25
SECがソラナ現物ETFの審査開始、2025年承認へ期待高まる
米証券取引委員会はソラナ現物ETFの上場申請に関する審査を開始したようだ。SOLは本日8%上昇している。
06:08
トランプ次期政権の仮想通貨諮問委員会、ビットコイン準備金設立の可能性=報道
トランプ次期大統領が提案した仮想通貨諮問委員会は、米国のビットコイン準備金を設置する可能性があると報じられた。
05:45
SOL史上最高値更新やXRP高騰、ゲンスラーSEC委員長の退任確定を受け
仮想通貨のソラナやXRPなど、SECが規制の標的としている銘柄は22日、ゲンスラーSEC委員長の退任が確定したことを受けて大幅に上昇した。
11/21 木曜日
17:00
BitwiseがソラナETF準備開始 デラウェアで信託登録完了
暗号資産運用大手Bitwiseが、ソラナ(SOL)ETF組成に向けデラウェア州で信託登録を完了した。VanEck、21Sharesに続く参入となる。
16:59
バイナンス、5種類の仮想通貨取引ペアを11月22日に取扱い中止
大手取引所バイナンスが、THETA/ETHやRARE/BRLなど5種類の仮想通貨取引ペアの取扱い中止を発表。11月22日12時より取引停止へ。各トークンは他の取引ペアで継続取引可能で、価格への影響も限定的。スポット取引ボットサービスも同時終了。
15:27
ビットコイン1500万円突破 ETFオプション解禁で資金流入加速
ビットコインが史上初めて1500万円を突破した。米国でETFオプション取引が解禁され、機関投資家の参入が加速。IBITへの1日1000億円規模の資金流入が継続する中、トランプ政権への期待も相場を押し上げる。バーンスタインは3100万円到達の強気予想を見立てている。
13:10
ソラナPhantomウォレット、米AppStoreの無料ユーティリティアプリ部門でトップに
ソラナ基盤のPhantomウォレットが米AppStoreで無料ユーティリティアプリ部門1位を獲得。無料アプリの総合部門でも5位に躍進した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧