トランプ氏と会談
暗号資産(仮想通貨)取引所Crypto.comのクリス・マルザレクCEOは17日、ドナルド・トランプ次期大統領と会談したと発表した。また、ブルームバーグによると、会談の直後にCrypto.comは米証券取引委員会(SEC)に対する訴訟を正式に取り下げた。
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— Kris | Crypto.com (@kris) December 17, 2024
匿名の情報筋によると、会談中の議論は、仮想通貨業界に関係する次期政権の人事と、米国政府によるビットコイン(BTC)準備金構想に集中していたとされる。
Crypto.comの広報担当者は、仮想通貨業界に対する明確な規制を推進するために新政権と協力していきたいと話した。
同社は10月、SECを提訴していた。トークンの証券判断を恣意的に行っており、行政手続法で義務付けられている通知およびコメント期間にも違反していると申し立てていた格好だ。
この動きは、SECが先に同社に法的措置を取る可能性を通知したことを受けてのものだった。SECはCrypto.comプラットフォーム上で提供されているソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)その他様々な銘柄について証券性を見出していた。
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トランプ新政権下でSECも新体制になることで、SECが一部の仮想通貨企業に対して進めている訴訟が取り下げられる可能性についても指摘する声がある。Crypto.comの今回の動きも、そうした期待を示唆するものと言えそうだ。
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新体制SECは過半数が仮想通貨肯定派に
SECは委員長含めて5人定員だが、現在のところ新体制ではこのうち3人が仮想通貨肯定派になることがわかっている。
仮想通貨業界に敵対的だった現職のゲーリー・ゲンスラー委員長は2025年1月で退任が決まっており、その後は元SEC委員で仮想通貨に肯定的なポール・アトキンス氏が委員長となる。
また、仮想通貨擁護派で「クリプト・ママ」の愛称でも知られるヘスター・ピアース氏(共和党)および、ピアース氏と共に内部からゲンスラー委員長下のSECによる規制を不明確だと批判してきたマーク・ウエダ氏(共和党)が続投。
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さらに、仮想通貨に反対している民主党のキャロライン・クレンショー委員は、任期が2025年末まで延長される可能性があったものの、先日、米国上院はクレンショー氏の再指名に関する投票を見送った。
このため、現在のところクレンショー氏の任期延長はきわめて難しいとみなされている。
投票見送りは、共和党が会合を拒否したことが背景だ。仮想通貨擁護の非営利団体「Stand with Crypto Alliance(クリプト支持同盟)」のサポーター5万人以上が、クレンショー氏の再指名に反対するメールを上院議員に送付していた経緯もある。
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