はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

SECクリプトママ、英国デジタル資産サンドボックスへの米国参加を提案

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタル証券のテストに参加提案

米証券取引委員会(SEC)のヘスター・ピアース委員は5月29日、英国の中央銀行であるイングランド銀行と英金融行動監視機構(FCA)によるデジタル資産サンドボックスに、米国も参加することを提案した。

英中銀とFCAのサンドボックスは、企業がセキュリティトークン(ST)などデジタル証券の取引や決済に分散型台帳技術(DLT)など新技術を使用するための実験的な規制環境を提供するものだ。投資家の保護、市場の健全性、金融の安定性を維持しながら、DLTにより金融取引の効率と速度を向上させる方法を探る。

なお、ビットコインなど裏付けのない暗号資産(仮想通貨)やデリバティブ契約については、このサンドボックスの対象とはならない。

サンドボックスとは

規制上のサンドボックスとは、一般的には、新しい技術やサービスを事業化する目的で、地域限定や期間限定で現行法の規制を一時的に緩和する制度。当局の監督の下で革新的な商品やサービス、ビジネスモデルをテストできる場合もある。

▶️仮想通貨用語集

ピアース氏は、英中銀とFCAの協議書に応答する形で提案を行っている。一人のSEC委員としての見解であり、SECや米国政府の他の部門の見解を反映するものではないとも注記した。

その上でピアース氏は、今回のサンドボックスを米国に拠点を置く企業も参加できるようにすることを提案している。米国企業が米国または英国の規制のいずれかを選択して、デジタル資産の取引活動をテストできるようにすることを唱えた。

企業の米国での活動には、規定の金額や顧客に関する上限が設けられ、証券法による詐欺防止規定の対象ともなるとしている。

さらに、米国と英国で協力してサンドボックスを実施することで、両国は情報を共有し、その調査結果を参照して、それぞれのデジタル資産セクターの規制を改善できると述べた。

ピアース氏は、SEC委員の中では仮想通貨擁護派の「クリプトママ」として知られている人物だ。SECが昨年12月に大手仮想通貨取引所コインベースからの、規制制定請願を却下した際には、この決断に反対を表明していた。

関連: 米SECがコインベースの規制制定請願を拒否 コインベースは上訴へ

「規制を構築する際にもメリット」

ヘスター・ピアース氏は、サンドボックスは規制の厳しいセクターでイノベーションを促進するのに効果的であることが証明されていると指摘した。

また、過去の調査結果を参照すると、規制当局にとっても以下のようなメリットがあると意見している。

  • イノベーションの開発プロセスに関して洞察を得られる
  • 新興の製品やサービスが現実でどのように機能するか理解できる
  • 政策を構築する際の実証的な証拠を得られる。特に、規制要件が不明確だったり存在しない場合、リスクに見合わない参入障壁がある場合に有益。

ただ、法律の専門家によると、SECがパース氏の提案に賛同する可能性は低いとみられる。ジョージア州立大学法学部助教授トッド・フィリップス氏は次のようにコメントした。

ピアース氏の提案は、ゲンスラー委員長が率いるSECでは受け入れられそうにない。

実現のためには、SECがサンドボックスを承認する必要があるが、採択されるとは思えない。現在のSECは民主党が過半数を占めており、彼らは規制サンドボックスは消費者保護法を弱体化させる裏口手段だと考える傾向にあるからだ。

現在、仮想通貨は今年の米大統領選における論点の一つともなりつつある。これまで仮想通貨に批判的だったバイデン氏の陣営も、業界から助言を求めていると伝えられるところだ。

関連米バイデン氏、仮想通貨業界に接近の姿勢か 大統領選控え

CoinPost App DL
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
02/19 水曜日
06:50
米SECがBitwiseのXRP現物ETF申請を受理 年内の承認予測率は78%
米SECが新たにBitwiseのXRP現物ETF申請についてのパブリックコメントを募集開始。グレースケールや21Sharesの申請に続き審査手続きが進行中。予測市場では2025年内の承認確率78%を示し、投資家の期待が高止まりだ。
06:20
ビットコイン買い増し予定、米ストラテジーが新たな資金調達へ
米ストラテジー社が20億ドルの無利息転換社債発行を発表。2030年満期の新規社債で機関投資家から資金調達へ。セイラー会長は先週のビットコイン非購入を報告、保有BTCは47.8万枚超を維持している。
06:02
破綻したFTXが現金での返金開始、5万ドル以下の顧客に最優先分配
仮想通貨取引所FTXが損害を被った顧客への返金を開始。第1弾として5万ドル以下の小口顧客への現金分配をBitGoとKrakenを通じて実施している。
05:40
グーグルがビットコイン参入を本格化、Googleアカウントでのウォレットログインなどで
グーグルがビットコインエコシステムとの連携を強化し、Web2ユーザー向けの参入障壁低下を目指す。グーグルアカウントでのウォレットログインやETFを活用した機関投資家向けサービスなど、仮想通貨普及に向けた取り組みを本格化。
02/18 火曜日
17:32
【初心者向け】仮想通貨(暗号資産)の確定申告手順をPC・スマホ別に解説|Gtax寄稿
仮想通貨の確定申告方法をPC・スマホ別に解説。必要書類や所得計算方法、申告が必要な条件、国税庁の確定申告作成コーナーの具体的な入力手順まで、初心者にもわかりやすく紹介。
17:25
ハイパーリキッドが「HyperEVM」を実装
高速取引で知られる分散型取引所Hyperliquidが、独自の金融サービス開発を可能にする「HyperEVM」を開始。開発者は新たなDeFiアプリケーションの構築が可能になる。
15:05
政府が長年保有するゴールド準備金は今でも実在するのか? イーロンマスクが監査を示唆 
米国ケンタッキー州に位置する軍事基地内の金保管施設「フォートノックス」。4,580トンもの金を保管するとされるこの施設が、イーロン・マスク氏の発言をきっかけに再び注目を集めている。50年以上包括的な監査が行われていないことから、実際の保有量を疑問視する声も。
12:18
仮想通貨相場は弱含み、ETP(上場投資商品)は5週間ぶり流出超過へ
(5週)19週連続の資金流入に終止符、米国から最大の流出も欧州は買い継続した。一方でJPモルガンとゴールドマン・サックスは長期投資視野にETF保有を積み増し。一方、アーサー・ヘイズ氏は7.5万ドルまでの下落を警告している。
11:40
スタンチャート銀など3社、香港ドル建てステーブルコイン発行で新会社設立へ
スタンダード・チャータード銀行香港部門、アニモカブランズ、HKTがステーブルコイン発行で合弁会社を設立。香港当局へライセンスを申請する予定だ。
10:20
ビットコイン投資のメタプラネット、株式分割へ 一年で株価は40倍に
仮想通貨ビットコインに多く投資している「メタプラネット」は2月18日、株式分割に関する取締役会決議を発表した。分割比率は1株につき10株とし、2025年3月31日を基準日として実施する。
10:05
CZ氏、バイナンス売却の憶測を否定
CZ氏は、仮想通貨取引所バイナンス売却の憶測を株主として否定。同社の共同創設者ヘイ・イー氏も憶測を否定し、コメントを発表した。
09:45
トランプ大統領、相互関税導入を決定 仮想通貨市場への影響は? 
米国のトランプ大統領が公平性を理由に相互関税の導入を決定した。関税以外の貿易障壁も対象になる。仮想通貨市場は現時点で落ち着いた動きも、長期的にはインフレ懸念も存在する。
08:10
資金流入が細り低ボラティリティの仮想通貨市場|仮想NISHI
仮想通貨市場は依然として値動きが乏しい状況が継続。トランプ政権の関税政策により利下げ見込みは後退し、さらにロシア・ウクライナ戦争の停戦観測が高まったことで地政学リスクも低下。
07:55
中国人投資家が2億円相当のETHを焼却、外部からの「脳支配」と主張
中国人プログラマーが投資会社のCEOらによる「脳コンピューター兵器での支配」を告発。約2億円相当のイーサリアムを焼却アドレスに送信し、業界に衝撃が走った。
07:25
仮想通貨投資商品、1週間で約630億円の資金が純流出
ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨投資商品は、1週間で計628億円の資金が純流出した。CoinSharesが週次レポートで主な原因を分析している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧