12/7(土)〜12/13(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週、12/14(土)〜12/20(金)の仮想通貨相場の仮想通貨相場週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は史上最高値を更新するもその後は弱地合いとなり、20日正午時点で、1540万円周辺で推移している。
トランプ次期米大統領がCNBCとのインタビューで、戦略的ビットコイン備蓄(SBR)実現への意欲を表明したことが材料視され、BTCは週開けの米国時間に上値を追う展開となり、1600万円台中盤まで上昇した。
これにより相場が史上最高値を更新すると、その後も確りとした推移が続き、17日には1665万円まで上昇した。
一方、17日米国時間からは米連邦公開市場委員会(FOMC)を翌日に控え警戒感が広がり、BTCは反落。翌18日アジア時間も下値を模索する展開が続き、1600万円周辺まで水準を下げた。
FOMCでは25bpの追加利下げと、来年は2回の25bp利下げ見通しが発表された。これらは概ね市場の予想通りだったが、経済見通し(Summary of Economic Projections、SEP)ではインフレ予想や長期の金利見通しが引き上がり、BTCは急落。
さらにパウエルFRB議長は記者会見で、インフレ動向を考慮して慎重に進むべきとの発言をしたことで、当局者のインフレへの警戒感が浮き彫りとなったことが嫌気され、相場は1500万円台中盤まで下落した。
19日のBTC相場は揺り戻しで1600万円を一時回復するも、この日発表された一連の米経済指標が景気の底堅さを示したことで、長期金利の上昇が相場の重石となった。また、米株式市場がFRBによるタカ派的利下げを消化し軟化したことも相場の重石となり、一時は1510万円周辺まで下落した。
FOMCの結果は、来年までの政策金利動向は市場予想と一致したものの、中立金利の指針となる長期の見通しが引き上がった他、GDPやPCEも明確に引き上げられた。
また、パウエル議長の発言からは、インフレ動向次第で利下げにさらにブレーキを掛ける可能性も示唆されたと言え、総合的に想定以上にタカ派的だった。
来週からはクリスマス休暇が始まることから、市場の流動性は低下し、値動きも鈍くなる可能性がある。こうした中、20日には11月の米個人消費支出(PCE)価格指数の発表を控えている。
消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)と同様にある程度の伸びの加速が市場では予想されているが、上振れサプライズとなればBTCはさらに水準を下げるだろう。
現状のBTCのドル建て相場は、11月から上昇チャネルを形成しており、今週は上放れに失敗し、足元では下放れを試す展開となっている(第2図)。相場が上昇チャネル下限を下抜けすれば、失望感やロングの投げで相場が下値を模索する展開になると指摘され、注意が必要だ。
下値目途としては、オプション市場で建玉が集中する9万ドル(約1412万円)をみているが、上述の通り、来週からは商いが細る可能性があるため、米PCEの結果次第で年末にかけてBTC相場が9万ドル周辺で着地するか、10万ドル周辺を維持するかが決まる可能性があるだろう。
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前回のレポート:ビットコイン1500万円台維持、17-18日FOMCで追加利下げ期待