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米上院銀行委員会、仮想通貨小委員会を設立 ルミス上院議員が委員長に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨に特化した小委員会

米上院銀行委員会が暗号資産(仮想通貨)に特化した小委員会の設立を進めていることがわかった。Punchbowl Newsが最初に報道し、上院議員補佐官が事実を認めた。

銀行委員会を率いるティム・スコット委員長(共和党)は昨年8月、ワイオミング・ブロックチェーン・シンポジウムで、デジタル資産に焦点を当てた小委員会の設立を予定していると発表していた。

銀行委員会の中に、この業界に特化した小委員会があれば、もっと議論に光を当て、業界に関する公聴会を開き、迅速に物事を進めることができる

仮想通貨小委員会の委員長には、ビットコイン支持派のシンシア・ルミス議員が選出され、数日中に承認投票が行われる。

ルミス議員は、米国政府にビットコイン(BTC)準備金の保有を義務付ける「2024年ビットコイン法案」を提出した人物。米国が5年間で100万BTCを備蓄する準備金によって、36兆ドル規模の政府債務の返済や米ドルの強化に役立つ可能性が指摘されている。

関連:ルミス議員、米国のビットコイン準備金を改めて呼びかけ トランプ氏勝利受け

ルミス議員の他にも仮想通貨に好意的な以下の共和党議員がこの小委員会に所属する。

  • ビル・ハガティ議員
  • デイブ・マコーミック議員
  • バーニー・モレノ議員
  • トム・ティリス議員

モレノ議員は昨年11月の選挙で、18年間現職につき仮想通貨業界に批判的な民主党のシェロッド・ブラウンから接戦の末、議席を勝ち取った経緯がある。モレノ氏は「米国上院で仮想通貨を守る戦いを率いる」との声明を出すなど、強く仮想通貨支持を打ち出しており、仮想通貨業界から4,000万ドル以上の選挙資金援助を受け選挙戦を戦った。

関連:米上院銀行委員会に仮想通貨肯定派が勢揃い、政策の行方に注目

上院銀行委員会の役割

上院銀行委員会(正式名称:銀行、住宅、都市問題委員会)は、米国の金融規制において中心的な役割を担っている。同委員会は証券取引委員会(SEC)や連邦預金保険公社(FDIC)など、銀行や主要な金融規制当局を監督する。

また、上院銀行委員会は、仮想通貨法案を含む法案提出のための予算を掌握しているため、どのようなリーダーが委員会を率いるのかが非常に重要になってくる。

上院銀行委員会を率いるティム・スコット議員は、2023年に下院金融サービス委員会に設置されたデジタル資産政策を専門とする小委員会の成功を、同委員会でも達成したいと考えているようだ。

デジタル資産小委員会が起草し、金融サービス委員会が下院に提出したた包括的な仮想通貨法案「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法(FIT21)」は昨年5月、下院で超党派の支持を得て承認された。

一方、バイデン政権とゲンスラーSEC委員長はFIT21に反対する声明を発表していた。

関連:SECゲンスラー委員長反対も、仮想通貨重要法案「FIT21」は下院通過

FIT21は、仮想通貨の規制明確化を図る包括的法案であり、SECと米商品先物取引委員会(CFTC)が共同でルール作りを行うことも規定している。

昨年12月に下院金融サービス委員会の委員長に選出されたフレンチ・ヒル議員は、仮想通貨関連法案を優先事項の一つとして取り組む意向を示しており、トランプ新政権下で規制整備の進展が期待されている。

関連:米下院金融サービス委員長、2025年に仮想通貨法案を優先の計画

次期SEC委員長

仮想通貨に対し強硬な姿勢を貫き、執行による規制を行って仮想通貨業界から強く批判されたゲイリー・ゲンスラーSEC委員長は、1月20日のトランプ大統領就任と同時に辞任すると発表している。

トランプ次期大統領は、次期SEC委員長として、SEC委員の経験を持つポール・アトキンス氏を指名。ティム・スコット議員はアトキンス氏との会談後に声明を発表し、金融規制に関するアトキンス氏の豊富な経験は、「ゲンスラー氏が資本市場に与えた損害を回復する上で極めて重要だ」と述べた。

また、スコット議員はアトキンス氏は、仮想通貨業界と投資家にとって規制の明確化がいかに重要であるかをよく理解していると付け加えた。

ルミス議員も同氏との会談を行い、仮想通貨規制改革について協議した。

ルミス議員は、SECに「アトキンスダイエット」に取り組んでもらうことを楽しみにしていると 述べ、同氏とともにバランスの取れた仮想通貨規制改革を行う意欲を示した。

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