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マルチコインキャピタル、ソラナのインフレを抑える改善案提出

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーキング参加者を動的に調節する案

大手暗号資産(仮想通貨)投資企業マルチコインキャピタルは17日、ソラナ(SOL)のネットワークにおけるインフレメカニズムを変更する改善案SIMD-0228を提出した。

インフレとは、一般的に通貨供給量が増加することで価値が希薄化する現象のことだが、今回の場合、バリデーターに対してネットワークが報酬としてSOLを発行することを指す。

バリデーターは、このSOLと一部のMEV(Maximal Extractable Value:最大抽出可能価値)報酬を、トークンをバリデーターに委任したステーカーに渡す。なお、MEVとは、バリデーターがトランザクションの順序を操作することで得られる潜在的な利益のことだ。

マルチコインキャピタルは、ステーキング参加者が減ったときに参加を奨励し、同時に、ネットワークのセキュリティを確保するためにソラナの新規発行を最小必要額に抑えることを提案している。

現在の懸念としては、インフレ率が高いと、ステーキングにより新たなトークンを得た者に所有権が集中化していく可能性があると述べる格好だ。

また、一部地域ではステーキング報酬に課税されるため、ステーカーが税金を支払うために報酬の一部を売却しなければならないことがあり、売り圧になることも考えられると指摘している。

具体的には、マルチコインキャピタルは、目標ステーキング率を50%にすることを提案している。ソラナの50%以上がステーキングされている場合は、利回りを下げてステーキングを抑止し、トークン発行量を減らす。

一方で、ステーキングされているSOLが50%未満の場合は、利回りを上げてステーキングを奨励し、トークン発行量を増加させるという案だ。

ソラナのステーキング報酬は現在7パーセントほどだが、今回の提案が承認された場合は、MEV報酬に相殺されない場合、減少する可能性もある。50%以上がステーキングされている場合はトークン発行量が減るためだ。

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ステーキングとは

特定の仮想通貨を保有することで、その通貨のブロックチェーンネットワークを管理することに貢献し、対価として報酬を得る仕組み。厳密には、仮想通貨を保有するだけでなく、ネットワーク上に預け入れておく必要がある。銀行口座に法定通貨を貯金し、一定期間後に利子を受け取る仕組みに類似しているといえる。なお、ステーキングは、PoS(Proof of Stake)のコンセンサスアルゴリズムを採用している通貨で行うことができる。

▶️仮想通貨用語集

SIMD-0096の承認

ソラナのインフレに関連しては、昨年5月にバリデーターが優先手数料の100%を受け取る提案(SIMD-0096)が承認されている。

優先手数料はこれまで、50%がバーンされており、残りがバリデーターに渡されている格好だ。この提案には投票者の77%が賛成したものの、現時点では、まだメインネットに実装されていない。

反対者の一部は、バーンメカニズムの廃止がインフレを引き起こす可能性があると意見していた。一方で、提案が完全に実施されても、純インフレ率への影響は0.2%に留まるとの試算もある。

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