デジタル資産の分類にも取り組みへ
米トランプ政権のAI(人工知能)・暗号資産(仮想通貨)特命官を務めるデビッド・サックス氏は、仮想通貨関連の大統領令の意義を語った。また、NFT(非代替性トークン)やミームコインは収集品に分類されるとも意見している。
サックス氏はフォックスビジネスに出演し、仮想通貨業界が何よりも望んでいるのは規制の明確化だが、バイデン政権は明確なガイドラインを提供せず、イノベーションを海外に追いやったと批判した。
その上で、トランプ氏が大統領令によって設立する仮想通貨の作業部会は、米国で仮想通貨のイノベーションを促進する規制枠組みを進めていくとしている。
関連:トランプ大統領、仮想通貨の戦略的国家準備金に関する大統領令に署名
規制枠組みの具体例としては、仮想通貨をどう分類するかを挙げた。どんな資産が証券、コモディティ、収集品などに当たるかを定義する必要があるとしている。
現在、民主党議員からトランプ氏の公式ミームコイン「TRUMP」は利益相反ではないかとの指摘が上がっているところだ。サックス氏はこの件について「個人的な見方であり、規制当局の意見ではない」としつつミームコインは収集品に当たるため問題ないと考えると話した。
関連:ドージコインの買い方とおすすめ取引所|トランプ政権下のDOGE省構想の影響は?
-
24/12/28
-
24/12/12
-
24/11/13
ステーブルコインとCBDCについて
サックス氏は、仮想通貨作業部会が取り組む内容として、ステーブルコイン規制の整備も挙げた。特に、米ドル建てのステーブルコインは、米ドルの優位性をデジタルに拡張するものだと述べている。
一方で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)について、トランプ政権は政府の取り組みを禁止する。
サックス氏は、CBDCは「自由に対する脅威」であり、政府がすべての人の取引を収集し監視するような社会につながる恐れがあると話した。同様に米ドルを表わすものでも、ドル建てステーブルコインは、裏付け資産として米国債への需要も喚起すると続けている。
例えば、ステーブルコインUSDTを発行するテザー社は、2024年10月時点で、準備金として保有する米国債への直接・間接のエクスポージャーが1,025億ドル(約16兆円)に達していると報告した。
これは各国が保有する米国債の量に匹敵するものであり、世界の国と比べると、ドイツ、オーストラリア、アラブ首長国連邦(UAE)を上回り、トップ18位以上にランクインする。
AI分野の成長も後押しへ
ドナルド・トランプ政権はAIも推進していく方針だ。米国におけるAIインフラ構築に向けた、77兆円規模の民間投資を準備していることが報じられた。テキサス州を拠点とする新会社「Stargate」がAI分野のインフラ投資を行っていく見込みである。
このニュースを受けて、OpenAIのサム・アルトマン氏率いる仮想通貨プロジェクト「ワールドコイン(WLD)」など、AI関連プロジェクトも一時上昇した。
また、トランプ大統領は就任してすぐに、バイデン前政権によるAI規制に関する大統領令を撤回している。この命令はAIの安全基準設定などを内容とするものだった。
関連:トランプ大統領、米国に77兆円規模のAIインフラ投資を発表へ AI関連の仮想通貨が高騰