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米商務長官候補ラトニック氏「AIとブロックチェーンでUSDTの悪用を防止」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

テザー社への関与

米トランプ大統領により商務長官に指名されたハワード・ラトニック氏は29日、上院商務・科学・運輸委員会で開催された公聴会で、ステーブルコイン「テザー」(USDT)と同氏がCEOを務める米金融大手キャンター・フィッツジェラルド社(以下、CF社と表記)の関与について一連の質問に答えた。

同社は、2021年よりテザー社のカストディ業務を担っており、現在は1,320億ドル(約20兆円)規模にのぼるテザー社の準備資産の大部分を管理。年間数千万ドル規模の手数料を得ているとされる。また、昨年11月には、テザー社から、CF社が計画しているビットコイン融資・貸付事業への支援受け入れを検討中だと報じられた。

ステーブルコイン発行にあたって、十分な担保を確保しているかに関する監査の取り組みについて尋ねられたラトニック氏は、「米ドル建てステーブルコインは監査を受けるべきであり、米国債によって100%完全に裏付けられるべきだ」と答えた。

テザー社は2021年、USDTの裏付け資産問題で米商品先物取引委員会(CFTC)に4,100万ドル(約63.7億円)の罰金を支払うことで和解した経緯があり、その後は定期的に準備金の証明書を発行するも、監査の正当性について懸念の声も聞かれる。

続いて現在よりもより透明性の高い堅牢な監査プロセスが必要かとの問いにラトニック氏は、「もちろんだ」と即答した。

同氏またはCF社によるUSDTの保有については、自身はUSDTを保有したことはないが、 CF社についてはテザー社と転換社債を保有していることを明らかにした。

関連:米金融大手キャンター・フィッツジェラルド、ビットコイン貸付・融資事業でテザーからの支援検討か

テザーと犯罪行為

多額のUSDTが北朝鮮やロシア、中国の犯罪者により、違法行為に使用されているとの懸念について尋ねられると、ラトニック氏は、実際に犯罪者に最もよく使われているのは第一に法定通貨の米ドルであり、第二にユーロだと反論。時価総額最大のステーブルコインUSDTは、その市場シェアに見合った割合で頻繁に使われているとして、次のように述べた。

犯罪者がApple社の電話を使用しているからといって、Apple社を責めるようなものだ。

テザー社は、身元確認が行われていない相手とは取引をしておらず、米国の法執行機関すべての要請に応じていると同氏は述べた。現実的には、テザー社が発行したUSDTが、流通市場でどのように取引されるかについては同社の監督が及ばないことが問題だと示唆した。

一方、違法行為をなくすためには、ブロックチェーンの特性とAIを活用した解決策が考えられると以下のように述べた。

米国政府がステーブルコイン発行者のブロックチェーンに使用しているAIツールにより、ブロックチェーンを違法行為に利用する犯罪者が世界から排除されるだろうと、私は考えている。

ラトニック氏は、テザーを使った違法行為が発覚するのは、ブロックチェーンに記録されているからであり、米ドル紙幣が使用されていた場合には、発覚することはなかったと指摘。ブロックチェーン上にあるからこそ、違法行為を見つけて追跡することが可能だと強調した。

同氏は、米ドル建てのステーブルコイン発行者すべてに、法執行機関への協力とAIツールをそれぞれのモデルに組み込むことを求める方法を提案。米国政府のAIツールとブロックチェーン技術によって、1~2年以内にステーブルコインから違法行為を排除することが可能だと主張した。

すべての事業と資産を売却する覚悟

ラトニック氏は、金融や不動産分野で成功した実業家でありトランプ大統領の政権移行チームの共同代表を務めた人物。情報開示によると、その保有資産は8億600万ドル(約1,260億円)を超える。ブルームバーグ・ビリオネア指数によれば、同氏の純資産は21億ドル(約3,260億円)とされる。

公聴会で同氏は、商務長官として承認された場合、「すべての権益、事業権益、資産、全てを売却」すると発言。承認後90日以内に処分されると確約した。

私は、自分の人生で十分なお金を稼いだ。自分自身はもちろん、家族の面倒を見ることもできる。
私にとって今こそ、米国の人々に奉仕するチャンスだと思っている。事業を売却し、利益相反の可能性をすべて排除することで、米国に奉仕することに専念できる。

関連:仮想通貨を種類別に解説|アルトコイン、ミームコインまでわかりやすく

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