はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米FDICが通信文書公開、仮想通貨取引銀行に対する圧力が明らかに

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

FDICによる圧力

米連邦預金保険公社(FDIC)は5日、暗号資産(仮想通貨)活動に関する銀行との通信文書を公開。FDICが銀行に対し、仮想通貨関連活動を最小限に抑えるよう強く勧告していたことが判明した。

公開された175件の文書によると、FDICは銀行と仮想通貨企業との関係に積極的に介入。銀行に仮想通貨企業の米ドル預金口座を制限するよう指示していた。また、銀行に対し、少なくとも25通の「一時停止通達」を送付し、仮想通貨関連サービスを停止または削減するように指示していた。

FDICのトラビス・ヒル暫定総裁は、文書公開に関する声明で以下のように述べている。

本日公開する文書は、これらの銀行からの要請が、ほぼ例外なく抵抗に遭ったことを示している。それは、さらなる情報を求める繰り返しの要請から、銀行が回答を待つ数か月間の沈黙、監督当局による仮想通貨またはブロックチェーン関連活動の一時停止、停止、または拡大を控えるような指示まで多岐にわたる。

ヒル氏は、FDICの行動が「銀行に、仮想通貨活動を先に進めることは不可能ではなくとも、極めて困難であるというメッセージを送った」結果、「大多数の銀行は、試みることをやめてしまった」とまとめた。

今回の大量の文書公開は、昨年10月に大手仮想通貨取引所コインベースが、FDICに対し情報公開法(FOIA)に基づき開示請求を行い実現したもので、裁判所命令により2月7日までに公開が義務付けられていた。

関連:コインベース、銀行の仮想通貨関連サービス提供許可を要請 FRBらに書簡

オペレーション・チョークポイント2.0

今回の大量の文書公開で、仮想通貨コミュニティが主張してきた「オペレーション・チョークポイント 2.0」の存在が裏付けられた形となった。

仮想通貨業界は、米国政府が同業界を銀行サービスから締め出そうとする動きを、「オペレーション・チョークポイント 2.0」と呼んでいる。チョークポイントとは、流れが滞る難所などを意味し、「チョークポイント1.0」は、2013年に銃器販売業者など、詐欺やマネロンのリスクが高いと考えられる業界への銀行サービスを司法省が制限した動きを指す。

仮想通貨銀行カストディアバンクのケイトリン・ロングCEOは、XでFDICの公開文書に言及。コミュニティに文書の精査を呼びかけるとともに、一連の投稿でFDICによる理不尽な圧力に関する複数の事例を指摘した。

  • 一部の銀行に対し、仮想通貨企業から米ドル建預金の受け取りを拒否するように圧力
  • ビットコイン価格の損失を顧客に補償するよう、銀行に強制

ドナルド・トランプ大統領は、このような、仮想通貨業界や保守派を標的とした銀行へのアクセス制限「オペレーション・チョークポイント 2.0」を解体すると公約した。

また、ヒル総裁は「FDICは仮想通貨関連活動に対する監督アプローチを積極的に再評価」しており、「仮想通貨市場に関する大統領作業部会と連携していくことを楽しみにしている」と述べた。

上下両院で調査・公聴会

特定の団体や業界や対する銀行サービス提供の制限については、複数の連邦議員が問題視している。

米共和党のフレンチ・ヒル下院議員は昨年12月、下院金融サービス委員会の公聴会で、「米国の合法的な企業には、銀行取引と金融サービスを受ける自由があるべきだ」として、状況を調査すると発表した。

シンシア・ルミス上院議員は1月16日、FDIC総裁に書簡を提出し、仮想通貨関連の資料を破棄しないよう警告していた。

下院監視・政府改革委員会のジェームス・カマー委員長は1月24日、仮想通貨企業の幹部ら6名に宛てて書簡を提出。業界に対する銀行サービスの制限について実態調査を開始した。

直近では、上院銀行委員会が5日、「銀行口座の解約(debanking)」の影響を調査する公聴会を開催した。

同委員会のティム・スコット委員長は、冒頭陳述で、バイデン政権下では「オペレーション・チョークポイント 2.0」が台頭し、規制当局が権力を悪用し、保守派の個人や「気に入らない業界」に属する人々へのサービスを停止するよう、銀行に圧力をかけたと批判した。

政治的イデオロギーを理由に、個人の銀行口座を解約することは非アメリカ的であり、私たちの国が築かれた中核的価値観に反すると心から信じている。

関連SEC、リップルやコインベース裁判の担当弁護士をIT部門へ移動

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/22 火曜日
10:57
米ストラテジーとトランプ・メディア、財務戦略強化でビットコイン買い増し
米ストラテジー社が仮想通貨ビットコイン約1,090億円相当を追加購入し、保有総量60.7万BTCに。トランプ・メディアも、約2,950億円相当のビットコイン関連資産保有を発表している。
10:44
NFT市場の時価総額が60億ドル超え 取引増加で25年2月以来の水準に
NFTの時価総額が一時68億ドルを超え、今月に入って増加基調にある。有識者の分析によると、イーサリアム等の仮想通貨の強気相場などが背景にあるようだ。
08:40
40万ETH保有計画のThe Ether Machine、ナスダックのSPAC上場目指す
仮想通貨イーサリアムに特化した事業を計画するThe Ether Machineという新しい企業が自社の誕生を発表。SPACとの合併によってナスダックに上場する計画である。
07/21 月曜日
14:00
IMF、エルサルバドルのビットコイン購入停止を指摘 政府は継続主張
国際通貨基金がエルサルバドルによる仮想通貨ビットコイン購入が停止していると報告した。同国政府の継続購入発表と食い違い、実際の保有状況に疑問符が浮上している。
13:41
英国政府、押収仮想通貨の売却に向け準備か 資金調達の可能性も
英国政府が押収した仮想通貨の売却を検討している。押収したビットコインなどは合計で1兆円規模と推定される。財政難の中、新たな資金調達手段となる可能性が指摘されている。
07/20 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、投資会社創設者によるETH1万ドル到達予測やXRPの最高値更新など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン1800万円目前で揉み合い、米規制緩和進展が下値支え|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン(BTC)対円相場が1800万円を窺う展開。史上最高値更新後の高値揉み合いが続く中、米下院でのジーニアス法案可決など規制緩和の進展が相場を支援。トランプ政権の仮想通貨政策レポート公表を22日に控え、戦略的ビットコイン備蓄の具体策にも注目。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|トランプ大統領による米初の仮想通貨包括規制法署名に高い関心
今週は、ビットコインの価格予想、古参ビットコイン大口保有者の動向、トランプ大統領による米初の仮想通貨包括規制法への署名に関する記事が最も関心を集めた。
07/19 土曜日
13:50
トランプ一族関連のWLFI、4.5億円分のイーサリアムを追加購入 総額370億円超に
ワールド・リバティ・フィナンシャルが861ETHを新規購入し、総保有量は70,143ETHに到達。仮想通貨法案可決が追い風に。
13:20
ジャック・ドーシーのブロック社、S&P500指数に追加へ
ジャック・ドーシー率いるブロック社がS&P 500指数に追加される。株価は時間外取引で10%以上上昇した。同社は米国製の新ビットコインマイニングチップを年内発売予定だ。
11:30
ピーター・ティール支援の仮想通貨取引所ブリッシュがIPO申請=CNBC
元NYSE社長トム・ファーレイ率いるブリッシュが証券取引委員会にIPOを申請。コインデスク買収実績を持つ同社の上場計画と業界動向を報告。
11:02
著名アナリストが分析、「ビットコインからイーサリアムへ資金移動、アルトシーズンの兆し」
ウィリー・ウー氏らがアルトシーズン開始を予測。仮想通貨ビットコインからイーサリアムへの資金ローテーションが本格化し、アルトコイン市場の上昇環境が形成。
10:05
JBA、暗号資産アンケート 分離課税20%導入の場合84%が投資増額意向
日本ブロックチェーン協会が暗号資産税制アンケート結果を公表した。保有者の84%が分離課税20%で投資増額すると回答した。また、10人に1人以上が暗号資産を保有などの結果も出た。
08:50
仮想通貨全面高の一週間、米下院クリプトウィーク振り返りと今後の見通し|仮想NISHI
今週の仮想通貨市場は、米下院で開催された「仮想通貨週間」において、ビットコインが史上最高値となる12万ドルを超える展開となった。アルトコイン市場においても大幅な上昇が見られた。
08:30
リップル発行のRLUSD、ブルーチップから最高評価獲得
独立の格付け機関ブルーチップがリップルのRLUSDステーブルコインにA評価を付与。BNYメロンでの準備金管理と堅牢なコンプライアンス体制などが評価された。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧