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2/16(土)〜2/21(金)の週次レポート
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週、2/16(土)〜2/21(金)の週次レポート:
今週もビットコイン(BTC)の対円相場は概ね1400万円台中盤で揉み合いが続いている。
ソラナ(SOL)上のミームコイン相場の下落によるSOL売りや米株の下落によって、週前半のBTC円は1470万円から1425万円周辺まで下落した。
一方、その後米株が復調すると、BTCも連れて高くなり下げ幅を縮小。19日の応酬時間に入ると週初からの下げ幅をほぼ奪回した。20日未明の1月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を控え、相場は失速したが、一部の会合参加者が量的引き締め(QT)を減速あるいは停止の検討が適切と指摘したことで、下値は支えられた。
ただ、FRBによるQTペース調整観測や日銀による追加利上げ観測を受けて、外国為替市場ではドル円相場が下げ足を速め、円建てBTCの上値余地を限定。20日米国時間のBTC円は1480万円に肉薄したが、ドル建てBTCと比較すると上昇率は控えめとなった。
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【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成
米国の粘着なインフレによってFRBによる追加利下げのタイミングに不透明感が台頭し、米金利に上昇圧力を掛けていたが、QTペースの調整の可能性という思いがけない材料にBTCの下値は支えられた。
勿論、量的緩和(QE)ほどのインパクトがあるわけではないが、QTの減速あるいは停止によって米国債利回りへの上昇圧力緩和が意識されよう。
他方、今週は米ユタ州とモンタナ州で戦略的ビットコイン備蓄(SBR)法案が議会審議に必要な票を得た。Bitcoinlawsによると、上記の2州の他にアリゾナ州とオクラホマ州でもSBR法案が議会審議に漕ぎ着けている。
先月のトランプ大統領就任のタイミングに合わせて連邦レベルでSBRの創設が期待されていたが、トランプ大統領はSBRの「検討」に踏みとどまったことでやや失望感があった。ただ、現状では合計20の州でSBR法案が提出されており、州レベルでのSBR実現に向けた期待感もBTC相場の支援材料となるか。
ただ、BTCはテクニカル的に危うい状況にいる。ドル建てBTC相場は先週、一目均衡表の雲下限を割り込み、強い売りシグナルとなる三役逆転が完成した(第2図)。
直近の上昇で相場は転換線を回復できたものの、三役逆転は維持されており、目先では雲下限や基準線、また心理的節目の10万ドルが密集する9万9000ドル〜10万ドルのエリアがレジスタンスとして意識されよう。
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【第2図:BTC対ドルの一目均衡表(日足)】
出所:Glassnodeより作成
同レジスタンスの上抜けに成功すれば、テクニカル的なセンチメントもより改善すると指摘され、相場は2月の下げ幅をさらに縮小するだろう。
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