はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

SWIFT、新たな決済システムで効率の大幅アップ狙う|リップル社などが競争相手か

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SWIFT、統合事前認証GPI決済サービスのパイロット開始決定
SWIFT(国際銀行間通信協会)が、統合事前認証GPI決済サービスの試作(パイロット)を開始する決定を公式ブログにて発表した。リップルやJPモルガンを競争相手に、決済システムの大幅改善に注力。

SWIFTの新たな送金ソリューション

SWIFT(国際銀行間通信協会)が、統合事前認証GPI決済サービス(integrated pre-validation GPI payments service)の試作(パイロット)を開始する決定を公式ブログ にて発表した。決済メッセージのエラーおよび遺漏の迅速な特定・排除を可能にすることが目的だという。

パイロットは現在初期段階にあり、新たに統合された双方向サービス基盤の構築を目標としている。

具体的には、国際決済における「予測可能性(predictable)」と効率性を向上させる目的でAPIや予想分析を使用し、GPI決済と完全に統合されたサービスとなる予定だ。

これの実用化が実現すれば決済システムの効率を大幅に改善し、最終的にはSWIFTネットワークを利用している全ての銀行で利用可能となる。

予測可能性とは

本来、被害や事故などを事前に予測できる可能性を意味する。金融市場では、株式や金利を予測できる可能性といった使い方をされてきたが、近年はエラーなど決済・送金プロセスに支障をきたす問題が生じる可能性の予測も指す。

 

従来の国際決済・送金は複数の銀行間が取引が行われるため、対処に手間や時間、コストを要する点が最大の難点とされていた。また些細なミスが原因でプロセスが凍結したり未完了に終わる、あるいは受取金額と送金金額に大きな差があるなど、不透明性が消費者の不満につながっていた。

SWIFTの新たな統合事前認証GPI決済サービスは今後、従来の金融機関が抱えるデメリットを解消するソリューションの一つとなり得るだろうか注目すべきだ。

最大の脅威とされるリップル『xCurrent』

1973年の設立以来、世界200カ国、1.1万の企業クライアントが利用する国際金融インフラを築き上げたSWIFTだが、リップル社やTransferwiseなどのスタートアップからJPモルガンといったメガバンクまでが次世代金融システムの構築に注力している近年、フィンテックの競争に晒されている格好だ。

中でもリップルはSWIFTにとって最大の競争相手とされており、既に100行を超える金融機関が同社の送金メッセージサービス「xCurrent」を利用できるRipple Netに参加している。

xCurrentとは

銀行間でリアルタイムなコミュニケーションをとることで、送金プロセスのエラーを未然に防ぎ、即時決済を可能にするサービス。

CoinPost関連記事

リップルネットの参加企業200社越えに|2ヶ月で100社の増加実績
今年9月に開催されたカンファレンス内で、リップル社のクリス・ラルセン氏は100以上の企業と契約を結んだことを発表したが、すでに2ヶ月ほどで100社増え、合計200もの企業が参加している事が明らかになった。

コンセプトそのものは、SWIFTの統合事前認証GPI決済サービスと共通する。リップルは他にも仮想通貨XRPを使った、送金コストの大幅削減に貢献する『xRapid』も提供している。

高速且つ確実に低コストな送金が実現するとなれば、金融機関がリップルのような新手の決済システムに強い関心を抱くのは当然と思われる。

積極的にPoE(概念実証)を実施

SWIFTは対抗策として2015年、「Global Payment Initiative (GPI)」の発足を発表。イノベーションを通して国際決済のスピード・透明性・予想可能性(predictable)の向上を図ることで、銀行間取引の改善を目指している。統合事前認証GPI決済サービスのパイロットも、GPIプロジェクトの一環となっている。

一方で、JPモルガンやBBVA(スペインの大手=ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行)、ドイツ銀行、中国建設銀行など100行の金融機関が参加するこのプロジェクトでは、2017年、ノストロ・アカウントのリアルタイムな残高調節のPoE(概念実証)を実施。

CoinPost関連記事

JPモルガンのブロックチェーン決済プロジェクト、日本の銀行3行を含む75の銀行が参加
JPモルガンのブロックチェーン決済プロジェクトINNに新たに世界75行が参加した。日本からはみずほ、りそな、三井住友の3行が名を連ね、取引時間やコストの圧縮に期待が集まる。背景には、いわゆるノンバンクによる決済サービス参入増加があるようだ。

ノストロ・アカウントとは銀行間取引で資金決済を行う当方の決済口座で、外国為替取引の際は相手銀行に外貨の決済口座を告知する。ノストロ・アカウントはリアルタイムな管理が出来ず、国際決済の増加にともないの管理自体が困難になりつつある模様。

2018年3月にPoEの最終結果が報告され、実用化に必要なポテンシャルは立証されたものの、広範囲な導入以前に解決すべき課題があることが確認された。 また10月には中国、シンガポール、タイ、オーストラリアの銀行を対象とした新たな即時クロスボーダー決済のPoEの成功が報告されている。

SWIFT、Rippleの提携はあり得るのか

SWIFTがRippleと提携関係を結ぶ可能性については、過去に機会や可能性があった事実をRippleのブラッド・ガーリングハウス氏が認めているが、実現には至っていない。また同氏はRippleが「SWIFTの成し得なかったことを可能にしており、追い越すことを目標にしている」と公言していることから、今後両社間で次世代決済競争が激化する可能性が高いだろう。

▶️本日の速報をチェック
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者7,000名突破。

CoinPostの関連記事

リップル社やネム財団など4社が新団体設立|目的は仮想通貨など新技術の革新を促す規制構築
欧州における不明確な規制の現状を変えるべく、リップル社やネム財団などが「Blockchain for Europe」を設立。規制当局に業界側から正しい情報を提供することにより、新技術の革新を促す規制の構築を目的としている。
リップル社規制関連担当Dan Morgan「アジア市場に最も関心」|爆発的需要増加に繋がるか
リップルのヨーロッパ規制関連担当のDan Morganが、同社がアジア市場に最も関心を持っていると発言。ASEAN諸国内外の国際決済において、リップルがシームレスな取引を実現するとの見解を示した。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08/20 水曜日
20:06
SBI VCトレード、仮想通貨積立でキャッシュバック 最大1%還元 キャンペーン
SBI VCトレードが暗号資産(仮想通貨)積立投資のキャッシュバックキャンペーンを開始。期間中の約定金額に応じて最大1%を還元、上限なし。9月20日まで実施で新規・既存ユーザーが対象。ドルコスト平均法でリスク分散も可能。
14:40
WebX 2025完全ガイド|日本最大Web3カンファレンスのチケット料金・見どころ・参加方法まとめ
国内最大手仮想通貨メディアCoinPostによる「WebX 2025」の特集ページ(公式ガイド)。SBIの北尾会長、平 将明デジタル大臣、小池都知事、ホリエモン、オードリー・タン、アーサー・ヘイズなど豪華な注目スピーカーをはじめ、お得な割引情報を含むチケット料金、会場アクセス、サイドイベント情報を詳しく解説。
13:15
イーサリアムトレジャリー企業が市場に与える影響は? クリプトクアント分析
クリプトクアントが仮想通貨イーサリアム・トレジャリー企業の台頭を分析した。16社以上がETH財務戦略を採用する中、そのメリットや問題点を解説している。
13:00
J-CAMのWebXブースは「体験型エンタメ空間」遊び心と近未来を彷彿とさせる仕掛け|WebXスポンサーインタビュー
大規模カンファレンス「WebX 2025」のタイトルスポンサーとしてブース出展を決めた、株式会社J-CAMの新津俊之CEOへインタビュー。BitLendingやIoliteを通じた暗号資産レンディングサービスの展望ついて聞いた。
11:45
JPYC、日本円ステーブルコイン発行へ 新サービス「JPYC EX」とは?
JPYCが資金移動業ライセンスを取得し、日本初の円建てステーブルコイン「JPYC EX」を発行へ。特徴や将来性を徹底解説。
11:25
岐路に立つビットコイン、次の上昇はいつから? 専門家の見解
仮想通貨ビットコインが11万4000~11万5000ドルで調整継続中。アナリストは9-10月回復予測する。バーンスタインは2027年まで強気相場継続と分析。
10:30
スカイブリッジ、アバランチで440億円の資産トークン化
米投資運用会社スカイブリッジが主力ヘッジファンドを仮想通貨アバランチのブロックチェーンでトークン化する。RWA市場が成長し機関投資家のトークン化参入が本格化している。
10:20
テゾスエコシステム at WebX 2025:RWA最新動向から日本限定グッズ、体験型コンテンツまで一挙公開
WebX 2025でテゾス共同創設者Arthur Breitman氏が登壇。そのエコシステムについて、ハードフォーク不要でアップグレードできるブロックチェーン技術と100万TPS対応のレイヤー2、世界初ウラントークン化など最新動向を解説。日本限定グッズ抽選やフォトブース体験も。
10:15
ロビンフッド、NFLと大学のアメフトの予測市場を提供へ
仮想通貨などの取引サービスを提供するロビンフッドは、米国のプロと大学のフットボールの試合結果に賭けることができる予測市場のローンチを発表。ロビンフッドのアプリから直接使用できる。
08:12
ワイオミング州、米国初の州発行ステーブルコイン「FRNT」をローンチ
ワイオミング州が米国初の州政府発行ステーブルコイン「フロンティア・ステーブル・トークン(FRNT)」を正式リリース。7つのブロックチェーンに対応。
07:00
カインドリーMD、5744BTCを購入 ナカモト合併後初の大型投資
医療企業カインドリーMDが5744BTCの仮想通貨ビットコインを約679億円で購入。ナカモト・ホールディングスとの合併完了後初の大型投資で総保有量は5765BTCに拡大。
06:35
米SEC・FRBトップ、仮想通貨規制方針転換を宣言
米SECアトキンス委員長とFRBボウマン副議長がワイオミング・ブロックチェーン・シンポジウムで仮想通貨規制の抜本的方針転換を発表。イノベーション重視の新時代開幕。
05:55
テザー、トランプ政権仮想通貨評議会の元高官を戦略顧問に起用
世界最大のステーブルコイン発行会社テザーが、トランプ政権でホワイトハウス仮想通貨評議会を率いたボー・ハインズ氏を米国戦略担当の戦略顧問に任命。
05:45
シャープリンク、イーサリアム保有量74万ETHに拡大
米上場のシャープリンク・ゲーミングが8月17日時点でイーサリアム保有量を74万760ETHまで拡大。前週は新たに14万3593ETHを購入した。
05:30
仮想通貨取引所Bullish、IPO調達資金全額をステーブルコインで受領
仮想通貨取引所ブリッシュがIPO調達資金11.5億ドルを全てステーブルコインで受け取り、米国IPO史上初の事例を達成。ソラナネットワークを活用しコインベースが保管。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧