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バイナンスやコインベースに続く
米国証券取引委員会(SEC)は24日の発表で、仮想通貨取引所ジェミニ(Gemini)に対する調査を終了し、法的措置を取らないことを決定した。ジェミニの共同創業者キャメロン・ウィンクルボス氏はSNS上で「調査開始から699日、ウェルズ通知を受け取ってから277日後に、ようやくこの決定が下された」と述べた。
ウィンクルボス氏は「これは仮想通貨に対する戦争終結への新たな節目ではあるが、SECが我々や業界、そしてアメリカに与えた損害を補うには程遠い」と批判的な見解を示した。同氏は前SECの指導部による仮想通貨業界全体への対応を厳しく非難し、これらの措置に関わった関係者の即時解雇を公然と求めた。
この動きは、トランプ大統領当選後の規制環境の劇的変化の中で起きている。SECは最近、コインベース、バイナンス、オープンシー、ロビンフッド、ユニスワップなど主要仮想通貨企業に対する訴訟を取り下げ、調査を中止する流れを加速させている。。
ジェミニとSECの対立は、2023年1月にさかのぼる。SECは当時、ジェミニと破産した仮想通貨貸出業者ジェネシス(Genesis)が「Earn」という最大8%の利回りを謳う商品を通じて未登録証券を販売した疑いで両社を提訴した。SECによれば、ジェネシスはジェミニ利用者から預かった仮想通貨を貸し出し、その利益の一部をジェミニに送金。ジェミニはそこから時に4%を超える手数料を差し引いた後、残りの利益を利用者に還元していたとされる。
SECの主張では、ジェネシスはこの商品を証券として登録すべきだったとされるが、今回の調査終了によりこの見解は事実上覆されたことになる。この決定は、バイデン政権下で強硬だった仮想通貨規制がトランプ政権下で大きく方向転換しつつあることを示す顕著な例となった。
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