
ビットコイン50万ドルは実現可能か
トランプ大統領が3日に自身のSNS「Truth Social」で発表した「仮想通貨戦略的準備金」構想を受け、仮想通貨市場は大きな変動を見せている。ビットコインの価格は約8万5000ドルから一時9万5000ドルまで急騰。同時に、ADAとXRPも大幅な上昇を記録し、それぞれ約60%と30%の上昇を見せた。一方、4日には相場全体がトランプ対中関税政策を嫌気し大幅に下落している。
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スタンダード・チャータード銀行のデジタル資産調査責任者ジェフ・ケンドリック氏は、トランプの仮想通貨準備金構想を受けたビットコインの価格変動について注目すべきコメントを発表した。「市場は下落時に買い、上昇時に売る動きから、下落時に買い増す戦略へと移行している。そのため、私はビットコイン50万ドルという目標を再確認する」とThe Blockへのメールで述べた。
ケンドリック氏はメールに添付した投資家向けノートで、ビットコインがこの野心的な目標に向かって進む要因について言及した。彼によれば、ビットコインは世界的な投資ポートフォリオの安定した要素へと移行しており、伝統的な金融が直面する課題に対する独自のヘッジ手段を提供している。さらに、投資家のアクセス拡大が長期的なビットコイン価格上昇の主要な触媒になると予想。「これらの展開は我々の以前の予想と一致しており、ビットコインは2025年末までに20万ドル、2026年末までに30万ドル、2027年末までに40万ドル、そして2028年末には50万ドルに達し、2029年末まではその水準を維持するだろう」と述べた。
ケンドリック氏はさらに、トランプの仮想通貨準備金構想の戦略的重要性を強調した。この動きが米国の各州独自のビットコイン準備プログラム開発への道を開く可能性があり、最終的には州全体で連邦政府と同程度(推定約20万BTC)のビットコインを保有する可能性があると示唆した。トランプの発表のタイミングが今週金曜日のホワイトハウス仮想通貨サミット直前であることから、仮想通貨政策における具体的な進展への期待が高まっている。
ケンドリック氏は最近の市場のパフォーマンスについても言及した。2月はビットコインにとって2022年6月以来最悪の月間パフォーマンスを記録し、親仮想通貨政権にとって課題となった。しかし、その後の週末は2021年1月以来最も好調な価格動向を示した。「2.5年ぶりの最悪の月の後に4年ぶりの最高の週末が続くという組み合わせは、株式市場における『FRB保証』に似た『トランプ保証』の最初の確かな兆候に見える」と指摘した。「FRB保証」とは、連邦準備制度が大幅な市場下落を防ぐために介入する可能性を指し、投資家にセーフティネットを提供することを意味する。同様に、「トランプ保証」は、市場参加者がトランプ政権の政策を仮想通貨市場を支持するものと認識し、一種の暗黙の保護を提供することを示唆している。
ケンドリック氏によれば、トランプの仮想通貨準備金発表により、極端な負の結果が発生する可能性が低下したという。「これは重要な意味を持っている。市場が結果の暗黙の分布から極端な負の可能性を排除できることを示唆するからだ」と述べた。「取引所での30億ドルのロングポジションの清算と25億ドルのETF売却を見た週の後に悪い結果を排除することは、市場が今後上昇できることを示すのに十分だろう」と付け加えた。
先週のCNBCインタビューでも、ケンドリック氏は機関投資家の参入が仮想通貨市場の成長に不可欠だと強調していた。「仮想通貨エコシステム内では、スタンダード・チャータードやブラックロックなどの伝統的金融プレーヤーや、現在ETFを持つ企業が本格的に参入する必要がある」と述べ、業界の制度化が進むにつれて安全性が向上し、Bybitで発生した15億ドルのハッキング事件のようなネガティブなニュースが減少するとの見方を示した。機関投資家による仮想通貨採用の増加と米国における「規制の明確化」により、時間の経過とともに市場のボラティリティは低下し、「これが中期的な上昇ポテンシャルにつながる」と分析している。
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