- リクルート、BTCなどを担保にした法定通貨貸付サービスに出資
- リクルートは11日、仮想通貨を担保とした法定通貨貸付サービス「BlockFi」への出資を発表した。担保にできる仮想通貨はBTC、ETH、LTCの3種類で、米ドルの貸付サービスを受けることができる。
リクルート、BTCなどを担保にした法定通貨貸付サービスに出資
株式会社リクルートホールディングスの中間持ち株会社である株式会社リクルートは12月11日、仮想通貨を担保とした法定通貨貸付サービス「BlockFi」(ブロックファイ、本社:米国ニューヨーク)への出資を発表した。
BlockFiは2017年8月に設立されたサービスで、リクルートの投資子会社である合同会社RSPファンド6号を通じて行われる。
現時点で担保にできる仮想通貨は、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)の3種類で、米ドルの貸付サービスを受けることができる。
対象は個人だけに留まらず、仮想通貨交換業者(取引所)を始め、仮想通貨送金事業者やICO企業、マイニング事業者など、さまざまな事業会社に利用されているとのこと。
背景と目的
リクルート社は、背景と目的について、以下のように説明している。
昨今の仮想通貨市場の急拡大に伴い、仮想通貨保有者が急増している現状があるものの、実社会において法定通貨(円やドルなど)が必要な場面が多く、仮想通貨を法定通貨に換金するニーズも同様に高まっている中、現時点で次のような課題が挙げられる。
- 換金に時間がかかる
- 課税率の高さ
- 換金レートの値動きに影響を受ける
そこでBlockFiは、「換金ではなく仮想通貨を担保にして法定通貨を貸し付けるサービス『BlockFi(ブロックファイ)』を通じて、換金コストを最小限にとどめて、利用者の資金ニーズに低利率かつ即時に対応することを実現」したという。
仮想通貨を担保にすることで、本人確認などの「審査プロセス」を簡略化。自社と外部のデータベースを活用した審査フローを自動化することで、申し込みから貸付までのリードタイムを短縮して、低利率の法定通貨貸付が行える仕組みになっている。
リクルート社は、同サービスの品質向上ならびに利用拡大をサポートしてするほか、今回の資金調達により、商品開発や営業活動を拡充していく予定としている。
リクルート関連企業とブロックチェーン
リクルートグループは、ブロックチェーンに関する取り組みにも積極的な姿勢を示している。
2016年4月には、子会社のリクルートテクノロジーズが、ドイツにある「ascribe GmbH」と技術協力し、ブロックチェーン技術を活用した共同検証プロジェクトを開始。「将来的には、リクルートの持つ多様なビジネス領域に応用できるよう、実利用シーンを見据えたサービス開発の可能性を探ることが目的」と言及している。
また2017年11月には、ブロックチェーン技術の用途開発を目的とし、アイドルフェス「IDOL DIVERSITY Powered by No Maps」(IDOL DIVERSITY)を舞台に、スマホゲームアプリを活用した実証実験を行なった。
実証実験に際し、IDOL DIVERSITYと連動したカードゲームのアプリを開発。電子ポイントの個人間取引にブロックチェーン技術を活用したところ、ユーザーからの満足度が高く、特定の場所や場面において限定的に使用可能な「揮発性通貨」としての可能性を示した。
そのほか、今年10月には、リクルートに約1300億円(12億ドル)で買収した米大手企業求人情報検索サイト「glassdoor」が、ブロックチェーン関連の求人に関するレポートを自社サイトで公開している。
glassdoorのレポートでは、仮想通貨価格が下落の一途をたどっている状態にありながら、関連企業への求人数は増加傾向にあることが示されている。
glassdoorのデータベースによると、ブロックチェーン関連業種(ブロックチェーンエンジニアなど)の年収中央値は84,884ドル(約954万円)で、米国全体の求人上の年収中央値である52,461ドル(約590万円)を61%も上回る。
ブロックチェーン関連の求人の内、最多となるのは全体の19%を占めるソフトウェアエンジニアとなっており、需要の高さをよく表していると言えるだろう。
また、マネックスグループの松本CEOも、12月12日に開催された報道機関向け事業説明会後の質疑応答にて、「米国の仮想通貨市場では、金融機関出身者などの人材や多額の資金流入が、現在でも加速し続けている」ことに言及。依然として将来性のある市場であり、前向きな姿勢であることを強調した。
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