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ビットコイン市場、FRBの金融政策とSECのPoW判断は好材料 流動性低下に警戒感も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

20日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比−11.31 (0.027%)の41,953ドル、ナスダック株価指数は−59.16 (0.33%)ポイントの17,691で取引を終えた。

東京株式市場では、日経平均株価の前引けは、前日比+184.63 (0.49%)円の37,936円で推移している。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+0.62%の1BTC=84,659ドルに。

BTC/USD日足

FOMCの議事録発表後の3月19日、ビットコインは好反応を示した。パウエルFRB議長が量的引き締め(QT)ペースの緩和と2025年に2回の利下げ可能性を確認したことが要因だ。

BitMEX共同創業者のアーサー・ヘイズ氏は、4月1日に量的引き締め(QT)が実質的に終了するとのFRB発言を歓迎した。同氏は7万7000ドルがビットコインの底値となった可能性を示唆しつつも、予期せぬボラティリティの急上昇が株式市場とビットコインにさらなる下落圧力をもたらす可能性があると警告している。

関連:「ビットコイン底値77000ドルの可能性」ヘイズ氏分析、パウエル議長発言を受け

その理由としては、まず第一に、量的引き締め(QT)の実質的な終了は市場全体の流動性増加につながることが挙げられる。

FRBによる米国債の売却ペースが大幅に減少(月間250億ドルから50億ドル)することで、市場に残る資金が増え、その一部がリスク資産、特にビットコインなどの暗号資産に流れる可能性が高まる。

第二に、この政策変更は将来的な金融緩和への明確なシグナルとなるからだ。QTの縮小は、FRBが引き締め政策から緩和政策へと徐々に移行していることを示しており、これは伝統的にビットコインのようなインフレヘッジと見なされる資産にとって好材料と言える。

その一方、トランプ米大統領が米ニューヨークで開催されたデジタル資産サミットにビデオ出演したことを受け、失望売りも見られた。

一部投資家間には、特定の暗号資産に対するキャピタルゲイン税の撤廃や米国のビットコイン戦略準備金に関する重要発表を行うという思惑先行の向きもあったが、トランプ大統領の実際の発言は政府に押収されたビットコインを売却しないという既存の約束を再確認するとともに、議会に対して明確なステーブルコイン法案の早期制定を促すというものだった。

関連:ビットコイン50万円下落、トランプ大統領演説で失望売り発生|仮想NISHI

流動性危機を指摘

Glassnodeの18日付の最新レポート「The Week On-chain Newsletter」の分析によると、ビットコイン市場の流動性が急速に低下しており、複数の指標が市場の弱体化を示している。

例えば、ビットコイン市場の健全性を測る重要指標である実現時価総額の月間成長率はわずか+0.67%に低迷している。

これに連動して、取引所への1日あたりの流入量もピーク時の+58.6k BTCから+26.9k BTCへと54%も減少した。懸念されるのは“ホットサプライ”と呼ばれる発行から1週間以内のコインの急減だ。

先日の過去最高値の更新時には流通供給量の5.9%を占めていたこの指標は2.8%にまで落ち込み、50%以上の縮小を示している。これは市場で自由に取引できるコインが著しく減少していることを意味する。

先物(デリバティブ)市場も同様の後退を見せている。未決済建玉(OI)は史上最高値の570億ドルから370億ドルへと35%も減少した。

注目すべきは、米国の現物ETFとCMEグループの先物を組み合わせた「キャッシュ・アンド・キャリー取引」戦略の崩壊の兆しだ。Glassnodesによると、先物ポジションの閉鎖に伴いETFからの資金流出が急増し、現物市場への売り圧力が高まっている。

また、主要なオプション指標はリスク回避選好を示しており、プットオプションに織り込まれたインプライドボラティリティによってプレミアムが上昇しているという。

特集:米国の仮想通貨「準備金」構想

なお、21日には、米国証券取引委員会(SEC)が「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)を採用する暗号資産(仮想通貨)は証券規制の対象外である」との判断を下したことを発表した。

これにより、ビットコイン同様にすべてのPoW銘柄は「商品」として分類されることとなった。

SECは声明の中で、PoWのマイニング活動は証券の募集や販売を伴わず、参加者は証券法に基づく登録義務を負わないと明確に示した。この判断は仮想通貨業界にとって大きな転換点となる可能性がある。

業界アナリストらは、この規制明確化を受け、2025年第2四半期末までにライトコインやドージコイン、モネロなど複数のPoW基盤のアルトコインのETF(上場投資信託)がSECに承認される可能性が高まったと分析している。

しかし、SEC委員のキャロライン・クレンショー氏はこの決定に反対の立場を示し、規制の「重大な抜け穴」があると指摘している。

この決定は最近の規制緩和の流れを強化するものだ。SECはすでにミームコインを証券ではないと判断し、リップル社に対するXRP訴訟も取り下げている。また、米商品先物取引委員会(CFTC)はソラナとXRPの先物取引を承認し、これらのETF実現への道を開いた。

関連:SECとリップル社の法廷闘争終結へ ガーリングハウスCEOが「勝利宣言」

トランプ大統領が指名したポール・アトキンス氏は来週、SEC議長就任に向けた上院公聴会に臨む予定だ。マーク・ウエダ氏とヘスター・ピアース氏がすでに証券と商品の区分を明確化していることから、アトキンス氏の就任後、アルトコインETF承認プロセスの加速が予想される。

こうした規制環境の変化は機関投資家の暗号資産市場参入を促進し、業界全体の成長を後押しするものと期待されている。

関連:米SEC、仮想通貨PoWマイニングは証券法対象外と明言

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