
現物設定・償還がついに成立
米証券取引委員会(SEC)は日本時間30日、仮想通貨現物ETFの現物による設定・償還を承認する決定を投票で可決したと発表した。指定参加者による現物設定・償還が可能となり、従来の現金ベースから大幅な進歩となった。
承認対象にはブラックロックやアーク21、フィデリティ、バンエック、フランクリン・テンプルトンなどののビットコインETFおよびイーサリアムETF商品が含まれる。これにより、ナスダック、ニューヨーク証券取引所アーカ、Cboe BZX取引所が現物償還に関する加速承認を取得した。
SECのポール・アトキンス委員長は声明で「SECにとって新しい日であり、仮想通貨資産市場に適した規制枠組み開発が委員長職の重要な優先事項」と表明し、投資家にとってコスト削減と効率性向上の恩恵があると説明した。
また、「今日の承認は仮想通貨の合理的規制枠組み構築を継続し、より深く動的な市場につながり全米投資家に利益をもたらすものだ」と述べた。
ブルームバーグのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏は先週、現物設定・償還は個人投資家には適用されず、あくまでウォール街大手企業やマーケットメイカーの指定参加者向けの動きとなると説明。仮想通貨ETFは既に高効率のため大部分の人は違いを感じないが、他の伝統的ETFと同様の取り扱いにするための措置だと指摘している。
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