
対ビットコイン比率が回復と予想
米上場の暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)トレジャリー企業ビットマイン(BitMine Immersion Technologies:BMNR)は2日、保有するイーサリアムが、約186万枚に達したと報告した。
これは、現在のイーサリアム供給量の約1.5%にあたり、記事執筆時点での時価は1兆円を超えている。世界の企業の中でも1位の保有量だ。
Strategic Ethereum Reserveによると、トレジャリー企業のシャープリンク(約84万ETH)、イーサマシン(約50万ETH)、さらにイーサリアム財団が約23万ETHと続いている。
ビットマインは、イーサリアム総供給量の5%を保有するという目標を掲げており、その基準に向けて少しずつ前進しているところだ。なお、ビットコイン(BTC)なども入れた仮想通貨保有量ではストラテジー社に続く世界二位である。
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ビットマインのトーマス・リー会長は、トランプ政権で米証券取引委員会(SEC)が仮想通貨に前向きに取り組むようになったこと、およびステーブルコイン規制の「ジーニアス法」成立が、イーサリアムにとって数十年にわたるチャンスを生み出しているとの見解を示した。
リー氏は、イーサリアムは今後10~15年で最大のマクロ取引(大局的な経済の動きを前提に行う投資)の一つになるとして、次のように述べた。
ウォール街とAI(人工知能)がブロックチェーンに移行することで、今日の金融システムに大きな変革がもたらされるはずだ。そして、その大部分はイーサリアム上で起こるだろう。
金融業界の新たな動きとしてステーブルコインや現実資産(RWA)トークン化が挙げられるが、現在はイーサリアム上で発行されるものが多い。リー氏の発言はこれを背景にしたものとみられる。
リー氏は、ビットコイン価格に対するイーサリアム価格の比率は0.038だが、今後は長期平均の0.047まで回復し、それをさらに上回るだろうと予想した。
ウォール街が金融システムやAIを構築するためのチェーンとしてイーサリアムを議論し始めているとも続けている。

出典:DeFiLlama
DeFiLlamaによると、ステーブルコインの時価総額は2,830億ドル(約42兆円)で、53%がイーサリアムのネットワークで発行されている。なお、トロンが2位でシェアは29%だ。
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ステーブルコインとは
価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。
さらに、rwa.xyzによるとRWAトークン市場の時価総額は158億ドル(約2.4兆円)だが、このうちイーサリアムが83億ドルと、53%のシェアを維持している。
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