
伝統金融とWeb3の架け橋に
暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)と資産運用大手フランクリン・テンプルトンは10日、パートナーシップを締結したことを発表した。
これからブロックチェーン技術を活用して、伝統金融と分散型市場の速さとアクセス可能性を融合させると説明。広範な投資家を対象に、デジタル資産の新たな取り組みを開始したり、ソリューションを開発したりするとしている。
今回の協業では、規制に準拠した有価証券のトークン化におけるフランクリン・テンプルトンの強みと、バイナンスのグローバルなトレードのインフラと投資家基盤を組み合わせる方法を探っていくとした。
協業の目的は、革新的なソリューションを提供して、投資家の進化するニーズに応えることであると説明。優位性のある利回りを生み出せるようにしたり、決済の効率性を高めたりして、資本市場に透明性、アクセス可能性、効率性を提供すると述べている。
そして、協業内容や新プロダクトローンチの詳細については、年内に改めて公表すると説明した。
フランクリン・テンプルトンでイノベーション部門のトップを務めるSandy Kaul氏は今回の発表で以下のようにコメントしている。
我々は、ブロックチェーンを従来のシステムに対する脅威ではなく、従来のシステムを再構築する機会だととらえている。
バイナンスとの協業によって、我々はトークン化の技術を活用し、当社の「Benji Technology Platform」のような機関レベルのソリューションを広範な投資家に提供することが可能になる。また、伝統金融と分散型金融(DeFi)をつなぐことに貢献できるだろう。
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フランクリン・テンプルトンは、運用資産額が1兆6,000億ドル(約235兆円)に上る大手資産運用企業。米国でビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)の現物ETFを提供していることに加え、「BENJI」というトークンを活用した「米国政府マネー・ファンド(FOBXX)」を提供していることでも知られる。
昨年7月には国内大手SBIグループが、同社との共同出資会社設立に向けた最終契約のための条件合意書締結を発表したことでも注目を集めた。法改正が実現すれば、この共同出資会社が日本で仮想通貨ETFを提供する可能性がある。
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