
フサカの重要性
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は25日、データ記憶領域「ブロブ(blob)」の利用急増などに関する課題について、次期アップグレード「フサカ(Fusaka)」で改善できるとXに投稿した。
フサカで導入が計画されている「PeerDAS(Peer Data Availability Sampling)」という機能が、ブロブの拡張性向上に貢献できると説明。一方で、先例のない機能であるため、安全性を最大限に重視して開発を進めていることを強調している。
ブテリン氏は今回、Dragonflyでデータサイエンス部門のトップを務めるヒルデベルト・ムリエ氏の投稿を引用してフサカに言及。ムリエ氏は25日、ブロブの利用状況をXに投稿していた。
ムリエ氏の投稿内容は、1ブロックあたりのブロブ数が初めてターゲットである6に達したことや、ベースやワールドらのチェーンによってブロブの利用が急増していること、空きスペースのあるブロブが多いこと、ブロブを共有できるようにすればコストが削減できるという提案があることなどに触れている。
ブテリン氏が今回改めて紹介しているPeerDASはブロブの拡張性を向上させる機能。おおまかには、バリデータが全てのデータをダウンロードしなくても良いようにするための機能である。
ブテリン氏は、PeerDASはL2の拡張性向上の鍵となる技術であると説明。そして、イーサリアムの実行データをブロブに移行する水準にガスリミットが上がれば、イーサリアムの拡張性向上にも重要な技術になると述べている。
L2とは
「レイヤー2」の略で、「2層目」のネットワークのこと。全ての取引をメインチェーンで処理すると負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。取引の一部をL2で行うことで、メインチェーンの負荷軽減や処理速度の向上を期待できる。
なお、フサカでは、ブロブの数を増やしやすい仕組み(EIP-7892)も導入する予定だ。
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PeerDASの導入などを予定するフサカについては今月、12月にメインネットで実施するという予定が決定した。それまでは、テストネットで実験を重ねる。
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